わたしたちの住処をつくる記録

いえづくりについて、できごとと考えたことを記録しておきます

裏の通路をなんとかし始める

2015-09-13 21:20:34 | 完成後
入居予定までわずかとなりました。
やらなければならないことが山ほどあり、どこから手を付けてよいか…。
というところですが、結構頭の中が整理されてきて、具体的手順が見えてきました。
昨日はカーテン屋さんに来ていただき、採寸とご提案をいただき、
すぐに見積もりもいただきました。
引越し屋さんとの話もでき、あとは荷造り…。これが一番大変。
さらに、実際暮すとなるとこまごました必要なものがたくさんあります。
妻は綿密に収納の計画を練っています。

一方で、気になっていた外構に手を入れ始めました。
これだけきれいな建物を作っていただいたので、周りもきれいにしたいのですが、
資金が…
こうなると自分でできることは徹底して自分でやる、ということになります。
真っ白な壁がさっそく泥はねで汚れているのを見ると、早めになんとかしたい。
で、優先順位を考え、家の裏手から始めることにしました。
なぜなら、ここに薪棚をつくりたいからです。
冬が来る前に、薪棚をしっかり完成させなければなりません。
とすると、裏手をきれいにしておいてからのほうがよく、面積も狭いのでとっつきやすいだろうと。

不陸を整えるために砂利などをいれます。水勾配というほど厳密ではないですが、
一応雨のたまりやすいところなど、流れてほしい方向を意識して調整。

裏手に積んでいただいてあった焚き付け用の建築端材は、
平日に両親が表に運んでくれてあったので、作業が楽でした。

ここに防草シートを敷いてゆきます。

不織布タイプをコメリで買ってきました。よくネットにでている高級なやつよりは安いですが、
結構な値段します。化粧砂利よりもここにお金がかかります。


間地石の擁壁側は下のほうにコンクリートがはみ出していて、
どうしてもきれいにいきませんでしたので、適当です。
このうえに化粧砂利を敷きこむ予定。

今回はここまで。
父と作業しましたが、この日は結構暑くなりなかなかの重労働でした。
こよのうにして、どこまで自分たちでできるか。駐車場、できるかな? コンクリート打つのは高いですからね。
いずれにせよ、新たに挑戦する対象があるというのは、なかなか楽しいことです。

先日塗った「キヌカ」ですが、マスキングテープをはがすと、くっきりと跡がのこりました。
かなり薄く塗ったつもりでも、無垢板はしっかり吸っていてくれ、効いているようです。

キヌカをぬってみた

2015-09-08 22:35:12 | 完成後
杉無垢の床塗装を行いました。
塗装といっても、素人でも扱いやすい定番の「キヌカ」。しみこませるオイルです。


やはりお金がないのと、DIYが好きなのもあって、自分たちで行うことにしたのですが、
いくら扱いやすいとはいえ、なかなか大変なところもありました。
上手く塗るにはどうしたらいいかいろいろ考えながらやっていたため、写真を撮るのをすっかりわすれ… 
レポートどころではありません。

キヌカのサイトの施工方法を見れば、とにかく塗りすぎに注意、と読めます。
塗りすぎるといつまでたっても乾かなかったり、油分の戻りが生じるようです。
ただでさえ、完全乾燥まで1か月はかかるということなので、今回はとにかく薄く塗ることを心がけました。
松井先生や田中さんによれば、キヌカは浸透力が高く、
巾木や柱に当たると、そこだけオイルを吸い込んで行ってしまい跡になるとのこと。
であれば、この際、壁際は割り切って塗らないこととし、マスキングを行いました。

そのうえで、二階は田中さんにお借りした「コテパケ」で塗りました。
が、作業量は少なくて済むものの、塗布量のコントロールが難しいと感じました。
そこで、1Fはキヌカ推奨のウエス塗としました。

ウエスにキヌカを十分しみこませたうえでギュッと絞り、
最初から最後までなるべく同じ調子でサッと塗る方式としました。
ちょっとした力の入れ具合などで、キヌカの浸透に大きな差が出て「ムラ」になります。
乾けば目立たないということですが、なかなか均等に塗ってゆくのは難しいのです。
たぶんこのムラを消そうとすればするほど、二重三重に塗り重ねてゆくことになり、
結果的には塗りすぎになるのではないか、と感じましたので、あまりこだわらずどんどんサッサと塗ってゆきました。
今日は仕事後のキヌカ塗り、しかもこの塗る動作は結構息が切れしんどい作業です。
しかし実家の両親が手伝ってくれたおかげで、時間的には相当早く済みました。
家全体(30坪弱)を塗る終えるのに、正味4時間。延べ3日。
休みの日なら十分一日でできます。

