むさしドリーム眼科

「社会に対する感謝の気持ちを持って、
来院された方々に健康・元気・夢を提供します」

色覚について知って下さい。

2008年09月05日 | Weblog
院長のむさしです。

地域情報誌で「色覚」について執筆しました。
色覚について正しい知識を持っていただければ幸いです。


私たちの顔や考え方には個人差があります。色の見え方や感じ方も、全員が同じでなく個人差があります。「先天性赤緑色覚異常」は、日本人では男性の5%、女性の0.2%の割合で見られます。女性の保因者の頻度は10%、つまり10人に1人です。決してまれではありません。色覚「異常」というより「個性」の範囲なのかもしれません。


患者さんのお母さんから、日常生活で気をつけることはありませんか?と質問されます。
お子さんが色覚異常と診断された場合、

「これは何色?」
「この色が分からないの!」

というような、色に関して問い詰めるような発言は是非避けて下さい。
と伝えています。

「きれいな赤いバラの花ね」と何気に話しかけ、
花の存在と色の名前を教えてあげるのがベストです。

色を間違えやすい条件としては、暗い環境、小さい物、ぼやけた色があります。



進学や職業選択についてもよく質問を受けます。
飛行機のパイロット、自衛官、警察官などは色覚により制限を受けることがありますが、徐々に緩和される方向性です。
また、地域によって異なる場合もありますので実際に受験される前に確認が必要です。

配線工事をされている色覚異常の患者さんに
「仕事で困った事はありませんか?」と聞いてみました。
「暗いと配線の色が分かりにくい時があるけど、そんなに不自由ありませんよ。」
この方にとって、色覚異常はたいしたハンデでは無いようです。
ただ、暗い場所では実際、分かりにくいらしく、全く支障がないわけではありません。

色覚異常は個性のひとつとお考えください。



「色覚異常が治る」という宣伝文句にはだまされないよう気をつけてください。
色覚に関する遺伝子は同定されており、色覚異常の程度は遺伝子でほとんど決まります。
馴れる工夫と考え方、周囲の理解とサポートがあれば、ハンデを乗り越えられます。


自分の個性を周囲に溶け込ませながら伸ばすわけで、知恵をつけるトレーニングを小さい頃からできるチャンスなのかもしれません。


スピードスケートの清水選手は喘息患者です。
通常の大人の3分の2しか肺のボリュームがありません。
どうすれば発作を起こさずに練習できるか、自分の力を出し切れるか、絶えず自分の体と相談していたようです。


凄い話です。

色覚の話と似ているところありますよね。