楠クリーン村のブログ

山口県宇部市・楠クリーン村のブログです。

「送っていいよ」大作戦!!

2009年01月30日 | 若者の見る田舎の景色~インターン奮闘記~
学生耕作隊の取り組みとして動こうとしている「いつでも送っていいよ大作戦」。生産者側の都合に立って、農産物を勝手に消費者に送る「応援制度」です。1口1万円の先払いで農産物の収穫コストや輸送費をまかない、それまでの農家の努力にも報います。分量としては1口で大体お一人様分を目安に4回~6回程度送ることを予定しています。


↑野菜の仕分け作業の様子

この取り組みのきっかけとなったのは、現場に出てたくさんのお話を聞かせていただいたことにあります。耕作隊が今まで行ってきた援農や後継創業などの農業の活性化のための活動のなかで、耕作隊のシニア会員さんや学生会員さん、農家会員さんとのつながり、ネットワークが広がっていき、一軒では、一人では小さくても、つながれば力になることをたくさん見つけることができました。このネットワークをつなぐことで人手や収穫コストの問題から捨てられている農産物を活用したい、という思いが生まれました。


↑畑の一角にうち捨てられた野菜の山

 活用されていない農産物の中でも、市場に出ない美味しいものがあります。どうして市場に出ないかというと、規格です。一定の大きさに達しないものや、少しの量のものは出荷できません。大事に栽培されおいしいのに消費者に届かず「もったいない」になってしまうのです。例えば、茎ブロッコリーは小さくて細くて柔らかいのがおいしそうに見えますが、茎を食べるブロッコリーなので、太めの元気な大きいものの方が栄養もあるわけです。また、洗ったときに割れてしまうニンジンもあります。それは市場では評価されないけど、中身が詰まっているからこそ洗ったときに割れるというのです。中身が詰まって割れるニンジンと詰まってないからきれいなニンジン。美味しいのはどちらでしょう。

 市場には出ないので、消費者は知らないのです。現場の人たちがそこを自慢として見せていくことができたらと思います。知らない、ある意味農家さんがこっそり実は知っている農産物の良さ、「一農家一自慢」のものも送ることができたらと考えています。

 農家さんから「収穫するから人手がないので収穫できないんだ」というときにお手伝いに行き、そのおすそわけを送れたらと思います。「農家さんの人手が欲しい」というときに、「手伝いたい、援農をしよう」という場合には、応援してくれた人にバイト代を払います。応援として振り込んだ1万円が増える仕組みです。また、「農産物が欲しい」という人が自分で農家に直接、取りにいければ農家と知り合いになってもらえます。郵送で送られるのではなく、自分で近くの配送ステーションに行ってくれれば郵送費を倹約できます。農家さん、消費者が、農業の問題の解決を面白くやっていくことを今後の目標としています。農業の将来は暗いものではないと思います。農家と消費者があるものを互いに活かし使い方を一緒に考えていくことで何か変わり始まるでしょう。

「農作物を勝手に送っていいよ」と思う方や、「実はここが自慢だからアピールしたいんだけど」という農家さんも、募集中です!

学生耕作隊のホームページが新しくなりました!

2009年01月25日 | 過去の記事はこちら!



 この度、NPO法人学生耕作隊のホームページが新しくなりました!

活動理念や事業内容などの従来のコンテンツに加え、いつでも送っていいよ大作戦の会員募集や、インターン募集、耕作放棄地・古民家の情報提供の呼び掛け、農の新たな取り組みが紹介されているページへのリンクなど、新しい内容を数多く盛り込み、より深く広く学生耕作隊や農業での取り組みについて知ってもらい、気軽に参加できるようなページになっています。

新しくなった学生耕作隊のHPを、ぜひ一度ご覧ください!
http://www.socio.gr.jp/ennou

周防大島町の朝市での取り組み

2009年01月20日 | 若者の見る田舎の景色~インターン奮闘記~
 現在、大島青年の家では、近所の朝市で出される野菜を使っています。たくさんの野菜が手に入るので、旬で時期の野菜を青年の家で提供しています。

