楠クリーン村のブログ

山口県宇部市・楠クリーン村のブログです。

今年も楠のお茶園で一番茶がとれました!

2010年06月15日 | 若者の見る田舎の景色~インターン奮闘記~
■楠のお茶園

 これまでに何度か紹介させていただきましたが、NPO法人学生耕作隊では、山口県宇部市楠地区で高齢化のために管理されなくなったお茶園と山を合わせて10町歩の管理を引き継いで、若者たちの手で活用をしており、その中の1町歩をお茶園として再生させています。
 そして、そこでの活動を、若者による地域の財の後継と活用(後継創業)の事例として中国四国地域、さらには全国へ発信しています。
 最初はジャングルのようだったお茶園も、学生耕作隊シニア会員の方々や、中国四国地域を始めとした全国の学生たちの手を借り、周りを手作業や重機で開拓したり、毎年機械で刈りそろえていっている内に、ようやくお茶園らしくなってきました。
 また、ブルーベリーの木も800本以上が植えられ、お茶園以外の活用も進んでいます。
 そして、昨年はそのお茶園で、日本よりもずっと厳しいドイツの検査基準で完全無農薬と認められるほどのお茶ができました!
 今回は、先日収穫を迎えた今年のお茶の話をご紹介します。


■お茶の季節到来

 森の駅・くすのきの山や野原の草木が新緑に色づいてくると、いよいよお茶の収穫のシーズンが到来したことを肌で感じます。
 私たちが管理しているお茶畑からも黄金色の新芽が力強く、出てきており、自然のエネルギーを感じます。
 今年は、ニュースでみなさんもご存知のとおり、中国四国地域はもちろん、全国でもお茶の各産地は霜の被害を受けて、芽の発育が遅れたり、収量に影響が出ているようです。
 森の駅・くすのきのお茶園も例外ではありません。
 昨年と比べ、同じ畑の中でも場所によって発育具合がまちまちになり、収量に影響がありました。
 しかし、今年は心なしか、毎年、無農薬・無化学肥料で作っていますが、去年よりも芽の力強さが増しているような気がします。


収穫間近のお茶の芽


■加工は徹夜で!

 さて、いよいよお茶の収穫です。
 収穫は、学生耕作隊のシニア会員さんの方々のご協力と、乗用型の収穫機械を借りて行いましたので、スムーズに行えました。
 荒茶加工は森の駅・くすのきの茶園から10分ほど離れたところにある荒茶加工場で、自分たちで操業して行います。
 本格的に行うのは今年が2回目です。
 7種類ぐらいの機械を使い、蒸す、揉む、乾燥させるという工程を経て水分を含んだ生葉を乾燥させて「荒茶」にし、お茶の味を引き出します。
 最終的に荒茶は生葉の25%ぐらいの重さになります。
 荒茶を作る工程では、最初は思った通りにいかず、機械のトラブルもあって夕方の7時から加工を始め、一日目の加工が終わったのが翌日の朝7時でした。
 そして、また一息入れると、二日目の収穫を行います。
 二日目の加工が終わったのは、なんとその日の0時でした。
 収穫したお茶が最終工程を経て、荒茶になって出てくると、紙の包装紙に入れます。
 そのとき、普段の生活ではなかなか嗅げない、本当に香ばしくて、おいしそうないい香りがします。
 疲れも眠気も吹っ飛び、深夜の加工場の片隅で思わずニヤっとしてしまいます。
 私の幸せな時間です。


工場で加工された荒茶


■生産から販売まで!

 去年は出来上がった荒茶は県外の加工業者に委託をして、すべて粉状にし、スティックの包装をしました。
 ですが、今年は、バリエーションを増やすためにも、仕上げ加工までしようと考えています。
 「仕上げ加工」とはすごく簡単に言うと、荒茶を純粋なお茶の部分とそうでないもの(茎など)とに分け、遠赤外線を当ててお茶の芯まで火を通し、香りをよくしたり、茶葉を裁断して、形を整える加工のことです。
 そして、仕上げ加工したものをギフト販売や、東京の協働団体で、フェアトレードとコミュニティートレードを行っている第3世界ショップでの販売も予定していて、現在その準備を行っています。
 途中で専門業者に仕上げ加工を委託しているものの、自分たちで生産、加工、販売まで行う予定です。


■私が感じたこと

 今回は、特に自分が今まであまり関わっていなかった加工・販売に関わり、地元産地や各県の生産と消費のバランス、山口や近隣の県では、どんな風に消費しているのか、どんな製品化の方法があるかを知ることができました。
 また、販売するとなると価格を決めないといけないですが、そうなると価格に直結する日々のコストに気をつけることになります。
 人に何かを任すことで自分の負担は減りますが、度を越えて人任せにすると、コスト意識や販売ルート、消費者のニーズ(お客様が何を求めているか)を掴むアンテナが立たなくなるのではないかと思います。
 自分たちで生産から販売まで全部をやる時、初めてのことばかり、思い通りにいかないことばかりで、不安にもなり、壁も多く感じます。
 しかし、それを一つ一つ乗り越えていくことで競争力や発想力、行動力がつき、全国一律横並び、大量生産、大量消費の時代からの転換期には、最後にはその力がモノをいうのではないかと思います。
 このことは他の作物、分野でも同じことが言えるのではないでしょうか!
 今後も、こうした新たな取り組みをどんどん行い、中国四国地域、さらには全国の農業を元気にするような事例を作っていきたいと思います。

 そして、今年の楠茶も、どうぞご賞味ください!


★☆★ご購入の申し込み、お問い合わせはこちら!☆★☆

FAX:03-3792-5359 メール:mottainai@lets.gr.jp (学生耕作隊・中原)
○荒茶(1袋70g入り) 892円(税込)
○煎茶(1袋70g入り) 1,050円(税込)
○ギフトセット(荒茶2袋、煎茶2袋入り) 2,730円(税込)※缶入り、箱詰め
※各商品とも送料は別となりますので、ご了承ください。