日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

花見の旅in信州 2016 - しづか

2016-04-09 21:33:46 | 居酒屋
かつて紅葉の最盛期の京都で、空前の見物客が街に溢れ、その影響もあって呑み屋に七軒続けて振られるという経験をしました。そのときほどではないにしても、今日の人出は尋常はありません。当然呑み屋も混むだろうと覚悟しました。しかし幸いにも、目指す「しづか」のカウンターは先客二名のほどよい状況です。長い辺のやや左寄り、若主人の定位置の正面という特等席に首尾よく着席と相成りました。
去年の暮れに「籠太」を訪ねたとき、塩豆腐、やきとり、塩辛の組み合わせを「三種の神器」と評しました。それと同様、この店における三種の神器はやきとり、おでん、野沢菜で確立した感があります。おそらく観光客なら、まずは手堅く馬刺、それに鯉か岩魚も選ぶのでしょうか。それらには目もくれず、文字にすれば平凡な品々を選ぶのは、この三品こそ当店でしか味わえない逸品だからです。特にやきとりのタレの香ばしさは、「香ばしさ」という味覚嗅覚において、弘前「しまや」の貝焼味噌と並ぶ全国の双璧と言い切りましょう。
露店の焼きそば以外飲まず食わずで空腹だったこともあり、普段は三本にとどめているやきとりを、本日は一人前の五本所望しました。冷蔵庫から串を取り出し、それをいきなりタレに漬けてから焼くのが当店流。大串ではないながらも肉に噛み応えがあり、噛めば噛むほど味が出るところが特徴です。
あとは季節感を織り込むことができれば完璧というところ、お通しに蕗の煮付けが出てきました。ほろ苦さと濃い味付けは信州の春そのものです。大女将から差し入れられたふきのとうのおひたしも肴としてはまことに好適。これなら他には何も要りません。徳利を三本空け上機嫌で席を立ちました。

しづか
松本市大手4-10-8
0263-32-0547
1200AM-2230PM(LO)
日祝日定休

真澄×2・神渡
お通し(蕗煮付け)
おでん三品
やきとり五本
野沢菜
ふきのとうおひたし・お新香(おごり)

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