数日前のブログで、「牛肉食って狂牛病になるより、
交通事故にあう確率の方がはるかに高い」てなことを
書いたのだが、米国政府のエライさんがおなじ趣旨の
発言をしてたと知り、びっくりした。日本の吉牛ファンが
言うのならわかるが、輸出側が言っちゃいかんだろ。米
国人というのは基本的に「他人の気持ちになれない」
ひとたちなのかもしれない。
テレビのニュースでもこの話題がとりあげられており、
「日本の公衆衛生の意識は世界でも高く、米国ではそ
うでもない。そのギャップがあのような発言を産んだの
ではないか」てなコメントが識者の方から寄せられてい
たが、「ああなるほど」と。日本人というのは間違いなく
「キタナイもの」には敏感だ。日本特有の神道という宗
教、これ生粋の日本人でもどんな宗教か説明するのは
難しいのだが、要するに「世の中にはケガれたものとそ
うでないものがあり、ケガれたものは祝詞によって祓い
清めることができる」というのがアレである。「ケガれ」の
意識というのは日本人のこころの根本に根付いている
のだ。
通常の日本人てのは、家庭において箸と茶碗は自分
専用のを持っていると思うが、こういう習慣はたぶん西欧
にはないんじゃなかろうか。他人と食器を共用するのさえ
嫌がるのが日本人。特に箸については、外食においてす
ら割り箸が主流である。「他人の使った箸を使う」というの
は、ちゃんと洗ってさえいればなんの問題もない話なのだ
が、それでもなんとなく違和感が伴う。「赤の他人が一度
使った箸はキタナイものであり、実害があろうとなかろうと、
それを使って飯を食うことはなんとなく嫌だ」というのは、日
本人に共通する感覚ではなかろうか。
考えてみれば、「抗菌グッズ」なるものがこんなに売れる
国が他にあるのか。抗菌グッズというのも、「実害のある細
菌を取り除く」というよりも、「感覚的にケガレを除去する」役
割の方が高い気がする。いわば「科学的根拠をもった祝詞」
みたいなものかしらん。そういえば子供のいじめで、いじめ
られっ子をばい菌に擬し、「××菌」とあだ名つけてからかう
というのは常套手段であるが、西欧諸国でもああいうたぐい
のいじめはあるのだろうか。
そういえば日本の特有の差別、民差別も「ケガレ」と切
っても切れない関係にあるものである。黒人奴隷を調理人に
やとってこき使う、米国流の人種差別とは、これはまた根がま
ったく違うものであった。相互理解の道はやはりけわしい。
交通事故にあう確率の方がはるかに高い」てなことを
書いたのだが、米国政府のエライさんがおなじ趣旨の
発言をしてたと知り、びっくりした。日本の吉牛ファンが
言うのならわかるが、輸出側が言っちゃいかんだろ。米
国人というのは基本的に「他人の気持ちになれない」
ひとたちなのかもしれない。
テレビのニュースでもこの話題がとりあげられており、
「日本の公衆衛生の意識は世界でも高く、米国ではそ
うでもない。そのギャップがあのような発言を産んだの
ではないか」てなコメントが識者の方から寄せられてい
たが、「ああなるほど」と。日本人というのは間違いなく
「キタナイもの」には敏感だ。日本特有の神道という宗
教、これ生粋の日本人でもどんな宗教か説明するのは
難しいのだが、要するに「世の中にはケガれたものとそ
うでないものがあり、ケガれたものは祝詞によって祓い
清めることができる」というのがアレである。「ケガれ」の
意識というのは日本人のこころの根本に根付いている
のだ。
通常の日本人てのは、家庭において箸と茶碗は自分
専用のを持っていると思うが、こういう習慣はたぶん西欧
にはないんじゃなかろうか。他人と食器を共用するのさえ
嫌がるのが日本人。特に箸については、外食においてす
ら割り箸が主流である。「他人の使った箸を使う」というの
は、ちゃんと洗ってさえいればなんの問題もない話なのだ
が、それでもなんとなく違和感が伴う。「赤の他人が一度
使った箸はキタナイものであり、実害があろうとなかろうと、
それを使って飯を食うことはなんとなく嫌だ」というのは、日
本人に共通する感覚ではなかろうか。
考えてみれば、「抗菌グッズ」なるものがこんなに売れる
国が他にあるのか。抗菌グッズというのも、「実害のある細
菌を取り除く」というよりも、「感覚的にケガレを除去する」役
割の方が高い気がする。いわば「科学的根拠をもった祝詞」
みたいなものかしらん。そういえば子供のいじめで、いじめ
られっ子をばい菌に擬し、「××菌」とあだ名つけてからかう
というのは常套手段であるが、西欧諸国でもああいうたぐい
のいじめはあるのだろうか。
そういえば日本の特有の差別、民差別も「ケガレ」と切
っても切れない関係にあるものである。黒人奴隷を調理人に
やとってこき使う、米国流の人種差別とは、これはまた根がま
ったく違うものであった。相互理解の道はやはりけわしい。