荒井山から

札幌は荒井山に家がある。東京-札幌-旭川-富良野-札幌と異動。室蘭を経て札幌へ。江別に行きまた戻った。もうすぐ退社だ。

ほっとして、ずるずると

2010年02月12日 20時14分51秒 | 映画

「おとうと」12日、ユナイテッド・シネ002マ札幌

 夫を早くから亡くした吟子(吉永小百合)は小さな薬局を女手一つで切り盛りしながら長女小春(蒼井優)を育て、義母の絹代(加藤治子)と3人で暮らしていた。小春とエリート医師の結婚が決まったが、結婚式は大変なことに。披露宴に吟子の弟鉄郎(笑福亭鶴瓶)が現れたの004だ。吟子の夫の13回忌で酔ってめちゃくちゃにして以来、音信不通になっ ていたのだが。そして、披露宴でも最初はウーロン茶を飲んでいたのだが。

 山田洋次監督の10年ぶりの現代劇。市川崑監督の「おとうと」に捧げた作品だ。がんによる終末期医療の「ターミナルケア」などの問題提起もしっかりとある。1007380_01

  003  加藤治子の最近の演技は本当にぼけているかのような、何かもう切れ味が凄い。それが最後に生きた。これはうまい。お客は年配が多い。鶴瓶が亡くなるシーンが結構長いのだが、その間、お客は親しい人の臨終を思い返しながら見ることになる。鼻ずるずるになっていた。私もだが。

 それにしても、人は何かの拍子にどうしようもなく、ずるずる落ちていくもんだ。もちろん理由があるのだろうけど。そんな時、温かい家族や親戚、友人の存在に気付くのだ。え、甘えるなってか。


ザクロカレー

2010年02月12日 19時49分35秒 | 映画

001  「食堂かたつむり」10日、札幌シネマフロンティア

 倫子(柴崎コウ)は失恋のショックで声を失い、自由奔放な母ルリコ(余貴美子)が暮らす田舎へ戻り、小 003_3  さな食堂を始めた。訪れるお客の思いを大事にして作る料理によって、食べた人の願いが実現し、その評判は広まったが…。

 小川糸のベストセラー小説を、「ウール100%」の富永まい監督が映画化。ほかにブラザートム、田中哲司、志田未来、江波杏子、三浦友和など。

 映像の色彩、豚のエルメスなど楽しめる。役者もうまい。料理はもっと説明的でもいいぐらいだが。こういう、説明を002_2省いた、メルヘン調な映画が女の子に受けるというのか。確かにほんわかして、「食べるということ(料理すること)は幸せ」って、そんなに間違えでない。食から地球のいろいろなことを考えることができるだろうし。

ただし、たとえ母子の愛情が映画の柱としてそこそこ描かれていたとしても、こういう映画ってちょっと自己愛に過ぎるような雰囲気も出てきてしまい、好004_2き嫌いは分かれるかも知れない。男の私も必ずしも嫌いじゃないんだが、ちょとあざとくないかって茶々を入れたくなる展開なのだ。ましてや最後に倫子に声が出るなんて。もっと母子それぞれの葛藤を、互いの立場を使って描いてほしかった。それが私にとって興味の一番だからだ。そうさ、もうっとどろどろ行けよって感じなんだね。私には。料理も江波杏子のシーンはあの特徴的な鼻の穴と同様に極めて引き込まれたけど。まあ、それでも映像のチャーミングさは立派なものだ。

 あそうそう、ザクロカレーあれはうまいかも。料理は「きょうの料理 ビギナーズ」などを作っているチームが監修しているようだ。