入試に出る!!時事ネタ日記

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頭突き事件の真相は? 背後にある他民族社会フランス

2006-07-17 12:09:27 | 社会

ジダンの事件は連日報道されていて世間の関心の高さがうかがえますが、そもそもジダンがルーツを持つアルジェリアとはどのような国なのでしょうか。今回はそのあたりをご紹介したいと思います。

古代アルジェリアは、ヌミディアという国(ローマ帝国からの呼称)が栄え、後にローマ帝国の属州となりました。苛烈なローマによる支配の後は、アラブ人イスラム勢力の支配を受けましたが、イスラム帝国が異民族・異教徒に対して寛容であったため、ある程度の自治を享受しました。

しかし、1830年にフランスがアルジェを侵略、1871年には全アルジェリアを支配下におきました。ここでも苛烈な植民地支配が行なわれ、上記の歴史とあわせて考えると、ヨーロッパの支配の方がはるかに不寛容な支配であったと言えます。

大戦後は独立運動が盛り上がり、壮絶な独立戦争ののち、1962年に独立を達成しました。この時のフランス大統領はあのド=ゴールです。しかし独立後のアルジェリアは政情不安な状態が続き、軍事クーデタや軍部独裁が続きます。これに対して、イスラム原理主義過激派がよるテロを頻発したため、どうにもアルジェリアはテロのイメージを拭い去れないようです。

一方、独立後も移民としてアルジェリア人を多数受け入れてきたフランス国内では、民族主義が台頭、イスラム教徒との間の諍いが深刻化しています。現在のフランスでは、アルジェリア系移民のことを「テロリスト」と呼んだり、アルジェリア移民の女性を「売春婦」と呼ぶことは著しい人権侵害であり、民族差別だと認識されているようです。

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