楠クリーン村のブログ

山口県宇部市・楠クリーン村のブログです。

本気のCSR~企業耕作隊へのお誘い~

2009年07月25日 | 若者の見る田舎の景色~インターン奮闘記~
■企業のCSR(企業の社会的責任)

 経済活動を行う企業(Corporate)は、利益を追求するだけではなく、企業の活動が社会に与える影響に対しての責任を持つ(Social Responsibility)、ということを企業CSRと呼びます。企 業は、利害関係者(消費者:Consumer、市民:Citizen)に対して、企業活動を説明し、同意(信頼)を得ていかねばならないという考え方です。


■今、社会が求めているもの

 今、各地で耕作放棄地が問題になっています。この問題を解決するために、学生耕作隊では、あらゆる形で農業を応援してきました。
 農家さんの人手不足を応援するための援農活動はもちろんのこと、農家さんの売れ残り不安を解消し、元気になってもらうための「買う」支援や、それに由来している「送っていいよ大作戦」、そして、後継創業などで自分たちでも畑を持ち、そこでの農作物の栽培・管理・運営なども行っています。
 現在、日本の食糧自給率は4割を割り込んでいます。また、誰が作っているのかがわかる、という、「顔の見える関係」での安心も、求められています。
 この農における問題、「食」という生活の上での最も基本的なニーズに応えることができる企業が、「今後継続して経済活動を行っていくことができる企業」というCSRの指標になるのではないでしょうか。


■企業耕作隊とは

 企業耕作隊の目的は、「地域の農を企業が支える」という意識付けを行うことです。現実問題として、耕作者は減少しているので、企業にとっても食が確保できないという事態に陥らないよう、上記の「買う支援」の一環として地域の農作物を食堂で使う、という手段もありますが、それだけでなく一緒に汗を流すことで農の技術も覚えてもらいます。そこまでやってこそCSR本気度が見えると考えていますので、実際に企業に耕作地を紹介していこうと思っています。
 具体的な活動内容としては、畑作業を通して、忘れられがちになってきている農の技術、農のこころを受け継ぎ、次世代へつなぐとともに、農地があれば生きていける、という人材の育成まで広げられればと考えています。活動費は無償ですが、交通費は負担する予定です。


■企業耕作隊のすすめ

 まず、企業耕作隊としてノミネートしたのは、山口県のとある企業です。周防大島町のみかん畑から紹介し、協力してもらおうかと思っています。一昨年のお歳暮でご紹介し、昨年もたくさんの方にご好評いただいた、あのみかん畑です。
 「自らの手でお歳暮を育てて贈りませんか?」という切り口で始めることで、日ごろの感謝を伝えるCSR本気度の指標になりますし、そこから始めることで企業としても活動に入りやすいのではと思いました。また、土や畑の生きものに触れ、作物の育ち具合を見るなど、農作業を自分で体験することで、天気に敏感になり、自然を感じる身体ができてきます。これは、体験を伴った環境教育になると考えています。
 体験を伴った環境教育は、頭だけでなく身体にも入ってくるものです。CO2削減も大事ですが、環境教育から人材育成を始めることも、企業の社会的役割を果たすことにつながっていくのではないかと考えています。

周防大島でミュージアム作りにチャレンジ!

2009年07月15日 | 若者の見る田舎の景色~インターン奮闘記~
■半農半ツアーでの自立を目指して

 実家は福岡で、両親は専業農家でももを作っている吉谷です!大学を卒業する前、就職や家のことを考えるにつれ、身近にありすぎて深く考えなかった農業についても考えるようになりました。そこから、現在の社会の中における農業の位置づけに対して疑問に思うようになりました。既に就職先も見つかってはいましたが、地域維新グループのインターンで直感し、その中で本気で日本の農業を変えたいと思い、半農半ツアーで自立することを目指して、「米と個性で自立塾」のメンバーになりました。


■周防大島へ

 今年の6月、国土交通省都市・地域整備局の地方振興課半島振興室が出した、「平成21年度半島らしい暮らし・産業創生調査」の選考の結果、全国で7組のNPO法人や同好会などが採択されました。その中の一つに、「島じゅう知恵袋ミュージアム」というプロジェクト名で、私の企画も採択されました(主体者:NPO法人学生耕作隊)!
 この「島じゅう知恵袋ミュージアム」プロジェクトは、山口県大島郡周防大島町が舞台です。都会から田舎に人を呼び、周防大島ならではの財に触れ、‘自然のなかで生きる’力を培うためのフィールドと素材を用意します。地域と都会の人をツアーでつなげる仕組みを利用したプロジェクトの内容です。
 この周防大島の魅力は、海、山、森、田んぼ、畑などの大自然に恵まれていることです。さらに、面白い事に、古くからの歴史の名残りが見られる地名があったり、お遍路が毎年4月に行われ、住民の生活の一部として根付いていたりします。他にも歴史に関することでいうと、「古事記」に周防大島のことが記載されていたり、九鬼水軍ゆかりの地であったり、古民具を集めて資料館で保管した民俗学者の故宮元常一氏の出身地であったり、面白いものがたくさんあります。また、周防大島町が掲げているキャッチフレーズ『アロハな大島』という程、夏の日差しがぎらぎらと照り返し、透き通ったきれいな海も臨めます。実を言うと、私は夏が苦手でしたが、大島の海を見て胸が躍り、夏が好きになりました!