 この朝市に通うようになったきっかけは、朝市からももったいない野菜がでているということを知ったことからでした。大島青年の家の近所の朝市は、週に1回だけ開かれています。なので、その時に売れなかったものは、せっかく出されたものでも農家さんが持ち帰られることになっていました。では、大島青年の家で使うので、購入できるまで購入しますよ!と、話を進めました。最初は、本当にそんなに野菜を買って、使い切ることが出来るのかね。それなら、無理して買ってもらわなくてもよいのだが。とのご意見もいただいたりしていたのですが、気が付けばもう丸2年間、私たちはこの野菜を買い続けていました。
 
 購入を続けて、数ヶ月すると、信頼をしていただいたのか。すっかり仲良くなることが出来ました。私が、車で買出しに出かけると「齊藤さん、齊藤さん」と、いろいろ話しかけてくださり、私も皆さんの名前をどんどん覚えていきました。朝市の皆さんとの会話も徐々に弾むようになり、美味しい野菜の食べ方や、大島の昔の話なども聞くようになってきました。また、青年の家でたくさんの生ごみが出てしまって、廃棄に困っている、という話をしたところ、では、是非、自分の畑で撒いて有効活用しようと思うからもらうよ、引き取ってくださいました。私のちょっとした一言が、新たな取り組みにつながり、また農家さんと青年の家で、新たな循環の可能性が見えてきたのです。

 そして、このようなときを皆さんと共有していく中で、地域の学校が廃校になり、今では使う人もいないため素敵な木造の校舎なのですが、取り壊されそうだという話を聞きました。思い出もたくさんある校舎で、是非何とか残したいものだが、自分達では何も出来ない。でも若い青年の家のメンバーなら何か出来ないのか、というお話でした。(この木造校舎の有効活用については本誌7ページ目に記載しています)。野菜を購入し、地域に溶け込んでいったことで地域の問題などが、入ってくるようになってきました。その地域の情報が入ってきて、問題点も見えてきたことで、現場での問題解決という、まさに田舎に住む私たちがこれから推進していきたい部分が、大島でも見えてきたのかなと感じています。

 朝市に野菜を出されている地元の方々の笑顔と、「ありがとう」という言葉が、毎回、私もがんばろうという励みなります。このような取り組みの輪を各地に広げていければと考えています。

2008年忘年会報告

2009年01月15日 | 若者の見る田舎の景色~インターン奮闘記~
 去る2008年12月22日に、耕作隊の忘年会が山口市の菜香亭で行われました。学生会員さん、シニア会員さん、農家会員さん、事務局スタッフ、そして21世紀の森のスタッフの方、さらにはインターネットでの参加などもあり、合計31名の方に参加していただきました。


↑忘年会会場の様子

 まず、はじめに事務局長の岡田さんより、2008年の振り返りを行い、また新たな取り組みとして展開をしていく「いつでも送っていいよ大作戦」についての説明を、パワーポイントを使用しながら話しました。また、今年より新しくつながりが出来た東京の学生らからの「田舎と都市をつなぐ」新しい取り組みや、学生耕作隊OBの小池良太さんから組織つくりということについてお話をしてもらいました。 

 そして、乾杯をして、お料理を食べ始めると早速自己紹介です。みなさん、話がお上手なので、全員が自己紹介してしまうまでには、時間がかかってしまったのですが、耕作隊に対する想いや、農業に対して危機意識を持っているという話など、普段聞けないようなお話を、たくさん聞くことが出来ました。

 自己紹介が終わったあとは、耕作隊らしく、会場は大盛り上がりです。今回は、みなさんに持ち寄りでさまざまなお土産をいただきました。おいしい砂糖菓子や、お酒、コーヒー、手作りのお惣菜などなど。ボリュームたっぷりでとても美味しくいただきました。


↑コーヒーを振る舞う会員さん

 また、会の途中には、耕作隊事務局OGの大元さんもインターネットを利用して、
声と画像で途中参加してくれました!


↑OGも参加!

 会場を借りていた時間ぎりぎりまで、皆さんと飲んだり食べたり、お話したりと、とても楽しく過ごしました。

 今回の忘年会は、私自身楽しく過ごしただけでなく、とても力強い応援団の方々がいらっしゃることを再度認識し、とてもありがたいなと感謝すると同時に、さらに事務局としても、農業・農村の活性化に向けてさらに加速しながら前進していこうと思いました。

 少し気が早いですが、2009年の12月にも素敵な忘年会が開けるように2009年も目一杯活動していきます!

萩市古民家 再生技術を次世代に!

