荒井山から

札幌は荒井山に家がある。東京-札幌-旭川-富良野-札幌と異動。室蘭を経て札幌へ。江別に行きまた戻った。もうすぐ退社だ。

美しい竹

2010年02月17日 23時42分06秒 | 映画

「きみに微笑む雨」16日、シアターキノ

 韓国の建設会社勤務のドンハ(チョン・ウソン)は新婚旅行に出かけた同僚の代理で出張し003_4、四川省成都に来た。支社長と訪れた杜甫草堂で、アメリカ留学時代の友人メイ(カオ・ユアンユアン)と偶然に再1007795_01会する。彼女はここで観光ガイドとして働いていたのだ。互いに恋心を抱いていたが、告白できずに帰国し連絡が途絶えていた2人。すぐに当時の感情を取り戻したが…。

監督はホ・ジノ 。タイトルは杜甫の「春夜喜雨」から取った。「好雨知004_3時節」と言う部分があり、「良い雨は時節を知り、春に降り、万物を蘇生する」という意味だ。二人がダンスを踊っていたときのシーンに使われている。この出会いはまさに時節を知るタイミングだったのだろうか。

 筋的には四川大地震が影を落としていたというのがミソ。002_3    

 それにしても四川の竹藪の緑の美しさ、パンダの登場も特筆もの。二人は本当に美しい。表情も心の描き方も。そこはかとない、昔の日本映画の雰囲気さえ感じる清らかな恋愛ものだ。そして、最後に前向きなところが005_2救いでもある。


ちょっと踏み出す

2010年02月17日 23時40分55秒 | 映画

1007884_01_2 「新しい人生のはじめかた」15日、シアターキノ

 ニューヨークに住むCM作曲家ハーヴェイ(ダスティン・ホフマン)は独身だが、元妻との間の一人娘スーザンが英国人と結婚するためロンドンへ空路出発した。結婚式での花嫁に付き添う役目は元妻の再婚相手がすることになり、ハーヴェィは落ち込む。式のあとの披露宴に出ないつもりで仕事のプレゼンのため1007884_02にニューヨークに帰ろうとするが、飛行機に遅れてしまう。そこへCM作曲の仕事が若い同僚に取られてしまい、首なったと上司から電話で伝335088_003えられる。彼は所在なく、空港のバーに向かうと、そこに白ワインを飲みながら読書をする航空会社勤務のケイト(エマ・トンプソン)がいた。最初は警戒していたケイトだが、彼女も男性と親しくなる機会に失敗していて、心に孤独を抱えた2人は次第に会話を弾ませていった。

 原題は「LAST CHANSE HARVEY」。監督・脚本はジョエル・ホプキンス。エマ・トンプソンいいです。あの大柄な彼女が合コンでワインを飲み、寂しくしているのはなんともいえない。そして、披露宴で所在なげになっているとき、寝ている隣の坊主に服を折りたたんで枕にさせる様子は何とも温かい。1007884_03この映画は自らも脚本を書く彼女がオリジナル脚本を一目見たとき、ダスティン・ホフマンに送ったところから始まる。さすがだ。335088_018

 ダスティン・ホフマンは何とも自然体でい い。さすがだ。ピアノもうますぎないのがリアルだ。それにしても、二人は相性がいいんだろう。微妙な距離をうまく表現している。みていて心がくすぐられる。こちょこちょと。ほんのちょっと踏み出すことで、世の中が変わる。そんなメッセージを映画から、原題から受け取りました。中年にも勇気がわく、  じつにさわやかな映画でした。