1968年、東映。高倉健、志村喬、佐藤純彌監督
混血青 年ケン・カトウは、両親を虐殺した5人の無法者を追って復讐の旅に出た。目指す相手は、カースン、フランコ、ダンカン、チェック、ビリー。ケンは馬を失って、牧場の一時雇いになって、そこで出逢ったのは忘れもしない一味のダンカンとチェックだった。ケンは素早くガンを抜いたが、それを阻止したのは孤独な老ガンマン、マービンだった。ケンに同情を寄せる彼は、ケンの腕では勝目がないと両者の間 に入ったのだった。
これは珍品だ。任侠的西部劇だ。なんといっても、最初に志村喬の父親と外国人女性の母親が出てくる。つまり健さんは混血なのか。英語でしゃべっているが、字幕は出ず、テアトルエコーの面々が日本語に吹き替えした。最後のシーンでは、馬に乗って去る健さんを牧場の子供が「ケーン、カンバック」と叫ぶ。そう、シェーンのシーンだ。そうか、これはシェーンの焼き直しという訳か。何でもやらなければと健さんは感じたんだろうか。こういう作品をみんな観たかったんだろうか。このころは政治 的にも暑い季節だったけど。
ちなみに健さんは子供ころはアメリカにあこがれて、小倉駐在の米軍将校の息子とボクシングが縁で仲良くなり、よく遊びに行ってたそう。英語も結構しゃべって、貿易商を目指して明大商学部に進む訳だ。高校時代に友人とアメリカ行きの船に密航しようとしたこともあるそうで、今はその友人は検察官になったという。国際派検事として知られる元名古屋高検検事長の敷田稔氏だ。
鶴田浩二、丹波哲郎、待田京介、降旗康男監督
一匹狼のプロの殺し屋一色宏治(鶴田)は、大阪太刀川組代貸の桜井好春(丹波)とは幼なじみで、組の客分となっていた。太刀川組組長要吉が、ある 日刺殺された。要吉によって育てられた宏治、好春は恩義に報いるためはやる子分達をなだめながらも秘かに復讐を誓う。
ふと思うのだが、二人は実生活では仲がよかったのだろうか。映画ではよく共演しているし、ここではかなり二人の友情が強く描かれている。鶴田と若山富三郎は仲が悪いという話だが。
「人が人を愛することのどうしようもなさ」2007年、新東宝
喜多嶋舞、永島敏行、竹中直人、石井隆監督
人気女優として活躍する土屋名美(喜多嶋)。だが私生活では、同じく俳優の夫洋介(永島)と破局の危機を迎えていた。多忙を極める名美を横目に、洋介は若い女優と浮気し名美をさらに追い詰めていった。現在撮影中の新作では、洋介が名美演じるヒロインの夫役として共演。しかも、洋介の浮気相手の女優まで出演というスキャンダラスなキャスティングがマスコミの注目を集める。一方、編集者葛城(竹中)が名美にインタビューを試みる。
うーん、分かりません。過激ですね。劇中劇がはめ込まれて、最後の刺殺シーンも含めて面白いと言えば面白いが。私はこの石井ワールド、勘弁してくださいという感じだ。