志村さんのブログに、こんなのがありました。「胎児のときは母親の羊水の中で暮らしています。」「地球上の生命は、すべて海の中で誕生したというのが定説です。」その後生玉荘のいくたまきさんの「海で暮らす気持ち」の読後感から、人と海との深い関わりを述べられています。そして、宇和島水産高校の練習船「えひめ丸」の遭難に例えて、海の中にいる時の人の心の安堵感を語っています。
確かに、海と言わず水にかかわっている時、私は安らぎを感じるのです。子供の頃を海の近くで育ちました。小学校時代に「カナヅチ」を克服し、幸い観海流の古式泳法術(遠泳水泳術)が中心の講習でしたので、1・2時間、半日水中にいても、ゆったりと過ごせるようになりました。成長してからは、海風のべたつきを離れたくて、爽やかな山に憧れ山歩きに没頭しました。それでも、特に、音を立てて流れる谷川の清流には、憧れさえ感じています。水の流れを見ていると、初めての場所でも、いつか来たことがある思いに駆られるのです。
ここは、伊勢神宮五十鈴川です。4、5年前の5月に訪れたと思います。しかし、この流れには、時代を感じません。季節も感じません。まさに悠久の流れなのです。
確かに、50年以上前、小学校の修学旅行で1回だけ訪れて、この場所で記念撮影をしているのですが、昨日も、去年も来たような思いに浸るのです。水だけで出来ているようなこの体が、そんな思いを呼び起こすのでしょうか。
池の畔の水鳥と内宮本殿に向かう参道が、静けさを演出していました。
学生時代はほとんど一人旅でした。結婚後家族旅行となり、今は妻と二人旅です。たまに、一人旅に無性にあこがれます。
日本の国土の美しさは、川にあると思います。ローカル線の列車で峠を越えるとき、川幅がだんだん狭くなって小川になり、小さなトンネルをくぐると、小川が反対向きに流れています。ああ、別な土地へ来たなと、旅心が深まります。貧乏学生気分のひとり旅、今でもあこがれです。