比企の丘

彩の国・・・比企丘陵・・・鳩山の里びと。
写真、文章のリンク自由。

丸木美術館・・・2014「ひろしま忌」で・・・不都合な情報の排除の理由を考える

2014-08-17 | 語り継ぐ責任 ひろしま ナガサキ
☆「語り継ぐ責任・・・ひろしま・ナガサキ」だけ見たいかたは・・・クリック

8月6日、東松山市下唐子・・・「原爆の図」丸木美術館で行われた[ひろしま忌」。
暑かったですね。あの日の広島は3000℃。

新館ホールで永田浩三さんの「『はだしのゲン』をなぜ排除するのか 」というテーマでの講演を聞きました。

以下は永田さんの講演と離れた私見の展開ですが。
昨年、松江市の小中学校所蔵の「はだしのゲン」にたいして教育委員会が閲覧制限の要請を出した事件、この問題はそのご要請の撤回という形で解決しました。この問題のいきさつはNETのWEBでクリック→はだしのゲン 松江市 閲覧制限。いろいろな情報ですからどの情報をチョイスするかは読んだ人の自由です。
わたしが昨年8月29日にブログで扱った記事です・・・クリック→漫画「はだしのゲン」・・・閲覧制限・・・どうしてだろう
埼玉県でも埼玉平和資料館で年表の従軍慰安婦の表現がマスキングされていることが過去に議論になっています。不都合なこと(加虐の歴史)は見せない、そういう原理です。中國のことばで焚書といいます。

「情報の開示」「表現の自由」に対する排除の時代がまたやってきそうな気配です。
沖縄の慶良間諸島で起こった集団自決のこと、従軍慰安婦のこと、これらのことを消そう消そうとします。真実はわたしにはわかりませんが資料・情報を消そうとしてはいけません。
アメリカでもそうです。「真珠湾」は忘れませんが、原爆投下、東京大空襲、ビキニ環礁の原爆実験、この加虐の歴史をアメリカ国民はどれだけ知ってるでしょうか。
資本主主義であろうと社会主義であろうと極左であろうと極右であろうと表現したいことは表現できる、集会して議論できる。これが自由主義社会です。
国民のための政府が国益のためといって不都合な情報は開示しない、大本営発表といって新聞、放送局など民間の報道機関も一体となって虚偽の情報を流し真実を国民に知らせない、国民を煽動して一つの方向に導く、そんな時代が再びやってこないように。


永田浩三・・・NHK元プロデューサー、「ETV2001」のシリーズ「戦争をどう裁くか」を担当。番組改変問題が問題になり、その後NHKを退社。武蔵大学社会学部教授。NHK番組改変問題については自著「番組改変事件10年目の告白NHK,鉄の沈黙はだれのために」(柏書房 2010年刊)でその顛末を書いています。
被爆2世・・・母の実家は広島市胡町、爆心地から東に900mの八丁堀の尼子商店。広島市平和資料館管理の平和データベースの情報にある写真の「小田政商店の焼け跡」の隣。原爆ドームの残骸にも似るこの写真は福島原発のメルトダウンの建屋の写真にもダブって見えてきます。お母さんが原爆のことを語るようになったのは晩年のことだったそうです。

永田浩三さんの基本講演が行われた1階の新館ホール。「原爆の図」が描かれた後に製作された4部作が常設展示されています。
4部作について丸木美術館のHP→クリック・・・「アウシュビッツの図」、「南京大虐殺の図」、「水俣の図」 「水俣・原発・三里塚」
※講演を聞きながら一部を写させていただきました。

水俣の図

アウシュビッツの図

南京大虐殺の図

水俣・原発・三里塚」は1枚目の講演会場の最奥の作品です。

ゲルニカ、重慶、ドレスデン、東京、ひろしま、ナガサキ・・・非戦闘員に対する無差別爆撃、
アウシュビッツ、南京の大量虐殺、ベトナムの枯葉作戦、足尾、神通川、水俣・・・企業による有害物質の垂れ流し、
人間の人間に対する加虐行為。

東松山市の丸木美術館には丸木位里・俊夫妻が描いた「原爆の図」15点が年間を通じて展示されています。
丸木美術館のHP→クリック・・・原爆の図」。 
いちどは訪れてみてください。

8月7日、東京新聞に載った「ひろしま忌」の記事からです。

来年(1915年)6月~8月、「原爆の図」がアメリカの首都ワシントンDCのアメリカン大学美術館で展示されることが決まりました。
アメリカでの展示会はこれまで3回。首都ワシントンでの展示会ははじめて。ワシントンでは1995年スミソニアン博物館での原爆被災の展示が世論の反対で中止になったいきさつがあります。今回は映画監督のオリバー・ストーンさん、アメリカン大学のピーター・カズニック教授(歴史学)らの働きかけによるもの。
来年アメリカでは第2次大戦戦勝70周年の式典がワシントンで大々的に行われる模様です。原爆への認識も「戦争を早く終わらせて多くの人の命を救うため」という考えがアメリカ人の大半のようです(日本の長崎県選出の国会議員でそういった人もいます)。
首都ワシントンでの「原爆の図」の展示会がアメリカ人の原爆に対する認識にどう問題提起するか。

ワシントンでの展示は6作品になる予定。
丸木美術館では渡航費用(1000万円)の募金を呼びかけています。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