塗布量のコントロールが難しいキヌカですが、素人にとって扱いやすのは、
オイルが非常にサラサラしているというところ。
床にキヌカが垂れてしまったり、キヌカのついた手でうっかり白木部分を触ってしまうと、
どんどん吸ってそこだけ跡になってしまうので、そういうところは取扱い要注意。
しかし、素手で扱っても全く不快感がなく、中性洗剤で簡単に洗え、なおかつ手がしっとりすべすべになります。
塗料というのはだいたい道具の手入れが難しく面倒なことがほとんどなのですが、
キヌカはまったく気を使う必要がありません。
有機溶剤が使われていないため、においなく換気も不要。
これまで、子供のころのミニ四駆やラジコンから始まって、車のパーツの塗装まで自分でやってきた私は、
この扱いやすさに感心しました。

写真であらためて見ると、塗布したところはすこし光沢がでているようです。

写真中央付近に真鍮Vレールが見えます。その向こうが塗ってある部分

ちょっと薄くしすぎたかとも感じます。
薄いぐらいからおいおい様子見ながら調整していったほうがいいだろうという判断です。
しかし、全体的にきれいなまま仕上がってくれ、ほっとしています。
そして、思いのほか早く終えられたこと、実家の両親に感謝です。



引き渡し

2015-09-07 21:59:01 | 完成後
長く長く待った「引き渡し」を終えました。
当初の予定よりだいぶ遅くなりましたが、無事建物が建ち、私たちが使ってもいいということになりました。

外観はとてもかっこよく、室内も大変落ち着きがあり、普通の家とは異質の空間ができています。
ただ、大事なのは「オシャレ」ではありません。
これが「木組み」であること。人の手によって時間をかけて刻まれた、地元の木々であること。
どこまでも計算されつくした、無駄のない架構であること。
昔から民家につかわれた漆喰を使い、木の良さを殺さず活き活きさせる工夫が随所に刻み込まれていること。
あたりまえのことをきちっとおこない、暮らしにとって、安全で安心な優しい住まいであること。
 
未来の社会のあるべき姿をみすえ、省エネを真面目に考え、「伝統」を前に進ませていること。
大事なことがきちっと盛り込まれています。


けれど、実感がまるでありません。
実のところ、まだまだここからが大変なのです。
引っ越しの準備もあるのですが、カーテンどうするの? とか、外構どうするの?とか、
手摺の安全対策はどうするの? 薪棚は? などなど、課題山積です。
そのなかで住宅ローンもついに始まります!

話はそれますが…
住宅ローンといえば、
不動産登記などの知識もまったくなかったため、ここのところちょっとあたふたしました。
登記が済んでいないとローンが下りないんですね。
さらに、登記を行うためには、まず住居表示がとれていなければならず、
さらに、その住居に「転入」していなければなりません。
ということは、引渡し前に住民票を移す、というわけのわからないことをやらなければなりません。
時間的にも急ぎで、知識もありませんでしたので、司法書士の先生にすべてお願いしましたが、
けっこう頭の中がこんらんしました。これで晴れてローン生活。

そしてなんと、仕事の都合で半単身赴任を強いられます。その準備も進めなければなりません。
竣工が嬉しい反面複雑なものです。

ただ、家というのは「新築」というのは「完成」ではないのだ、ということがよくわかります。
ここからわたしたちの「住処(すみか」にしてゆかなければならないのです。
時間をかけて、だんだん「住処」になってゆくのだと思います。
幸い、「き」組の家は、至れり尽くせりでこれ以上成長しない家ではありません。
どこまでもシンプルな間取りや、ときにそっけないくらいの飾り気のなさは、
ここから住む人が育ててゆく家だということを予感させます。

さてさて、どうなることやら。
明日は施主による床塗りをレポートします。


○基本データと関わって下さったおもな方々(これからもどうかよろしくお願いします)
1F 47.72㎡ 2F 48.28㎡ 延床面積 96.00㎡(29.04坪)*登記上はもう少し狭い
構造材 長野県産杉・桧(主に横架材・土台)、吉野杉(主に柱) 手刻み
外壁 土壁風藁入モルタル(1F) 長野県産唐松無垢板張り(2F)
内壁 漆喰塗り
開口部 木製造作、木製気密玄関戸、アルミ樹脂複合サッシ
断熱材 ウッドファイバー、セルロースファイバー

設計・監理 松井郁夫建築設計事務所 松井郁夫 松井匠
構造計算 悟工房 山中信悟
施工 田中製材工業/俊建築設計室 田中俊章
 木工事 森澤建業 棟梁:斉藤一也
 基礎工事 吉池建設
 断熱工事 富士建商
 屋根板金 (株)イヌズカ
 左官工事 芳賀左官 井出左官
 木製建具 ウッドテック秋富
 鋼製建具 ケンショウ
 塗装工事 渡辺塗装
 電機工事 市川電気
 設備工事 (株)ミナミ
 薪ストーブ ヤマショー





