楠クリーン村のブログ

山口県宇部市・楠クリーン村のブログです。

山口朝日放送(YAB)で紹介されます!

2012年09月26日 | ぜひご覧ください!マスコミ出演・掲載情報
この度、9月27日(木)の山口朝日放送(YAB)の夕方(17時~19時)の報道番組「Jチャン山口」で楠クリーン村のことが紹介されることになりました!
9月22,23日に行われた、楠クリーン村の生活状況改善のために沢から水を引くイベントの様子や、私たちの活動の理念などが紹介される予定です。
興味のある方は是非ご視聴ください!

~楠クリーン村 自給トレーニング その8~ 「五感で感じる!秋の収穫祭へようこそ!」

2012年09月24日 | 奮ってご参加ください!イベント情報
 10月は秋野菜の季節。夏の終わりに植えた野菜が収穫時期を迎えます。
 私たちの社会は分業化が進み、普段スーパーで買っている野菜がどういう風に作られ、どんな風に畑に生っているのか、さらには、どう調理していいのか、どう調理したらおいしいのかが、わからない人たちが増えています。
 忙しさに追われ、ただ店でお金を出して物を買い、それを食べ、何の感動もなく、時間だけが過ぎていく。そんな生活に疑問を感じます。
 今回の体験講習会では、畑で汗を流し、秋の畑の実りを収穫し、みんなで調理します。手、足、鼻、舌、肌、全部を使って、五感で自然を感じてください。
 また皆さんに訪れてほしい楠クリーン村だから、その生活スペースの一部をリフォームし、お洒落で機能的に自分たちで改良します。
 「みんなで生活を作り上げる」という体験もします。
 秋の楠クリーン村で会いましょう!

■主催:楠クリーン村
■日時:10月29日(月) & 30日(火)
■内容:畑作業の技術習得、秋の野菜の収穫と調理、楠クリーン村をお洒落にする
■参加費:5,000円
■講師:村長・三田村 諭
■場所:森の駅・楠クリーン村(山口県宇部市今富25-1)
■宿泊:改築予定の吉田屋Ⅱに宿泊可。宿泊費は参加費に含みます。
■食事:あり。基本的に参加者とスタッフで調理します。
■夢作文:参加の希望動機、ここで何を学びたいかを事前に書いて提出していただきます(字数制限なし)。
内容によっては参加をお断りさせていただくかもしれませんのでご了承下さい。

黒毛和牛奮闘記 ~牛の中間就労支援~

2012年09月18日 | 若者の見る田舎の景色~インターン奮闘記~
 先日、夕方のえさやりの時間に1頭の牛が倒れるという出来事がありました。
 その牛は牛舎のど真ん中に横たわっていて目は見開いた状態、呼吸は浅く明らかに衰弱していました。
 急いでかかりつけの獣医さんを呼んで点滴・注射を打つなど夜の12時近くまでかかったと思います。
 原因は、栄養失調による脱水症状を引き起こしたため倒れたようです。
 なぜこのような事が起きたのか?自分の観察の未熟さによるところが大きいのですが、牛の世界も日々生きるための競争が繰り広げられているのです。
 今回ダウンしてしまった牛は他の牛たちと比べて体が小さいというのもあり、エサの取り合いに負けて充分なエサの量を食べられていなかったのです。
 また、楠クリーン村の牛舎はしきりがないためエサの時間になると奪い合いが起きます。
 仔牛は別として、全頭分が食べられる十分な広さのえさ場を用意していますが、強い牛は弱い牛の分も横取りをしてしまいます。
 そうすることで当然強い牛はよく育ち、弱い牛は充分な栄養がとれないのでどんどん痩せてきます。
 こうして格差が生まれてしまいます。

 今回の出来事を通じて牛と自分との関わり方、自分自身の働き方、今後について改めて考えさせられました。
 まず、牛も人間も競争社会が存在し、その中で社会(牛の場合は集団)からはじかれてしまうものが必ず出てしまうこと。
 就職に失敗したり、人間関係がうまくいかずに会社をやめてしまったり、会社をリストラされたりなど、働く場を失い、働く意欲も消えてしまうような人(特に若者)がここ数年で増えてきているのは確かで、本当にそれは自分にとっても辛いことです。
 ここ楠クリーン村では、汗を一緒に流して働くことで生きることの意味や働くことの意義を感じてもらい、自立に向けて一歩踏み出すための環境(中間的就労支援)があります。
 自分自身も、自立に向けて働いていますし、農を軸とした就労モデルをここ楠で作っていこうとしています。
 そうした場所を人だけではなく、牛にも当てはめて考えてみると、牛担当として牛をコーディネートしている自分の役割がただのえさやり当番ではなく総合的な仕事として考えられることにとてもやりがいを感じています。

