混合オイルの保管方法について質問がありましたので、以前から書こうと思っていた
油脂類の容器について。
ここに書く事は私個人の判断で、必ずしも正しい事を書いているとは限りません。
書かれている事を何処まで信じるかはそれそれの判断でお願い致します。
いつも言う事ですが、ネット上には間違った情報が多く、その中から正しい答えを
導き出すのは自分次第です。
混合オイルの小分け
村人は長い事ゼノア純正40:1や50:1の4リットル入りを使っております。
(今シーズンからハスク50:1 1リットル容器に変更)
ガソリン20リットルに対して40:1は500cc、50:1は400ccのオイルを混合する訳ですが、
その都度計量するのが面倒なので小分けにしております。
その小分け容器はペットボトル。もう8年位使っていますが容器の変質等は有りません。
ただし、キャップだけは要注意で、ゴムでライニングされた物はゴムが溶けるので使用不可です。
最初に小分けにした時のキャップがゴムライニングで、オイルで溶けてふやけました。
しかし、容器を立てて保管しているのでオイルの中に溶け出す事はなくセーフ!
☆混合オイルの小分けはペットボトル
炭酸用のペットボトルの方が厚みが有り、機械的強度も強いのでこちらを使用。
必要な容量を1本だけ計量して印を付ける。
あとは同じ容器を多数用意してその印を基準に小分けをするだけ。
真ん中の容器は350ccで口元ギリギリまで入れるとほぼ400cc。
口元まで370ccでは54:1になるが誤差の範囲?
お勧めはしませんが、刈り払い機の軽負荷作業ならオイルを少なくしても大丈夫かも。
☆ペットボトルのキャップ色々
ペットボトルのキャップには色々あり1・2・3は密閉部分が一体成形で外側と同じ材質。
4・5はポリエチレンのような物がはめ込み。
6は炭酸用のゴムライニングで耐油ゴムではないのでこれだけは使用不可。
ガソリン容器
混合ガソリンを作るにあたり、ガソリンスタンドからガソリンを買ってくるのは
当然20リットルの金属容器。
混合ガソリンはその20リットル容器で作るのですがそのまま保管はせず別容器に小分け。
☆混合ガソリンの小分け容器。
20リットル容器で作った混合ガソリンはその後の取り扱いが楽な容器に小分けします。
小分け容器は焼酎の4リットルペットボトルを使って居ましたが、昨年からスチールの
5リットル容器がメイン。コンビ缶4725円に対して5リットル缶は1376円と格安。
5リットル缶はオレンジと透明2色有り。
他の仲間は焼酎の4リットル容器を車に置いておりますが、炎天下で車内の温度が上がった
時には容器の内圧が上がるのでちょっと心配。
その点、スチールの5リットル容器は耐圧性も心配なさそう。
☆給油ノズル
こんなノズルが付属しています。
この容器からさらに作業中に携行する容器に移し替えるのですが、毎回ノズルを着脱するのが
面倒なので、このノズルは使わず移し替えは漏斗を使っています。
☆作業用携行タンク
作業中は山の中を何キロも歩き回るので燃料をどこかに置く事はぜず腰に下げます。
写真両端は2リットル入りウオッシャー液の容器で、薬のツルハで買うと200円以下。
容器だけ買ったと思っても安い物です。
真ん中は午前中2リットルで足りない時に使う漂白剤の2.5リットル容器。
今までチェンソー作業で午前中に2.5リットルで足りなくなった事は無いです。
2.5リットルで足りなくなる作業や、弁当持ちで現場に入る場合は燃料も複数携行。
☆穴あきキャップ
夏の炎天下の作業では腰に下げた容器の温度が上がり、かなりパンパンの状態になります。
キャップを開けるとプシューッと圧力が抜け、これを何回も繰り返す事で容器の膨らみが
戻らなくなり、最終的に底の合わせ目が割れて燃料漏れを起こします。
そんな事を何回か経験したのでその対策としてキャップの頭に画鋲でポチッと小さな穴を
開けました。
雨の日の作業は温度が上がらないのと雨水が入るのを嫌って穴無しの蓋に変えます。
穴あきキャップの容器は車の中で倒れると燃料漏れを起こすので要注意。
ガソリンの保存にペットボトルは良くないとの話が有りますで気になって調べた事があります。
(PETとは「ポリエチレンテレフタレート」の事)
その結果PETはガソリンに冒されない事が分かりました。
逆に、スチールやハスクのガソリン容器に使用されている高密度ポリエチレン(HDPE)は
ガソリンに冒されるとのデータが有りました。
しかし、メーカーがガソリンに冒されるような材質を使うはずもないので、HDPEと言っても
色々な物性を持った製品があるのでしょう。
データの参照先は忘れたので、物性について気になる方は各自で検索して見て下さい。
混合燃料について
村人は25年位車のメカニックの経験があり、チェンソーの世界で言われている燃料の
扱いについて疑問に思う事があります。
混合した燃料の長期保存はいけないと言う件!
数年も前の燃料なら分かりませんが、密閉した容器で半年位の保存では問題無いと思います。
村人が自動車整備業界に入った頃は混合オイルと言えばカストロールのひまし油ベースの
植物性レーシングオイルR30が定番だったそうで、その常識がそのまま言われ続けて
いるのではないでしょうか。
Wikipediaによると「R30は極端に耐酸化性能が悪く一般用にはまったく使えない代物」との話。
植物性オイルなら酸化するのも納得できますが、今時の混合オイルは鉱物性でそう簡単に
酸化や変質したりするとは考えられません。
同様にガソリンとオイルを混合した状態でも変質が起こるとは考えられません。
バイクの話ですが、タンクの中に少量ガソリンが入っている状態で長期保存すると
ガソリンが腐るという状態になります。
臭いは目が痛くなるほどの刺激臭でガソリンの臭いはしません。
これは揮発成分が飛んでしまってタール状の物質だけになってしまった状態。
そんな状況は問題外ですが、密封された容器で保存されたガソリンなら1年前の物でも
問題無いというのが村人に持論です。
要は臭いが変わっていなければ大丈夫という判断。
僕の周りには機械系や燃料系の知識のある人がいない為この様な情報は大変助かります。
チェーンソーショップに相談しても燃料系のペットボトルの保管に関しては、はっきりと答えてはくれませんから。(万が一の事もありますからね。)
機械屋さんはペットボトルで保管した燃料がトラブルを起こした事を経験しているのでしょう。
私は燃料をペットボトルで保管するのは良くないのではなく、燃料について意識の低いユーザーさんが汚れたペットボトルの燃料を入れてトラブルを起こしたのかと想像しています。
私の村では毎年村の主催で村民が道路の草刈りをするのですが、仲間の話では村が支給したペットボトルの燃料にジュース等が混じっているのを見たとか。
私は毎年かりだされるのですが、いくらタダでもそんな恐ろしい燃料を使うはずもなく、自前の燃料しか使わないので、今まで一度も燃料が原因のトラブルは起こした事はありません。
燃料の劣化についてですが、K重工の一等航空整備士(ものすごい難関試験です)が趣味でモーターパラグライダーで飛んでますが、彼によると現代のガソリンは製造後1年くらいは品質に何ら問題はないそうです。
私の山林の空中撮影を頼んだ時にフライト準備を手伝いましたが、彼は10か月くらい前の混合油をタンクに入れていました。
そのときの飛行前の点検作業が、平素、軍用機の整備と検査しているプロの手際だったことで、私も伐採などの危険な作業の際の心構えに非常に参考になりました。