この懐かしき本たちよ!

まだ私の手元に残っている懐かしい本とそれにまつわるいろいろな思い出、その他、とりとめのない思いを書き綴りたい。

#37 アーネスト・ヘミングウェイ著「誰がために鐘は鳴る」Ⅲ(君だけは生きつづけてくれ。)

2005年03月08日 | 英米文学

「この写真は、最後に砲弾にあたったロバートに、マリアが自分もロバートと一緒に残ると言って涙を流しているところだね。」
「というより、「君だけは生き続けてくれ」とロバートに説得されているところだね。」

「ロバートの説得にマリアが泣く。」
「ロバートが静かに説得する。」

「そしてマリアは納得する」
「馬の上でロバートと残りたいとマリアは抵抗しながらも、馬と一緒に消えて行く。」

「残ったロバートの言葉とロバートの機関銃の射撃 この中でロバートは死ぬんだね」
「鐘が鳴っている場面 それでTHE END 」

「思い出すね。」
「高校生の僕も涙が出たよ。」

「この小説のはじめに詩が引用されているね。」

 No man is an Iland ,intire of it self;
Everyman is a peece of the Continent,
A part of the maine; if a Clod bee washed
Away by the Sea,Europe is the lesse,as
well as as if a Promontorie were,as well as
if a Mannor of thy friends or of thine
owne were; any mans death diminishes
me,because I am involved in Mankind;
And therefore never send to know for
Whom the bell tolls;It tolls for thee.

JOHN DONNE   
              とね。」
「どういう意味の詩なのかよくわからないけど」
「僕もわからないよ。でも

最後の部分は

『されば問うなかれ
誰がために鐘は鳴るやと
そは汝がために鳴るなり』、

と大久保康雄の訳ではなっているね。
この辺は少しはわかるとしても、その前はよくわからない。
John Donne (1571~1631)という人は「形而上詩」という詩を書く
詩人ということになっているらしいね。 
比喩(Metaphor)を使って表現するのが得意らしい。」
「そうかね。むつかしいもんだね。」
「ヘミングウェイはこの詩を最初に引用しているんだから、
この小説全体の意味と関係があるのだろうね。」

「また詳しい人に聞いて見ようや。」
「それこそ、コーネル大学の旧姓I先生に聞いて見たら。」
「そうだね。でもおそれ多くてそんなに気安く聞けないよ。」

「君の元クラスメートのTY大学のK先生もアメリカ文学が専門なんじゃないの?」
「そうだね。でも人に聞く前に自分でもう少しちゃんと勉強しておかないと。」
「それもそうだね。」

                             (つづく)

画像は シネマアルバム48「イングリッド・バーグマン」芳賀書店1977年初版、1982年第6刷より


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