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『七人の侍』 DVD

2009-03-31 17:28:22 | movie
製作国:日本  1954年公開
監督:黒澤明
出演:志村喬、三船敏郎

【ストーリー】
戦国時代の貧しい農村を舞台に、野盗と化した野武士に立ち向かうべく農民に雇われた侍たちの闘いを描いた作品。言わずと知れた黒澤明監督による日本映画を代表する傑作のひとつ。麦の刈入れが終わる頃。とある農村では野武士たちの襲来を前に恐怖におののいていた。百姓だけで闘っても勝ち目はないが、麦を盗られれば飢え死にしてしまう。百姓たちは野盗から村を守るため侍を雇うことを決断する。やがて、百姓たちは食べるのもままならない浪人たち7人を見つけ出し、彼らとともに野武士に対抗すべく立ち上がる……。


【感想】
面白い!

極上のエンタメ。200分と長い映画だけど、引き込まれる。ユーモアもあって、大笑いした。7人の侍それぞれが人間的魅力に溢れてるだけじゃなく、百姓たちも、前半にちょっと出てきた人足も、魅力的に描かれていた。

勉強になるわ、この映画。人間としての魅力って何か。リーダーって何か。人をまとめる術って何か。物事をなしとげるときに必要なバランス。

言わずもがな、三船敏郎演じる菊千代がめちゃめちゃカッコイイ!!
アツくてバカで強くて破天荒で根は優しい。
自分ではそんなつもりはなくても皆を笑わせ、百姓達と侍達を結びつける重要なポジションを担ってる。



私が一番笑ったのは、志乃が思い切って勝四郎の前で寝そべるシーン。めちゃ笑った。大笑いよ。いやー、女の子って大胆ね(笑)
勝四郎を誘う眼とか、「THE今私誘ってます」って感じなんだもん(笑)

ほんの少ししか出演場面はないのに、野武士らに連れ去られた利吉の奥さんが幽霊みたいな表情を浮かべるシーンはとても強く印象に残る。


黒澤映画、小津映画等々、昔の素晴らしいとされている映画に対して苦手感を持ってたけど、これから少しずつ観ていこうと思う。

私のように、映画は好きだけど黒澤映画って何かね・・・いつか観るつもりではいるけどなんとなく気が向かない、って思ってる若い人は早いうちに観た方がお得だと思う。
「さすが」としかいいようのない映画。


『タクシードライバー』 DVD

2009-03-31 02:02:47 | movie
製作国:アメリカ。1976年公開。

監督:マーティン・スコセッシ
出演:ロバート・デ・ニーロ、ジョディ・フォスター、ハーヴェイ・カイテル、シビル・シェパード

【ストーリー】
大都会ニューヨークを舞台に夜の街をただ当てもなく走り続ける元海兵隊のタクシー運転手が、腐敗しきった現代社会に対する怒りや虚しさ、逃れられない孤独感から徐々に精神を病み、ついには自分の存在を世間に知らしめるため過激な行動に走る姿を描く。

都会の空虚を、徹底したリアリズム映像の中に幻想を交えて描いた。1960年代後半から1970年代中頃にかけて隆盛を極めたアメリカン・ニューシネマの最後期にして代表的な作品とされている。

ロバート・デ・ニーロは撮影に際し数週間実際にタクシーの運転手を務め、役の研究を行った。彼の演じる主人公トラヴィス・ビックルは映画史上最高のアンチヒーローとなり、デ・ニーロ自身も70年代半ばから若者にとってのカリスマ的存在となった。また、売春で生計を立てる少女アイリスを演じたジョディ・フォスターは公開当時わずか13歳であったことが大きな話題を呼んだ。フォスターは本作で第49回アカデミー助演女優賞にノミネートされ本格的に女優としての第一歩を歩み始めた。


【感想】
私、この映画って全然違う内容の映画だと勝手に思い込んでた。
孤独な男のダンディズムを描いた作品だ、と。なぜそう思い込んでいたのかは分からないけど。

これは狂気にとりつかれた男の物語。
その狂気は、決してかっこいいとは思えない。

狂気って、半分の人はそれを羨望のまなざしで見て、カリスマ化する。
もう半分の人は、それを決して正当化しない。

私は後者。
この映画のレビューも、「傑作」と評する人、「単なる自慰者、自己本位で自己正当化しか出来ない人を描いているだけ」と評する人に分かれているみたい。

まさに、映画を観ながら「感想半々に分かれるだろうな」と思っていたので、やっぱりなって感じ。


前提として、映画としてはよかった。
ムダなところはないし、映像の色と音楽もあっていたし、キャストの演技は上手いし、ストーリーもうまくオチがついてる。

だけど私はこの主人公を全然かっこいいと思わないし、全く正当化できない。
単なるヒーローになりたがりで小心者な思い込みの激しい面倒くさい人だと思った。
憧れの女性と仲良くなるときの口説き文句にしても一方的な決めつけのセリフだらけ。彼女のような人をポルノ映画館に連れて行って、バカじゃないの?
孤独とか寂しさがつきまとうとか、よく言うよ。自分で招いてるだけじゃん。
売春をしていたアイリス(ジョディ・フォスター)を説得するときだって、独善的。
正しくないヒーローを作るのが監督の狙いなら、まさに私はドンピシャはまってるわけだけど、作品中のトラビス(デニーロ)をかっこいい男だと思うのって絶対的に男が多いと思う。彼に憧れるのはやっぱ男でしょ。
なんていうか、男の理想を描いてるな、って。
最後結局うまく収まってるし。

大統領候補の暗殺が出来ず、ていうか銃で狙うことすらできずにスタコラ逃げて、ギャングスタたちと撃ち合って、死んだかと思いきやヒーロー扱いされてました。

主人公に対して否定的に観てて、思わず映画についても否定的な感想を持ちそうだったけど、ラストで救われた。落としどころはそこだったかーー。


本編からちょっと離れて、ジョディ・フォスター・・・若いね・・・。
13歳かー。ずっと第一線で活躍し続けてるってすごい。

アイリス役の女性。どっかで観たことあるって思ったら、the L wordのフィリスじゃん!!シビル・シェパードってすごい人だったのね!!
やー。娘のクレメンタイン・フォードよりキレイ。そんな人が現代ではthe L wordでちょっと笑える学長を演じてるなんて・・・。なんか歴史を感じてしみじみ。

スポーツ役の人もどっかで観たと思ったら、私の大好きな映画「smoke」の主人公だった。てか他にも色んな映画で観てるはずだよなー。

タクシー客の役でスコセッシ監督自身が出演してたりして、きっとファンにはたまらないはず。



繰り返しになるけど、映画としては(イライラすることも含めて)面白いし、出演者は今も活躍してる人が多いし、観てよかった。