日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

五月雨の加賀を行く - 帰着

2021-06-28 21:00:28 | 北陸
昨晩は日付を少し跨いで帰宅し、一風呂浴びてから休みました。片付けを済ませる余力もなかったのは、久々の活動だったのに加え、暑さにやられたからでもあります。
自身にとっての生涯最高気温は38.5度です。どこで経験したかといえば、沖縄でも九州でもなく北陸でした。昨秋能登を旅したときも、十月でもまだこれかと面食らいました。そして今回、白昼どころか深夜になっても蒸し暑く、大汗をかいて辟易しました。立秋の前後一月半ほどが暑いと考えれば、六月末から十月の前半まではこの調子ということになり、自身の記憶と符合します。つまり、今回経験した暑さも当然想定すべきだったということです。一年のうち四ヶ月近くは暑さに難儀して、冬は鉛色の空に閉ざされ、春先も花粉に煩わされるとなると、快適に過ごせる時期は四月から五月、あとは十月後半からの一月ほどがせいぜいでしょうか。少なくとも、気候のよさが決め手になって移り住む場所ではないのがよく分かりました。

そのことを含め、本活動を通じてつくづく感じたのは、理想と現実の隔たりです。ただし、全ての理想が満たされないことに対して失望したわけではありません。こちらが直面しているのは、「住めば都」の諺と正反対の状況です。憧れていた古都での暮らしも、いざ実行に移すとなれば一筋縄には行かないだろうと思っていました。理想ばかりが膨らんで行く状況で、現実を知ることにより、検討をより具体化するのが本活動の目的でした。その目的が見事に果たされたという点で、よい経験ができたと改めて思います。
旅が最も楽しいのは、旅程を立てているときだとよく言われます。それと同様、異郷での新生活は思い描くだけでも楽しく、今の時点でも十分満足できているのが実情です。たとえこのまま見果てぬ夢に終わっても、束の間の夢を見られてよかったと割り切れそうな気がします。しかし、旅程を立てる楽しみと、現に旅する楽しみが別物なのはもちろんです。いかに綿密な旅程を組んでも、旅先では予期せぬことが起こります。それこそ旅の醍醐味と考えている自分にとって、このまま夢で終わらせるという選択はあり得ません。次へ進むかどうかにつき、早急に結論を出すつもりです。
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