この懐かしき本たちよ!

まだ私の手元に残っている懐かしい本とそれにまつわるいろいろな思い出、その他、とりとめのない思いを書き綴りたい。

#642 高山虚子著 「虚子自選句集」2

2010年01月21日 | 日本文学
虚子自選句集から句を選んで見たい。

現在と同じ季節からの季語のものを選んで見る。

去年今年貫く棒のごときもの

この句はいろいろな評の対象となっている。


餅もすき酒もすきなり今朝の春

まず女房の顔を見て年改むる

子供等に双六まけて老いの春

牢獄に在る人思う老いの春

初空にうかみし富士の美し国

初富士を見て嬉しさや君を訪う

男山仰ぎて受くる破魔矢かな

年始にも老いの一徹見られけり

この女此の時艶に屠蘇の酔い

一学系を率いて食らう雑煮かな

大勢の子育て来し雑煮かな

やり羽子や油のような京言葉

座を挙げて恋ほのめくや歌かるた

歌留多とる皆美しく負けまじく

口あけて腹の底まで初笑

読初や机上白文唐詩選

あるものを摘み来よ乙女若菜かな

水仙や表紙とれたる古言海

大寒や見舞に行けば死んでおり

山道に雪掻かれあり小家かな




画像: 筆者撮影(鎌倉常楽寺にて)

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