わたしたちの住処をつくる記録

いえづくりについて、できごとと考えたことを記録しておきます

2F外壁板張り始まる

2015-06-01 21:45:20 | ただいま普請中
 内部は配線工事が再開。配電盤が取り付けられていました。


 外部はいよいよ2Fの外壁が張られ始めています。唐松(信州産?)の目板張りです。
  
  
「目板張り」は、板材と板材の間にあえて隙間をつくり、その上から細い材で覆う張り方です。湿気などによる板材の伸び縮みに対応する張り方です。

 窓周りはそろえて切る前で、ある意味貴重なショット。
 
 出隅はこんな感じの処理でした。
 

 カラマツは信州ではとても多く植えられている樹種です。戦後に大量に植林されたカラマツは、はじめは電信柱や炭鉱などで使われるはずだったそうです。しかし、時代がかわりそうした需要がなくなると、ねじれが生じやすいカラマツは使い道がなくなってしまいました。
 秋には美しく紅葉し、落葉します。少し標高の高いところでは、秋の紅葉したカラマツ林の美しさは格別で、信州らしい風景を作り出しています。しかし需要がないのが難点で、様々な需要創出の取り組みがされています。
 実家には松本の城北木材加工の手によるカラマツを使ったソファとテーブルがありますが、いまになってやっとその意味を感じるようになりました。カラマツの美しくはっきりした木目や飴色の経年変化はほかの樹種にはない魅力があります。その城北木材加工も廃業してしまいました。
 乾燥方法の革新で、カラマツを構造材に使うこともできるようになってきたようですが、乾燥・製材に手間がかかるようです。そこまでして使いにくい材をスタンダードな材料として使えるかというと、なかなか難しいでしょう。
 信州の学校ほか公共施設にはカラマツがよく使われています。集成材にして使ったりもしています。個人的には、桧ではなくカラマツ、杉ではなくカラマツ、というメリットがあるのかをよく考える必要はあると思います。

 松井事務所には、信州らしいものをという私たちの要望を汲んでいただき、カラマツの無垢板張りが採用されました。カラマツの美しさを生かすため、無塗装です。よく、木部は塗装しないと腐るといわれますが、私がいろいろ勉強したところでは、「そんなことはない」ということのようです。昔から杉の外壁なんてものはよくあり、何十年も現役です。水はけにさえ気を使えばそう簡単に腐ってボロボロにはなりません。ただ、色は変化します。変化を楽しむことができないとこういうものは採用できません。私は、以前鎌倉を妻と歩いた時に、古い民家に杉の外壁があるのを沢山みました。その杉板が渋く黒ずんでいるのを見て、これは「アリだな」と思いました。一方で、板張りに塗膜をつくる塗装が施され、それが経年変化でボロボロになっている家などをみると、これは「ナシだな」と思いました。さらに長野駅が新しくなって大庇ができ、それを長野市産の杉板を張った巨大な列柱がささえていますが、へんな茶色を塗っているんですね。あれはナシです(個人的には)。板張りなら無塗装か焼杉かウッドロングエコぐらいだろうと思います。当初は施主施工でウッドロングエコと塗ろうという話だったので、それはそれで面白いと内心楽しみにしていたのですが、ウッドロングエコだと初めから古色のようになってしまうので、松井匠さんの提案で無塗装で変化を楽しもうということになりました。
 カラマツは色はっきりしているので結構派手かもしれないですね。これからどう変化してゆくか楽しみです。

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