三菱瓦斯化学は、この春、出向させていたH君を呼び戻し、昇進させる人事辞令を発令した。しかし、彼は一労働者でいたいとその辞令を拒否した。困った人事部は、報復人事として研究技術職の彼を、営業に配転するという辞令を出した。
彼は、三菱瓦斯化学の組合に入っていたが、組合は彼の支援に動かないばかりか無視した。かれは外部の合同労組かながわにも加盟していたから、すぐに支援体制がとられ、本社前でのビラまき、東京、神奈川の各事業所でのビラまきが行われた。
この報復人事に対して団体交渉を申し入れ、元の職場で働かせろという交渉に入った。普通、団体交渉は議事録を取らなくてはいけないのだが、人事部側は頑なに拒み続けた。これは不当労働行為だ。元の職場、三菱ガス化学金町営業所からも応援に駆けつけた仲間がいた。
7月まで従来の賃金が支払われていたが、8月に入ると一週間の出社停止処分が言い渡され、その後もとの職場に出社していた彼に対して(締め出しを食って三菱エンジニアリングプラスチックス工場内に入れなかった)、先月何度目かの団体交渉が行われた25日付けで、その場で言い渡さずに、郵送で26日に無断欠勤での懲戒解雇通知を送りつけて来るという暴挙に出た。会社の言うことを聞かない奴は要らないという、資本の本音を出してきたのだ。勝ったと思った。資本の理不尽な本音を、引き出すことができたからだ。労働者との話し合う場を無視し、解雇という強硬手段に会社は出てきたのは、許せない
彼は、解雇撤回、報復人事撤回の訴えをこれからも続けると宣言した。不当労働行為は法に触れるが、報復人事は、人事の裁量権の問題だとしてそれが報復だと認定されることはほとんどない。だから非裁判闘争でいく。覚えておけ三菱瓦斯化学よ!労働者の身分を資本の好き勝手にされてたまるか!名ばかりの管理職辞令など許さないぞ!