祖谷渓挽歌(いやだに・ばんか)~藍 友紀(あい・みゆき)著

「2007年自費出版文化賞」大賞受賞作品の紹介およびその周辺事情など。

9-26/沖縄の犠牲で栄える豊葦原の秋津島々(4)終わり

2016-09-26 02:18:48 | Weblog

米軍基地だけではない。沖縄の人たちを追い詰めるバッシングと「無関心」

BuzzFeed Japan 9月25日(日)17時0分配信
















米軍基地だけではない。沖縄の人たちを追い詰めるバッシングと「無関心」


陸自ヘリによる車両運搬の様子を取材する阿部さん(9月13日撮影)


民意を代弁する、抗議の声

沖縄タイムスに入社して19年間。長年、米軍基地問題を取材してきた阿部さんは基地建設と抗議運動について、どう考えているのか。

「機動隊は法的根拠なしに実力行使をし、道路を封鎖しています。つまり、民主主義、さらには法治国家の破壊が起きているとも言える。沖縄でしかこんなことはできないでしょう。差別の延長とも言えます」

県警が根拠にする警察法2条には、こう書かれている。封鎖などの根拠にはなり得ない、というのが阿部さんの見方だ。

”第二条 警察は、個人の生命、身体及び財産の保護に任じ、犯罪の予防、鎮圧及び捜査、被疑者の逮捕、交通の取締その他公共の安全と秩序の維持に当ることをもつてその責務とする。

2 警察の活動は、厳格に前項の責務の範囲に限られるべきものであつて、その責務の遂行に当つては、不偏不党且つ公平中正を旨とし、いやしくも日本国憲法の保障する個人の権利及び自由の干渉にわたる等その権限を濫用することがあつてはならない”

「沖縄で起きていることは、“特殊な問題”と思われていますが、そうだとは思っていません。これが日本の一角である沖縄で崩れたら、全国に波及していくかもしれない」

沖縄タイムスは7月22日以降、シフトを組んで現場に記者を貼り付けている。

「まず、市民の声をまず聞いて、拡声していかないと、大きな声を持っている政府と対等な議論はできません。だからこそ、伝える必要がある」

「もちろん、仮に基地建設に反対しているのがごく一部であれば、こんな風に取材はしません。県民の多数が反対し、地元の人たちも賛成している人がいない状況がある。だからこそ、抗議集会に来ている人たちは、民意を代弁しているとも言える。多くの声を、背負っているんです」
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米軍基地だけではない。沖縄の人たちを追い詰めるバッシングと「無関心」


9月13日の地元2紙と全国紙(東京版)。2紙が1面トップで報じた陸自ヘリについた触れた記事は、産経新聞の総合面の短信以外には見当たらなかった


象徴的な「記者排除事件」

8月20日。そんな現場で取材をしていた沖縄タイムスや琉球新報の記者が、機動隊員によって一時身柄を拘束された。

沖縄2紙は「報道の自由を侵害する」として、厳しく抗議。マスコミ労組や東京新聞、信濃毎日新聞なども紙面などで批判した。

この件について聞くと、冷静だった阿部さんの口調が変わった。大きくなった声に、怒りにも似た強い思いを感じる。

「ついにここまで踏み切ったかと思いました。排除された記者は、沖縄タイムスの記者であることや、表現の自由を主張したけれど、問答無用で拘束された。人の目をできるだけ少なくしようという明確な意図があったはずです」

「記者がいなくなってしまえば、警察の暴力や暴言を伝える人がいなくなってしまう。沖縄で起きていることが、外に伝わらなくなる。こういうことがあるのなら、私たちはなおさら、ひるまないで克明に記録をしていかないといけない」

意気込む一方で、外からの視線の冷たさを感じることもあるという。

「偏向新聞」と罵られたり、「反日」と叩かれたり。沖縄の声は、沖縄の外にはなかなか届かないのだろうか。

全国メディアの反応も、同じだ。沖縄2紙が日々1面や社会面などで大きく報じる抗議行動や基地問題に関して、全国紙に掲載されることはまれだ。記者排除の件を大きく取り扱ったところはない。

温度差があるのは、たしかだ。

「沖縄で混乱が起きても、政府の方針が変わることはない。だから、ニュースではないと、本土紙には捉えられているのかもしれませんね」
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最終更新:9月25日(日)17時0分

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