わたしたちの住処をつくる記録

いえづくりについて、できごとと考えたことを記録しておきます

祝上棟

2015-03-15 21:24:32 | ただいま普請中
 昨日(2015年3月14日土曜日)、ついに上棟式を迎えました。午後から仕事だったため、昼前の上棟式というあわただしい日程をお願いしてしまいましたが、すでに金曜日から建て方が始まり、私たちが現場に到着したときにはすでに棟木が上がっていました。

 坂の上の現場ですが、下のほうから車で上がっていったときに家々の間から、立ち上がった美しい軸組が垣間見えたとき、とても心躍りました。現場に着くと、以前田中製材工業さんにお邪魔した時にあのバイオ乾燥機に入っていた7mという長い垂木を上に載せているところでした。1本1本が重く、みなさん相当な重労働でしたが、あの高く狭い足場の上であうんの連携でどんどん上に載せていっていました。大工の仕事というのは、力仕事であり危険なしごとである、ということを改めて感じました。繊細な刻みの技術や木組みの計画力に加えて、美しい仕事への美的感覚、そして力仕事でもあるという、あらゆる能力を一緒に発揮しなければならない仕事なんですね。
 
 
 

 最大の特徴は「木組み」であること。うるさい金物が無い分、「込み栓」が見えます。金物がないというだけで、よく見る木造の建設現場とは全く違う美しさがあります。
 
 違う美しさといえば「貫」を使うということ。筋違のような斜めの材がありません。
  

 松井郁夫建築設計事務所の松井匠さんによれば「火打ち梁」もないそうです。私たちが見てきた他社の住宅では、表しの天井や吹き抜けはありますが、必ず「火打ち梁」がありました。強度上必要だ、とみなさんいうのですが、「き」組の住宅にはそれが見られなかったので、いつも感心していたのです。強度の計算がきちっとされて、しっかりとした木組みであれば、必要ないところには必要ないのでしょう。
 
 何もかもが美しく仕上がっています。木の肌が感動的なピンク色です。


「いの一番」から米・塩・酒で清めていって…

「二礼二拍手一礼」です。

 式後、簡単に昼食を用意させていただきました。施主の挨拶がありましたが、普段人前で喋る職業なのに、プライベートになると何言ってんだかわからくなり、用意していたことが真っ白に。とりあえず「ありがとうございました」でごまかしました。いろいろ感謝すべきことと感じたことがたくさんありすぎて、わけわからなくなってしまったんですね。

 松井郁夫先生は、こうした「木組み」の家が「若い職人」によって担われるのは、とてもいいことだとおっしゃいました。棟梁は二十九歳!若いといえば若いですが、経験さえあれば腕に若さなど関係ないのでしょう。実際、棟梁としてすべてを統括されている姿が頼もしく、自分の二十代のころのことを思い出し恥ずかしくなりました。


屋根用の断熱材も北海道から届いていました。ウッドファイバー(50mm+50mm=100mm)です。しっかりこだわった自然素材が使われます。もともと欧州での実績があり、日本で欧州と同じ工場を北海道につくり北海道の木材から作っているとか。本家欧州のものより性能が高いとも聞きました。私はなにも指定していませんが、最高のものを使ってくださっています。壁面の断熱はまた違うものになります。こちらもちょっと楽しみなので、施工現場を見られるといいのですが…

 それにしても眺めが最高です。駆けつけてくれた父は二階でずっと昼寝していたいといっていました。

 
 子どもが健やかに育つ、良い家ができると確信しています。どうかここからも「安全第一」で工事が進むことを祈っています。


 今日、現場には行けませんでしたが施工の田中製材工業さんが写真を送ってきてくださいました。表し天井となる化粧野地板が落とし込まれ、防水紙が張られたそうです。遠いのでなかなか見に行けないのが残念です。天井、きれいだろうな…

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