漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

今年の本

2015年12月27日 | 

この年齢になると、本なんて読んでも、
日々の暮らしや収入にかかわるわけでもないから、

ただただ時間つぶしと心得、
自分の楽しみのために読むだけのことなのだが、

そんななかでも、今年読んだちょっと記憶に残った本をいくつか。

それも、戦争モノを、
と言っても戦記ではなく、「戦争の傷跡モノ」とでもいえばいいのだろうか。

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★浮浪児1945- 石井 光太 (著)

終戦直後、親兄弟の死亡や行方不明により、
焼け跡に取り残された多くの戦災孤児たちは、どこへ消えのか?

1945年の終戦直後、
焼け跡となった東京は、身寄りのない子供たちで溢れていた

――全国では、12万人以上。

復興と共に街が浄化され、
居場所を失い歴史から〝消え去った〞彼らを、残された資料と当事者の証言から上野を中心に現在まで追う。


★僕の見た「大日本帝国」 西牟田 靖 (著)

「大日本帝国」の統治下にあったアジア太平洋の各地を踏破した、
70年生まれのノンフィクションライターの意欲作。

十字架と共存する鳥居、青い日の丸、
ロシアの鳥居、見せしめにされた記念碑、落書きだらけの慰霊塔……

かつて日本の領土だった国々に残る、その不可思議な光景の理由は?

 知られざる反日と親日のリアルとは?
だから僕は「大日本帝国」を踏破してみた。


★「敗北を抱きしめて 上 下」 ジョン・ダワー著

敗戦の惨状の中を歩み始めた民衆は、
「平和と民主主義」への願いを抱きしめて、上からの革命に力強く呼応した。

奇蹟的な「敗北の物語」を描いた二十世紀の叙事詩。
ピュリッツァー賞受賞作品。2001年刊の増補版。


★革新幻想の戦後史 竹内洋著

戦後社会では、さまざまな空間を革新勢力が席捲していった。
しかしそうした雰囲気は、多分に焚きつけられ、煽られたものであった。

誰が、どのように時代の気分を誘導したのだろうか。
また、それはどのように、その後のねじれた結果をもたらしたのか。

膨大な文献資料から聴き取り調査までを駆使し、今につながるその全貌に迫る。


★英国人記者が見た連合国戦勝史観の虚妄

「戦勝国史観」に取り込まれている日本人に問う

滞日五〇年、『フィナンシャル・タイムズ』『ロンドン・タイムズ』『ニューヨーク・タイムズ』東京支局長を歴任した英国人大物記者が、
戦後、戦勝国の都合で作り上げられた「日本悪玉論」を断罪、

来日当時は戦勝国史観を疑うことなく信奉していた著者は、
いかにして史観を大転換させるに至ったのか。









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