■「島じゅう知恵袋ミュージアム」

 周防大島で管理しているみかん園、田んぼ、畑。特にみかんは周防大島の特産物で、持主のばあちゃんがみかん園を血のつながらない若者に託してくださり、後継創業を行っています。都会では、畑を耕したくともそれが叶わない人が多くいらっしゃいます。訪問された人には、何度も大島を訪れることで、段階を踏み、森の入り方や海の危険な動物など、自然を知ることから始まり、実際に自然を体感し、自然と共存できる力を身につけてもらえればと思います。さらに、次なる育成者にもなれる仕組みも準備していく予定です。
 都会の人や子どもたちには、食べ物がどんな状態で土で育ち、収穫されているのか、知らない人が多いように思います。そんな方々に、ぜひ、大島の大自然の中で学び、自分たちで農作物を収穫し、大地の恵みのありがたさを実感してほしいです。そうした体験や学びが得られる自然体験フィールドを大島で作りたいです。


↑周防大島の海の風景


↑周防大島の畑の風景

耕作隊の活動が広がっています ~県内の拠点をご紹介~

2009年07月10日 | 過去の記事はこちら!
■私たちの活動が広がりはじめています。

 私たち学生耕作隊は、援農からスタートし、耕作放棄地の保全活動、そして、最近では自分たちが農業を営む後継創業へと、社会の変化に合わせてその活動を進化させてきました。
 2006年からは、地域維新グループの一員として、山口・島根の仲間と協力しながら拠点を広げてきました。各地に拠点ができつつあります。


■魅力の競争

 たくさんの拠点ができると同時に、さまざまな農産物、そして、農業体験のフィールドを手に入れることができました。夏休みなどを利用して都会から、若者がインターン(自己研鑽)にやって来ます。どの拠点でも彼らを受け入れ可能なように整えています。
 各地のフィールドと競争して、個性を生かした魅力の競争を演出し、農業の活性化・面白さのプロデュースを推進しきたいと考えているからです。


■山口市 山口大学近くの畑

 学生耕作隊では、山口大学の東門を出てすぐ隣の畑をはじめとして、近くに5箇所の畑・田んぼを管理しています。そして大学から一番近い畑にはテントを立て、中に机といすを持ち込み、援農作業の手配などの事務作業をこちらでできるようにしています。また、近くに看板を立て、道を通る大学生らにも学生耕作隊をアピールし、新たな人材確保の拠点として動かしたいとも考えています。また、自分たちの米は自分たちで作ろうということで、田んぼ(1.7反)も始めています。秋の収穫祭にはたくさんの人を呼び、自分たちで作った米を食べたいと思っています。

↑山口大学近くの畑での作業


■宇部市 くすのき森の駅

 くすのき森の駅は、農村拠点として地域の期待を一身に背負っています。責任者は、半農半大工での自立を目指している若者です。ここでは、森と荒れたお茶園とを合わせて20町歩以上ある森を遊びの森、生産の森など、テーマに分けて整備するとともに、お茶やブルーベリーの生産、サバイバルゲームのコースつくりや、廃屋を改装しての宿泊所や休憩所つくりを行いました。お茶もただ生産するだけでなくパウダーにし、日本のみならず海外への販売も視野に入れて動き出しています。とにかく土地が広いので、さまざまな実験や農業体験の受け入れができる場所として、これからも森や農業の楽しさをプロデュースしていきたいと思っています。

↑くすのき森の駅内のお茶園でのお茶摘の様子


■萩市 古民家

 この古民家では、これまでは子どもたちが環境を学べるフィールドを目指して改装を重ねてきましたが、かつては廃屋となりかけていた母屋でも壁や梁などを補強し、電気や水道も通し、現在では人が生活できるまでの空間へと仕上げることに成功しました。腰の高さまで草が生えていた庭もよみがえり、池が復活してイモリやアメンボなどの小さな生き物たちが暮らし始めています。畑も、何度耕してもあっという間に草が生えて大変な思いこそしましたが、今年の春には無事にイチゴを収穫することができました。よみがえった畑を見ていると、次は何を植えようかと夢も膨らみます。