 話を戻すと、倒れた牛はまだ治療中で、回復してきたのですが、一度ダウンしたことによって筋力が弱っていて、立ち上がる力がありません。
 こうなってしまったら、正直手の施しようがなくなります。
 あとはその牛自身の力に任せるしかありません。
 人も一度大きな挫折・失敗を起こすとなかなか立ち上がることができないのと同じです。
 こうなってしまうのを防ぐために、牛にとってよい環境をこちらで整えてあげることが必要です。
 一つ目は、痩せている牛を別の牛とは離して管理して充分にえさを与える。
 つまり、他の牛とは区別してじっくり面倒をみるということです。
 現在、3頭のやせた牛を隔離して十分にエサを与えています。
 病気ではないですが、病人としてみてあげることが大事です。
 期間としては一週間、肥えてきたら群れに戻します。
 二つ目に考えているのが、放牧型リハビリです。
 楠の広大な土地を利用して、放牧地を作ります。
 普通は身ごもっている牛を放つのが通常の放牧ですが、楠では痩せた牛を優先的に放して肥えるまで放牧します。
 水場がない場合は、生きる上で最低限の水を支給します。
 いわば放牧地をリハビリ施設として利用します。
 放牧地をきれいにすることで牛の役目を果たし、草を食べることで健康な体にもどり繁殖牛としての役目を果たす。
 牛にとっては本望な一生を過ごすことができるのではないでしょうか。
 牛を通じて“働く、生きる”ということを自分自身もっと深めていきたいと思います。

悩める同年代、インターン生活を意味のあるものに

2012年09月16日 | 若者の見る田舎の景色~インターン奮闘記~
 楠クリーン村には、インターン生としていろんな学生が来る。
 そのほとんどが自分と同じ年代、でも自分は中学を卒業してからずっとここで働いている。
 だからここに来る学生が、普段どんなことを考えているのか?
 高い学費を払ってまで、なぜ学校に行っているのか?
 何しにインターンに来たのか?
 などなど最近になってたくさんの興味が沸いてくるようになってきた。
 しかしその質問をぶつけた時、かえってくる答えはみんな同じ、「わからない、ただ意味もなく、とりあえず行っている」という答えばかりだった。
 この発言にはびっくりしたのと同時に、今の学生は何も考えていないのだろうか?とがっくりした。

 今の社会は良い企業に就職して、良い給料をもらうことばかりを求める学生が多い。
 だが、それでは何のために仕事をしているのかわからなくなり、意味を見いだせなくなる。
 そこから落ちていき、仕事をやめたり、身の入らない仕事をして、失業するのだろう。
 それは、良いところ、大きな会社と意味もなく、世間的に良いと言われているところに入ろうとしているからなのだと思う。
 仕事をする意味も分からず、何の楽しみも見いだせない、ただただ働いている。
 それでは毎日がつまらないものなのだろうなと思う。
 それを作ってきたというのが今の日本の社会の現状だ。

 だが、楠ではそんなふぬけは、作業的に役に立っても、人間として必要とされない。
 ただ言われた作業をするのではなく、自分で考え、アイディアを出して行く。
 そしてそれを実行していく、それが何より、やりがいを感じ、楽しく仕事ができる。
 楠に来た以上は何か意味を見つけて帰らないと、何のために来たのかが分からない。
 せっかく楠に来たのなら、そういった意味や、考え方をあらゆる視点で見てもらいたい。
 それがいまの自分のやるべきことなのだと感じる。

 自分は学生のインターンに必ず聞く質問がある。
 それは「何か一つでもこれだけは譲れないと思うものがあるか?」ということだ。
 この質問は自分流の聞き方で、これを聞くことで、まず考えることをさせる。
 そして、その中から発言や、考え方で日頃どこまで考えているのか、自分にどれだけの自信を持っているのか、自分の軸があれば、どんなくだらないことでも自信を持って言える。
 だが、たいていの人は予想通り、考えたこともなかった、見つからないと答える。
 こんな感じでインターン生の楠生活が開始する。
 時間の少ない楠でのインターン生活をよりよくするために初日の夜は必ず時間を取ってもらいインターン生と話し込む。
 その中で、普段何を考え、学校に行って何になるのか?
 将来どうしていきたいのか?と様々な質問を投げかける。
 もちろん答えなど返って来るはずもなく、そこから、自分の考えや経験を話し、「こんな考え方もあるんじゃない?もっとこうしたら良いんじゃない?」と心で語りかける。

 これが良いのか悪いのかは正直わからない。
 インターン生にとっては、いい迷惑かもしれない。
 けど、自分は軸を持ってやっていきたい。
 そして、現場だけではない、人間付き合いでも役に立てる人間になりたい。
 自分が話したことで、すぐに変われなくても、自分の話を聞いた人が、「あの人が言っていたのはこういう意味なのか」といつか感じて、もう一度考えるチャンスを持ってくれることを信じて話す。
 その中でも、「見方が変わりました」や「もっと自分に対して考えてみます。」と言われるときが、たまにある。
 それは、この上なくうれしく、最高の瞬間になる。

インターン体験から気付き、学び、変える!