2009年01月14日 | 若者の見る田舎の景色~インターン奮闘記~
■もったいないステーション
 もったいない野菜の収集、加工の拠点である、もったいないステーションを作るべく、今月は、片づけを必死に行いました。それまで、不用品などがためてあった場所を、きれいにしていく作業でしたので、大変な作業となりました。また機材も入らないような狭い場所なので、人海戦術の作業です。しかし、そこは耕作隊の一番強いところで、たくさんの方にご協力いただき、作業を進めました。ためてあった、不用品などが次々と運び出され、あっという間に、地面や壁が見えるまでに見事に片付きました。片付いた後は、不要な扉を壊し、屋根や壁の壊れたところを修復します。これも、人数がいればあっという間です。その後は、ものを置けるようにと、廃材を使って棚を作りました。その日は、暗くなってしまったので、完成まで作業をすることは出来なかったのですが、あと、もう少しでもったいないステーションもできあがりです!

↑一歩完成に近づいたもったいないステーション

■そして、集会所が出来ました!
萩の古民家についに、集会所が完成しました!そこは、以前、納屋だった場所なのですが、この再生事業を始めたころには、納屋の傷みが特に激しく、床は腐っており、梁はシロアリに食われ、なんと極めつけに、家の中に木が生えている。という有様で、これは、一旦壊してしまって、また何か新たに作ろうと考えていました。しかし、私たちがその納屋を集会所に変えようとしたきっかけは、その萩の古民家の持ち主のおじいさんからの言葉でした。「あの納屋は、とても立派なものだ。土台も一番しっかりしているはずだから、使えるなら使ってみたらどうかね」と、言われたのです。確かにそう言われて見てみれば、屋根の方は、雨漏りがしていますが、土台は丈夫。床も床板を抜いて見れば、塚の部分は、まだ健在です。
腐った部分を取り壊し、新しいものに代えていく作業は根気がいる作業でした。部屋もそれほど広くなく、取り壊す作業では物が飛び散ってしまうので、大人数では作業が出来ません。なので、数人が少しずつ作業を進めてきました。天井板をすべてはがし終わったときに出てきたかやぶきは、日本の伝統を感じさせる立派なものでした。
しかし、この納屋の復活で一番厄介だったのが、この梁が腐っていたのを張り替える作業でした。他のものは、大丈夫だったのですが、1本だけ、雨が入り込んでおり、腐ってしまっているものがありました。これは、非常に重たくて、降ろすのも大変だし、新しい木をあげるのも大変。ですが、そこは、知恵を使っての作業です。何とか、設置することが出来ました。すこし大げさな言い方かもしれませんが、萩の古民家に来られた方には、是非見ていただきたい傑作です。
そして、部屋がひと段落してからは、中の掃除を行い、学生さんらが、机やパソコンなどのディスプレイをしてくれました。3部屋あるのですが、その内の一つには、中央に囲炉裏が設置してあります。床を抜いて作業しているときに、ふと中央がくぼんでいるのを見て、ここに囲炉裏を作ればよいではないか!という、半ば思いつきで動いてしまったのですが、素敵な囲炉裏が出来上がっています。ここで火を囲んでたくさんの人とお話が出来たら素敵だなと考えています。他の部屋にも机やパソコンが設置され、つい数ヶ月前まで、木が生えてしまっているような廃屋だったとは思えないほど、立派なものが出来上がっています。
この新しい集会所から、古民家の再生について発信をしていきたいと考えています。
さらには、これら再生の技術を次代を担う小中学生たちに伝えていきたいです。

↑遂に事務所が完成!

■ヤギ
耕作隊の農家会員さんからご紹介いただき、萩の農家さんからいただけることになりました。このヤギは、足が生まれつき悪いのですが、えさも、もりもり食べてとても元気な子です。まだ、ヤギ小屋の作成など飼う体制を整えている最中ですので、実際に飼い始めるのは、年が明けてからになりますが、実際に会いにいくと、とにかく「かわいい」の一言です。そして、餌ももちろん食べていましたが、それでは足りないのか、小屋の木の皮までばりばりと音を立てて食べているとても食いしん坊な子です。草が生えすぎて困ってしまった畑に、このヤギを放てば、めいいっぱい草を食べてくれるに違いないととても頼もしく思っています。

↑とにかくかわいい山羊♪