楠クリーン村のブログ

山口県宇部市・楠クリーン村のブログです。

鶏が来て、卵の自給がスタート! ~卵の自給から学ぶこと~

2012年04月18日 | 若者の見る田舎の景色~インターン奮闘記~
はじまりは突然に、でも必然で

「卵を産む鶏が安く譲ってもらえるけどいらんかね?」
きっかけは、学生耕作隊でつながりのある自然養鶏農家さんからの連絡だった。
20頭の牛舎も建てなければいけない。
春に向けて畑の準備もしないといけないし、ログハウスをつくる講習会イベントの期日も迫っている・・・。
そんな状況もあり、見送ることも少しよぎったけれど、「自給生活の基本と言えば卵と野菜でしょう!」ということで30羽飼うことにした。
もちろん楠メンバーの誰も鶏なんか飼ったことがない。
「30羽か・・・じゃあ、大きい車じゃないと運べないだろうな」と思い2tダンプでいくことにした。
鶏を受け取るために向かった先は、隣町の養鶏場。
養鶏場の中をのぞくと、鶏、鶏、鶏ー!
1羽が入るのがやっとのゲージに鶏が押し込まれ、狭くてかわいそうだ。
スーパーの卵はこうやって「作られて」いるのか・・と、しみじみ思う。


楠クリーン村に鶏が到着

「はい、どうぞ」と差し出されたのは、みかん箱4箱分ぐらいの大きさのプラスティックケースに詰め込まれた10羽の鶏。
それが3箱。
鶏たちは「もうどこへでも連れて行け」とばかりに、観念したご様子でじっとしている。
その30羽を積み込むにはあまりにも大きいトラックに鶏たちを詰め込み、いざ出発。
到着後、早速、鶏を鶏小屋に放つ。
この鶏小屋は前回、講習会でみんなで学びながら2日間で組み立てたものだ。
「環境が変わるから最初は卵をうまないかもね」といわれていたが、なんと初日から20個をGet!幸先よし!
餌は機械修理の師匠の農家さんからいただいた米ぬかと、調理で出る野菜くずだから、お金もかからず、卵も取れる。
鶏はなんてすばらしいんだ!と思っていたけれど、世の中はそんなに甘くないのだった。


卵を産まない鶏

広い小屋に放たれた鶏たちは、日に日に元気に動き回るようになった。
しかし、生まれる卵の量は日に日に減り、卵の殻が薄くなっていく・・・。
「これは大変だ!」
人に聞き、本で調べた結果、カルシウム分が不足しているとのこと。
そこでカキ殻をもらい、鶏に与えると、早速、また卵を産み始めた!
行動を起こさなければ、何も起きないが、新しいアクションを起こせば、そこにはかならず問題が生じる。
しかしそれこそが人を成長させてくれる。


鶏が教えてくれたこと

鶏が1日に必要な餌の量はご存知だろうか?
それはたった150gだそうだ。
そして鶏は雑食なのである程度なんでも食べる。
野菜くず、とうもろこし、豆腐糟、魚の粗、カキ殻、雑草、ミミズ、昆虫などなど。
僕がある養鶏家から教えてもらったのは「その地域にあるものを、あるものだけ食べさせる。固定概念は捨てろ」ということである。
鶏が来た当初は「ちゃんとした餌を切らさずに与えないといけない」「寒さにやられないように鶏小屋のビニールは空けたり閉めたりしないといけない」といろいろ心配していたが、それは僕ら現代人のひよった考えからきたことで、当の鶏からすれば、「なんのこっちゃ」と思っていたに違いない。
鶏は1週間ぐらい餌なしでも生きていけるし、寒さになれた鶏であれば、気温が氷点下数度でも平気だそうだ。
鶏は環境に大きな負荷を与えず、人と一緒に暮らせていける生き物だ。
これなら、食糧危機が来ても、僕らが生産できる範囲の鶏を飼い続けることはできるだろう、と卵の自給の可能性の高さを実感する。
自然の中にいて自由で、試練と負荷があるけど、無理はしない。
それが生き物が、生き物らしく生きていく上で、必要なことなんだろうなぁと思う。
ここでの生活は、ある程度、基本やマニュアルはあっても、「絶対」はない。
よく観察し、自分で考え、行動し、問題を解決していかなければいけない。
でもそれが楽しい。
鶏を飼うことで、卵が自給でき、自分たちの学びにもなる、まさに一石二鳥。
都会では得られないリアルな学びに感謝しながら、今日も生まれたての卵をいただきます。
こんな生活がしたい方は、是非、楠クリーン村へ学びにお越しください!


ビニールハウスの鶏舎に放され、動き回る鶏たち


楠クリーン村にやってきた鶏。元々ケージで飼われていたため、くちばしが切られている。

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