2012年09月12日 | 若者の見る田舎の景色~インターン奮闘記~
■楠クリーン村はただの農業体験所、自給自足の村ではない

 この文章はこれから楠クリーン村でインターンをする人、またインターンを終えた人へのメッセージです。
 夏休みになり、また全国放送でも取り上げられ、学生や社会人インターンが続々と楠クリーン村にやってきています。
 ここ楠クリーン村は農を軸とした食料とエネルギーの自給自足の村ですが、ただの農業体験や自給体験をする場所ではありません。
 何となく生きている自分に気づき、「自分とはなにか?自分は何がしたいのか?自分は何ができるのか?」を見つめ、自分のミッションを見つけ、皆と協力し、地域や社会、働き方を変えていくそのスタート地点であり、それを学ぶ場でもあるのです。
 ここに来たインターン生に必ず言っていることは、「仕事選び=職種選び」ではない、ということです。
 まずは自分はどういう人間で、どんな問題意識や興味があり、どうやって生きていきたいのか?
 その生き方を実現するために仕事があります。
 その仕事が何かの職種に当てはまるだけです。
 大学生も社会人も、まず職種選びから始めて挫折する。
 自分の個性は?好きなことは?向き不向きは?
 その仕事を遂行する「自分」を置き去りにして、まず形から入ってしまうからです。


■まず自分を知る

 インターンに来たら、まず先述の問いかけをします。
 あとは農業をしに来た人なら、ひたすら汗を流し、種をまき、土や泥、草にまみれる。
 自然エネルギーの実験に来たのなら、限られた時間の中で出来うることを必死になって考え実行する。
 一生懸命にならないと何もわからない。
 「出来る、出来ない」「意味がある、無い」なんて考えない。
 そして作業や生活しながら思ったこと、自分の心の奥底から沸いてきた疑問を、楠クリーン村の住人や同じ境遇のインターンにぶつけ、議論する。
 夕日を見てきれいだと思ったら、「きれいだなぁ」と言う。
 思ったことを言い、思った通りに動く。

 そしたら段々と、都会で垢にまみれて、わからなくなっていた本当の自分の気持ちや、良いところ、悪いところ、我慢していたけどやりたかった事などが見えてくるはずです。
 自分のこともちょっとはわかってきます。
 僕たちもせっかく来たインターンが「ただの良い体験」に満足して帰らないように、会議の場を設け、インターン期間を振り返り、厳しい評価をお互いにします。
 それが僕らにとっても緊張感になり、成長につながります。
 今回のインターン受け入れも、笑いあり、涙ありで本当に楽しかったし、勉強になりました。
 この仕事をしてきてよかったと心から思いました。インターン生のみんな、ありがとう!


■個性と好きなことを見つけ、次にステップ

 ここで自分がどういう人間か少しはわかって、自分の好きなこと、やってみたいことを見つけたら、次は、テーマをもって専門的な仕事に挑戦します。
 もちろんやったことがない仕事にも挑戦するでしょう。
 楠クリーン村で農業をしている僕の大学の専攻は中国語だったし、牛の飼育責任者は経営学部の専攻です。
 だから大学の専攻や経歴は関係ありません。
 やりたいことをやる。
 それだけです。


■仕事とは事を成すためにあり

 その仕事で食べていけて、自分が満足できて、人も幸せにできることができる。
 ここで学ぶ「社会起業」という仕事を通して、この3つが実現できます。
 仕事の事業規模、従業員数、知名度などというのは、表面的なことです。
 3.11の震災後、僕らの生活の脆さが露呈し、行政や政府の欺瞞、落ち目っぷりがはっきりしました。
 「生活(生きること)」という根本的な部分が揺らいでいる今、今までのように行政や他人に地域づくりを丸投げし、表面的なことを追い求め、仕事以外の時間を暇つぶしにしていては、いつまでたっても私たち日本人は、自分たちの生活や地域を自分たちで守り、作り上げることはできません。
 「自分たちは仕事を通して、社会や地域に関わるんだ!変えていくんだ!そのために、自分に何かできることがある。それが自分の仕事だ」-ここにいるスタッフや全国、全世界の仲間、ここに来たインターン一人ひとりがそう自覚して、行動を起こした時、日本人の社会との関わり方が変わり始めるはずです。
 それをぜひ、ここで学んでもらいたいと思います。いつでも歓迎します。一緒にワクワクしましょう!