楠クリーン村のブログ

山口県宇部市・楠クリーン村のブログです。

限られた中でいかに楽しみ、工夫するか ~自給自足生活を体験して~

2012年03月09日 | 若者の見る田舎の景色~インターン奮闘記~
 先日、楠クリーン村に2名のインターン生が来ました。
 いずれも社会に出て会社勤めをしていた人たちで、楠クリーン村の活動を学びに来ました。
 インターン生の一人からクリーン村での生活の体験記が届きましたので、紹介します。

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 小雨が降る中、4両の列車にゆられ私の2泊3日の旅は始まりました。
 山陽本線・厚東駅を下りたのは私一人だけ。
 無人の駅、あたり一面は山や畑…とんでもない所へ来たのではないかと不安からのスタートでした。
 昨年、夫の転勤に伴い退職した私が楠クリーン村を訪れたのは、時間に余裕ができたことで「今できることをしよう」と思ったことがきっかけでした。
 また東日本大震災の被災地の現状を新聞やテレビでしか知らない私は、自分自身の無力さを感じ、電気もガスも水道もない生活というのはどれだけ大変なのか知っておくべきでは、という気持ちもありました。

 楠クリーン村には、材木を貼り合わせた2階建ての事務所、薪でわかす窯風呂、穴を掘ってつくった洋式の簡易トイレ…。
 つい朝まで過ごしていた家とはかけ離れた空間が広がっていました。 早速、食事作りに参加。
 薪で火を起こし、タンクに貯められた雨水で食器や野菜を洗います。 タンクに貯められた残りの水を見ると大事に使わなくてはと思い、農家の方から頂いた野菜は捨てるところなく全て使おうという感謝の気持ちが、スタッフのみなさんと作業するうちに自然とわいてきました。
 ここで働くスタッフの方々は、汗や泥にまみれながらも、活き活きと生活をしていました。
 牛の柵組みでは、私もぬかるみに足が奪われながらも、重いパイプを3人で取り付ける作業を手伝いました。
 その際も分担をさっと決め、「とりあえずやってみる。失敗するのが当たり前だから」ときっぱりと言い放つ姿を見て、とても清々しく私も思い切り仕事をすることができました。
 また、それぞれの個性が生かされ建築担当、料理担当、家畜担当などに分かれており、知識のない事柄でも全て自分でゼロから学び、失敗してはまた挑戦しているからこそ「できないことはない」というみなさんの思いが伝わってきました。
 そして何よりも楽しんで働いていました。
 頭に灰をかぶりながら2時間かけて沸かしたお風呂。
 入ることができた時はなんとも言えない満足感に満たされました。
 手足も伸ばせない小さなお風呂でも充分、豪華な食事はなくても白いご飯があればお腹は満たされます。
 限られた中でいかに楽しめるか、いかに工夫するかで変えることができる生活の場だと思いました。
 きっと普段の生活の中では感じることができなかったと思います。
 スイッチを押せば電気がつき、蛇口をひねればお湯が出る、スーパーではなんでも揃い、今はないものなんてないぐらい物で溢れ、恵まれています。
 その中でも無駄なく大切にしよう、感謝しようと改めて思うことができ、人生においても貴重で忘れられない体験になりました。
 ありがとうございました。

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