↑古民家の畑を耕す様子


■山口市 徳地の古民家

 学生耕作隊に古民家SOSの連絡が入ってから、数ヶ月。早速、家と畑を活用するため、徳地の古民家では学生耕作隊のスタッフが住み、暮らしています。小さいながらも立派な庭、そして、母屋の裏には、畑、ちょっと離れた所には柿や栗の木があり、自給自足も夢ではないこの場所で、農を営みつつ、一方でIT技術や、編集の技術を使い稼いでいく「半農後継創業モデル」を目指して、一歩一歩、がんばっています。

↑徳地の古民家の畑


■周防大島町 みかん園&畑

 輝く太陽の下、日々みかんのお世話と田んぼの草抜きに汗を流しています。このみかん園では収穫時期になると子供たちがやってきて、収穫体験をします。また、私たち自身もみかんの育て方をここで学んでいます。田んぼは、一度放置されてしまったところからの開墾です。草は刈っても刈ってもすぐに生えてきて、一筋縄ではいきませんが、日本の耕作放棄地の問題を解決すべく畑を蘇らせてひとつのモデルが作れればと考えています。

↑みかん畑での作業


↑田んぼでの草刈

 今回ご紹介いたしましたように、私たちの活動はどんどん広がりを持ち、より多くの方々にご参加いただけるようになりつつあります。今後もこれらの活動拠点どうしが競争しあうことで、人も拠点もお互いにより魅力あるものへと成長していけるよう進んでいきたいと思いますので、ご期待・ご声援のほどよろしくお願いいたします!

新・学生耕作隊事務局、誕生!

2009年07月05日 | 若者の見る田舎の景色~インターン奮闘記~
■ビニールハウスの物置から事務局へ

 今年の春より学生耕作隊で新たに管理することになった、山口大学東門前の畑。この畑は、元々は水田でした。
 これまでにみんなでトラクターに乗って畑の耕耘を行い、自分たちでクワやスコップを使って耕し、草刈をしながら少しずつ畑を作っていきました。
 そして、畑を作っていくうちに、「この畑、山口大学にこんなに近いし、みんなが気楽に来ることができる部室みたいなものになればいいな。」という想いも芽生えてきました。
 今年の3月からこの畑の一角にビニールハウスを立てましたが、今まではクワや長靴を置く程度、少し休憩する物置としてしか機能していませんでした。
 ここでゆっくりと休憩ができるように、また大学の空きコマの時間にちょっと畑の様子が見られるように、そして、「一緒に畑について話せる場所あればなぁ」、「みんなが畑で収穫した野菜をみんなで食べられるといいね」、こんな想いを実現させるため、去る6月28日に事務局をこの山大東門前畑に移動させました!


■移転作業でみるみる内に事務局へと変身!

 まずは、学生耕作隊の事務局に置いてあった棚や、広報誌、紙や本、ホワイトボードにカレンダー、山口県の大きな地図などをみんなで協力して運び込みます。
 運び終えたら、次はテント周りの草取りと地面の整備です。
 草を抜き、ぬかるんだ地面の排水をよくするために、水路を掘っていきました。この作業は、暑くなってきた6月末ではなかなかの重労働です。
 休憩を入れながらでしたが、汗はかき、まだまだやることもたくさん。
 次は、これまで中にあった農器具などの移動を行います。
 道具置き場を組み立て、そこに農器具は移動させ、同時並行でテント事務所の入り口も作っていきます。
 玄関になる場所にはバラスを引き、入口につい立を立てます。
 書類が棚に収まり、側面をポスターやカレンダー、地図が覆うことにより、ハウス内がだんだんと事務局らしく変化していきます。
 茶目っけに風鈴なんて飾ってみたりして。テントにあるソファに座り、くつろぐときには「なんでこんなところにソファが?」と不思議ですが、テントの中を横切った風を感じると、少しホッとする、とても素敵な空間になりました。
 また、耕作隊の看板兼掲示板も立てました。板とクリアボードで建てよう!という計画でしたが、当初の想像を上回った立派な掲示板ができています。
 今後何をやるのか、お知らせ掲示板のようにできたらと思っています。
 他にも畑の地図をご紹介するための看板も建設予定中です。


↑新しい事務局を前に!


↑山大前畑事務局での活動風景

地域情報誌に掲載されました!

2009年07月01日 | ぜひご覧ください!マスコミ出演・掲載情報
この度、中国電力(株)さんの発行されている季刊誌『碧い風』2009年7月号の中の、「若者たちの地域づくり」というというコーナーにて、学生耕作隊の取り組みが紹介されました!
発足のきっかけから、最近の後継創業の取り組み、さらには活動の根底に流れる理念まで、耕作隊の情報や思いが満載です。
この冊子は、各市町村の役場や図書館、大学等にて配布されているほか、中国電力さんのHP上でもダウンロードができますので、興味のある方はぜひとも手に取って読んでみてください!