上村愛子は惜しかった。最初の五輪出場以来7、6、5、4位だもんな。できるなら次も出てほしいね。前回は確かお母さんが手作りメダルをあげていたが、今回はもっと多くの人がその感謝と労いの気持ちに頷いてくれるはずだ。それにしても4位と3位の間には大きな川が流れていて、人の記憶に残るか消えるか、いつもなら大きな分岐点だと思うのだが、あれだけの選手であれば大した違いはないと言ってあげたいけどね。とにかくお疲れ様。美しい涙でした。
さて、そんな感想が出てくるバンクーバー五輪だが、バンクーバーの東隣にバーナビーという町がある。そこで生まれたのが彼だ。
「クレージー・ラブ」マイケル・ブーブレ
本人2作目のアルバム。昨年10月に米国で発売以来、ビルボードチャートで2週連続アルバム総合1位を達成するなど巷をにぎわせているのがこれだ。日本では10日発売した。結構売れているようだ。
デヴィッド・フォスター、ボブ・ロックらのプロデュース。1曲目ジュリー・ロンドンの「クライ・ミー・ア・リヴァー」は「おー、007か」というアレンジ。オーケストラをバックに、甘く、セクシーに、いいねえ。声が高く通るというより、中間の声が甘く、発音がちょっとねっとりして。2曲目「オール・オブ・ミー」だものね。私は夕張のスナックでよくカラオケで歌ったけどね。余計なこと言わないでい言って? 3曲目「ジョージア・オン・マイ・マインド」の次が表題曲。ヴァン・モリソンの曲だ。ファーストアルバムでも歌っているそうで、お気に入りなのだろう。とても柔らかく、平井堅よりは男っぽく。マイケル・ランドウのギターソロ。5曲目はファースト・シングルになった「素顔の君に」。ちょっと意外な、さわやかな感じ。
とまあ、オリジナル2曲にカバー曲12曲の構成。カバーは「スターダスト」のほか、ディーン・マーチン、イーグルス(「ハートエイク・トゥナイト」これは面白い)、ボビー・ダーリン、ダイナ・ワシントン、キャロル・キングなどの楽曲を取り上げている。オリジナルのもう一曲「ホールド・オン」もしっとりしていい。
もともとデヴィッド・フォスターに認められてのデビューという。1975年生まれで、鮭漁師をやっていたそうで、HPをみると、鮭が遠くでジャンプしただけで種類が分かるそうだ(そんなに種類が多いのかな)。マルルーニ首相の娘の結婚式で「マック・ザ・ナイフ」を歌って、その席にデヴィッド・フォスターがいたのだそうだ。
時折、鼻にかかり、ちょっと枯れた声質(ジェミー・カラムの声を弱くした感じ)が醸し出す、飽きない魅力的な声だ。デヴィッド・フォスターのアレンジもリリカルで時にダイナミックな部分は心地よく(多すぎると飽きるのだが)、たまにはこんなカバー集も いいでしょう。