皆既日食は、1年か2年のサイクルで地球のどこかで起きている現象なのだが、日本で見られるのは40数年ぶりということで、鹿児島から沖縄周辺の島々は今受け入れ態勢の準備を整えて、本番を待っている。観光ツアーの目玉にしているところもあった。宿泊施設が足りないと思われる島では、臨時のテント村まで作って待っている。 思惑通り日食目当てで観光客がどっと押し寄せてくれるのか、そんな期待と不安の中、やはりいました。事前ツアー予約者だけの上陸を許していたのに、不正入島者が。自前の船で島に上陸する人達がいたことに頭を抱える地元自治体。 国内の陸地で見られるのは46年ぶりとなる皆既日食が22日に迫るなか、皆既帯にある鹿児島県の十島村(としまむら)が頭を痛めている。人の殺到を避けるため、事前に制限したツアー客しか受け入れないよう準備してきたのに、自前のヨットなどで島にこっそり入る人たちが相次いでいるからだ。 「やっぱり、いたか」と村の担当者は嘆く。18日朝からツアー客の第1弾を乗せたフェリーの接岸が口之島(くちのしま)から始まった。だが一方でツアー客以外の上陸者は、この日までに5島で27人が確認された。 せっかく来てもらったのに『帰ってください』というのは心苦しいが説得は続けるという。自然の驚異のまえにできること、島では日食は災害だという声も出ている。島民が600人足らずしかいないところにその倍以上の来島者が予想されるからだ。 皆既日食とは太陽と月、地球が直線上に並び、地上から見ると太陽が月に完全に隠される天文現象。今回の皆既日食は、国内の陸上で観測されるのは63年7月の北海道以来。十島村があるトカラ列島は七つの有人島と五つの無人島が南北約160キロに散らばり、全島で6分間ほど皆既日食が見られる。 空から見るという遊覧飛行ツアーも計画されていたり、海には海上保安庁が把握しているだけでも177隻の船が出るという。海にも届け出てという要請しているにも拘らず、無届で出てくる船もあるだろうと予想される。 さて今回の皆既日食騒動、事前に予約したツアー客1500人だけ受け入れると島が決めて、ツアーではなく独自に来てしまった人たちに対して、出て行ってくださいはいいと思いますか、受け入れ側に問題はなかったのでしょうか。
みんな見たいと思っているけれど、受け入れる側の体制上、予約だけを受け入れるのはやむをえないのでしょうか。