米軍基地だけではない。沖縄の人たちを追い詰めるバッシングと「無関心」
BuzzFeed Japan 9月25日(日)17時0分配信
米軍基地だけではない。沖縄の人たちを追い詰めるバッシングと「無関心」
抗議集会の場に立つ山路さん(9月14日撮影)
同じように抗議運動に参加してきた、沖縄生まれの芥川賞作家・目取真俊さん(55歳)も、道行く機動隊車両を指差しながら、つぶやいた。
「ここは“憲法番外地”です」
今年4月。目取真さんは辺野古での抗議活動中、米軍に身柄を拘束され、その後、海上保安庁に刑事特別法違反の容疑で逮捕された。那覇地検はその翌日、処分保留で釈放している。
同法は、米軍基地の保護を目的とした、日米安保条約に基づく法律だ。
「沖縄では何をやっても許される。異常というよりも、恐ろしい状態ですよね。こんなこと、他府県で起こるわけはないんですよ」
「県民が反対していると選挙で示されようと、議会で反対しようと、無視をされる。法の下の平等も、基本的人権も認められていない」
なぜ、抗議活動の現場に機動隊は動員されているのか。
沖縄県警はBuzzFeed Newsの取材に対し、「警察法第2条の責務に照らし、各種法令に基づいた措置を講じている」と説明した。現場では、抗議活動をしている人たちによって道路の占拠や車両の通行を妨害するなど、「危険かつ、違法な抗議行動が行われている」と指摘し、こう述べた。
”憲法第21条に規定する表現の自由も無制限に認められることではなく、公共の福祉に服するものと解されている、と承知している”
”北部訓練場周辺で行われている抗議行動に対しても、それが、公共の安全と秩序を侵害しない限り、県警察として関与するものではないが、違法な抗議行動などに対しては、警察の責務に照らし、法令にのっとって、適切な措置を講じているところである”
.
米軍基地だけではない。沖縄の人たちを追い詰めるバッシングと「無関心」
機動隊と向かい合う集会の参加者たち
抗議に参加できない、地元住民たち
山城さんや目取真さんは沖縄出身だが、今回のヘリパッド建設地域の出身ではない。では、本当に「地元」の人たちは、ヘリパッド建設や抗議運動のことをどう感じているのだろうか。
地元紙・琉球新報が高江区で実施したアンケートがある。
全67世帯中38世帯が回答しているが、建設に賛成した住民は1人もいない。「反対」が80%で、「その他(どちらでもない、分からないなど)」の20%を大きく上回っている。
1999年と2006年の区民総会では、全会一致で反対決議を出している。一方の東村は建設を容認しているが、議会では昨年2月、完成したヘリパッドの使用禁止決議を出し、「反対を押し切って建設が強行された」と指摘した。
ただ一方で、多くの地元住民はそんな抗議運動に参加できていない、という現実もある。