荒井山から

札幌は荒井山に家がある。東京-札幌-旭川-富良野-札幌と異動。室蘭を経て札幌へ。江別に行きまた戻った。もうすぐ退社だ。

バンクーバーの隣町

2010年02月15日 02時06分18秒 | 音楽

上村愛子は惜しかった。最初の五輪出場以来7、6、5、4位だもんな。できるなら次も出てほしいね。前回は確かお母さんが手作りメダルをあげていたが、今回はもっと多くの人がその感謝と労いの気持ちに頷いてくれるはずだ。それにしても4位と3位の間には大きな川が流れていて、人の記憶に残るか消えるか、いつもなら大きな分岐点だと思うのだが、あれだけの選手であれば大した違いはないと言ってあげたいけどね。とにかくお疲れ様。美しい涙でした。

 さて、そんな感想が出てくるバンクーバー五輪だが、バンクーバーの東隣にバーナビーという町がある。そこで生まれたのが彼だ。

「クレージー・ラブ」マイケル・ブーブレ

 本人2作目のアルバム。昨年10月に米国で発売以来、ビルボードチャートで2週連続アルバム総合1位を達成するなど巷をにぎわせているのがこれだ。日本では10日発売した。結構売れているようだ。

 デヴィッド・フォスター、ボブ・ロックらのプロデュース。1曲目ジュリー・ロンドンの「クライ・ミー・ア・リヴァー」は「おー、007か」というアレンジ。オーケストラをバックに、甘く、セクシーに、いいねえ。声が高く通るというより、中間の声が甘く、発音がちょっとねっとりして。2曲目「オール・オブ・ミー」だものね。私は夕張のスナックでよくカラオケで歌ったけどね。余計なこと言わないでい言って? 3曲目「ジョージア・オン・Pic_01マイ・マインド」の次が表題曲。ヴァン・モリソンの曲だ。ファーストアルバムでも歌っているそうで、お気に入りなのだろう。とても柔らかく、平井堅よりは男っぽく。マイケル・ランドウのギターソロ。5曲目はファースト・シングルになった「素顔の君に」。ちょっと意外な、さわやかな感じ。

 とまあ、オリジナル2曲にカバー曲12曲の構成。カバーは「スターダスト」のほか、ディーン・マーチン、イーグルス(「ハートエイク・トゥナイト」これは面白い)、ボビー・ダーリン、ダイナ・ワシントン、キャロル・キングなどの楽曲を取り上げている。オリジナルのもう一曲「ホールド・オン」もしっとりしていい。

 もともとデヴィッド・フォスターに認められてのデビューという。1975年生まれで、鮭漁師をやっていたそうで、HPをみると、鮭が遠くでジャンプしただけで種類が分かるそうだ(そんなに種類が多いのかな)。マルルーニ首相の娘の結婚式で「マック・ザ・ナイフ」を歌って、その席にデヴィッド・フォスターがいたのだそうだ。

 時折、鼻にかかり、ちょっと枯れた声質(ジェミー・カラムの声を弱くした感じ)が醸し出す、飽きない魅力的な声だ。デヴィッド・フォスターのアレンジもリリカルで時にダイナミックな部分は心地よく(多すぎると飽きるのだが)、たまにはこんなカバー集も いいでしょう。


都合がいい展開だが

2010年02月15日 01時11分36秒 | 映画

「最後の贈り物」14日、札幌劇場

 不治の肝臓病になり、移植をしないと助からない娘セヒ(チョ・スミン)を抱え、途方に暮れる刑事チョ・ヨンウ(ホ・ジュノ)。肝臓移植の適合体だったのが無期懲役の男カン・テジュ(シン・ヒョンジュン)。彼は組織のために殺人を犯し服役中で、チョの旧友だった。チョの願いが聞き入られ、刑務所から特別に出ることになったが、ちょっとしたすきに逃げてしまう。Kmv20080009_l

 なぜ無期懲役刑の男が10日間特別に外に出ることができるのか。うーん。これまた韓国の刑事関係法にあるのだろうか。かつて横山秀夫の「半落ち」論争にあった筋立ての「欠点問題」を思い出した。「半落ち」は当初現実にはありえないとして問題になっていたが、ありうるということになったものの、ごたごたは続いてしまった。この原作は公募作品だと言うが、どうなんだろう。見ていて、随分都合のいい話だと思ったのも事実。そして演技のくさいこともどうも鼻についた。一緒に飯を食べているシーンなんてそうだ。

 だが、途中少し寝てしまったのだが、そんなことお構いなしに後半はぐんぐん引き込まれてしまう。韓国映画の力強さは多くの邦画に欠けているところだ。監督はキム・ヨンジュン。ハ・ジウォンは綺麗で、かわいらしい。それにしても彼女をめぐって、刑事と無期懲役囚が恋敵で、セヒをめぐっていろいろ展開する訳だが、本当に都合のいい話だ。セヒ役のチョ・スミンのあどけないかわいらしさ。おじさんたちには、もうたまりませんね。手術室のシーンなど特に泣けます。とにかく、あの筋立ての強引さにあきれつつも、引っ張られてしまうのは人間の性でしょうか。やはり、病気、組織、悪人、刑事、子供…とつぼを押さえているところに、役者たちがまっすぐ絡んだのが成功ということでしょうか。いやはや、さわやかに泣けました。