Mr.Busーstop(バス運転士の日記)

大手バス会社勤務の路線バス運転士です。バス運転士の日常をお届けしたいと思います。

危険な優先意識。

2024-03-31 18:05:07 | 日記
以前、路線バスの発進保護についてブログで言及いたしました。

バスの発進保護と運転士の優先意識(復活) - Mr.Busーstop(バス運転士の日記)

道路交通法では、公共の交通機関である路線バスには、発進保護、専用通行帯、優先通行帯などの他の自動車に比べ一定の優先が認められています。本日は、その中でも路線バス...

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実はバス会社では、新人研修で発進する際は普通車が完全に通り過ぎてから行うようにと指導されます。

法律では路線バスの発進保護が道路交通法により明記されているにも関わらずです。

これには、大前提として「路線バスは絶対に事故を起こしてはいけない。」という考えが根底にあります。

路線バスの運転免許は、大型二種免許です。この免許は、運転免許の中で最上位免許として位置付けられています。

逆にいえば、最上位免許の人間が事故や違反をする場合、悪質性の疑いが発生する場合があるためです。

悪意なくやった証拠がなくても、「わざと違反や事故をしてないよね?」と、普通に警察官云われたりもします。

これは普通免許との大きな違いです。

その為、路線バスの発進保護の規定があっても、それを以てバス運転士の責任を免れることは極めて0に近いということです。

「会社は安全配慮義務を怠っていないか?安全確認はバス運転士として当然行ったか?」など、徹底的に会社やバス運転士の過失がないか調査されます。

これはバス運転士が担うべき安全意識が、一般ドライバーとは異なるためです。

仮に発進事故が起こっても、発進保護の規定違反よりもバス運転士の安全確認を怠ったことの方が大きいと判断されれば、バス運転士側に過失があったとみなされる場合も想定できます。

これぐらい路線バス運転士の事故に対する評価は厳しいです。

下手に優先意識を振り回した運転をして事故をすれば、確実に運転士側の過失になる場合が考えられます。

未熟な優先意識はバス運転士の事故を誘発するため、徹底的に排除が必要と考えます。
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働き方改革が始まる前夜。

2024-03-31 07:10:57 | 日記
2024年問題について、多くの運転士、ドライバーの方は不安に感じてると思います。

バス業界の2024年問題、誰も言わないので私が。 - Mr.Busーstop(バス運転士の日記)

2019年4月(中小企業は2020年4月)、働き方改革の一環として、労働基準法が改正され...

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これは私も同じで、正直「明日以降どの様になるか静観するしかない。」ということしか現状の対策としてないことにあると思います。

最低でも1クール(3か月)位は、様子を観ないと運転士、ドライバー側の正しい行動は難しいように感じます。

この間、「会社の業務が今まで通り進むのか?給与は許容限度を割ることはないか?世の中の景気は無難に推移するか?」と、冷静な対応が求められる時期です。

くれぐれも、安易で早まったフライング行為には充分注意が必要です。ここ3か月が勝負です。

2024年問題、本当に人手不足になるのか? - Mr.Busーstop(バス運転士の日記)

バス運転士や貨物運送の運転士の中には、運転の仕事に誇りを持ち純粋に運転士の仕事が好きだと云う方もいます。会社愛、業界愛に燃えて、恩義に報いるべく勤務をしている方...

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どれだけ、自分を抑えて慎重に行動できるかによって運転士、ドライバーの真価が試されると考える必要もあると思います。

まあ、それにしても令和に入ってから「剣の上を渡る」ような、安心と対局の心境にさらされることがしばしばあります。

投資や経営などのリスクを取る仕事の方が常に感じている心境を、我々も感じ始めているようです。

どこに逃げても、本来取るべきリスクや心配からは逃れられないのかもしれません。

ただし、我々は事故さえしなければ、投資や経営に携わる方々に比べれば、受ける被害は最小限に抑えられた場所にいることも事実です。

そう考えるだけでも、これからの3ヶ月を無難に過ごすことが出来るのではと感じます。
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