照明・キッチン

2015-09-02 23:03:34 | ただいま普請中
照明関係もしっかり施工されました。

こちらは二階のトイレ。

間接照明によるやわらかい光がまた凛とした空間を演出してくれます。

練り付けの木製建具も木目が非常にきれいで、電球色の照明に映えます


リビング/ダイニングのメインはルイス・ポールセンPH5。

こちらは施主支給。2年以上前にあの大塚家具で購入したもの。とても安くしてくれたんです。北欧インテリアにあこがれていたりしたので、定番中の定番。どこからみても間接光になるつくり。
部屋全体を明るくするものではないので、低めの設置です。テーブルを入れたらそれにあわせて微調整します。

階段の養生が外れ、桧の階段もあらわになりました。材料が綺麗です。こんなにも綺麗な桧材を、大胆にも力下駄で使用できるのも、田中製材工業さんの力です。
手摺もできています。例によってスカスカですが、軽やか且つ結構しっかりした印象です。
 
娘も気に入ったようで、早速階段を二段ほど登ってはしゃいでいました。普段の生活では階段は上りませんので、嬉しそうに笑っていました。でも気を付けないと絶対落ちますよー!


そして楽しみにしていたキッチン。
大工さんによる造作で、杉板でつくるということだったので、どうなるかなあと思っていたのですが、想像以上の出来にびっくりしました。
木のキッチンは少し見たことがありますが、今まで見た中で一番いい雰囲気を出していると思います。
決して広くない、I型のシンプルなキッチンですが、温かみと落ち着きのある、いい空間になっています。
 
なんといっても、この無垢の杉板使い。木口を斜めに削り「ひっかかり」を作ることで取っ手を省略。
まっすぐ潔い面は木目も揃えられています。この厚みと柾目使いもいいですね。

そして引出を引いて戻すと、最後のほうは自動的に自分でゆっくり閉まってゆくではないですか。これ、システムキッチンですか?という出来栄えで、とても大工造作とは思えません。とても贅沢な逸品に仕上がりました。

全体的に木がすばらしいです。本物の木の家です。気候に合った地元の美しい木材の魅力が余すところなく引き出されていると感じます。銘木とよばれるようなものではないですが、杉も桧も、一番いいところを適材適所で、一番いい使い方をしているのではないかという気がします。さすが製材屋さんです。

娘もすっかり寝てしまいました。

この床なら、こどもにも安心して這い回ってもらえそうです。(転落の危険だけはなんとかしないと…)

外ではこれがお目見えしました。

さあ間もなくですね。

足場はずれる

2015-09-01 22:46:37 | ただいま普請中
足場が外れました。
坂を上がってゆく途中、まばゆく光るカラマツ外壁と白モルタルのはっきりしたコントラストが、
目に飛び込んできます。すごく目立ちます。


玄関は木製断熱ドア。桧横張りです。

断熱性能の高いドアにしようということになったとき、はじめはアイランドプロファイル製を考えていたのですが、
納期的な問題があり、また素材が米松か米ヒバに限定されるということで、
どうせなら国産材を使いたいと、
他の木製建具と一緒に上田市真田のウッドテック秋富さんにお願いすることになりました。
アイランドプロファイルに永田昌民さんが好んで使ったという通称「Nドア」がありますが、
こちらは松井事務所デザインなので「Mドア」と私の中で勝手に命名しました。

私が一番かっこいいと思っているのは、大開口があるこちらの面から見たところなのですが、寄ると全体が見えません。
 
またいつか引きで写真を取りたいと思います。

さて中に入ります。

養生が外れ美しい杉無垢の床が現れました。キッチンや家事室まで一体となって続くフローリングです。

二階の床に比べ節が少ない(上小節)分、非常に明るくモダンに見えます。

そして、二つの大開口。間に壁があることでさらに光が凝縮されこちら迫って見えます。
木製サッシも、眺望を大切にしたこの家のために特別なデザインとなっています。

これは開いた状態(網戸は締まっています)。

こちら閉まった状態。

わかるでしょうか。

こうなって、

こうなるのです!

四方が隠し框になっています。
実物を見るとすごいですよ。ここまでこだわるか、と。
全てあけ広げられ、戸袋に収納されるだけでなく、
閉まった状態でもまるで全開放になっているかのよう。
素晴らしくすっきり綺麗に、潔く景色が見えます。

私たちが希望をだしてこうなったのではなくて、
デザイン的なことは松井事務所と田中製材工業田中さんにすべてお任せです。
プロの考えることはすごいのです。

今日はここまで。
続きはまた明日。