日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

夜の六本木 - さかなのさけ

2019-06-20 20:48:50 | 居酒屋
この店に戻ってくるのは昨秋以来、一杯やって帰るのも三ヶ月ぶりになるようです。「さかなのさけ」を訪ねます。
長年世話になっている店の中では、比較的値が張る部類に属する店です。肴の半数以上は千円を超します。今が走りのはもちりに至っては二千円を超え、手が出る値段ではありません。たらふく飲み食いするのは憚られ、挨拶がてら立ち寄って、軽く一杯やっていくのが通例です。ただし、無駄に高いというわけでもありません。酒一合で千円前後する店が当たり前の昨今、少なくとも酒についてはあながち高いともいえなくなってきました。肴にも値段に見合った価値があります。全国を旅してきた店主が各地から取り寄せた食材は本物であり、それらを捌く女将の仕事も、家庭料理の延長ではなく料理人の域です。六本木という立地を考えれば良心的とさえいえます。今回もその真価は遺憾なく発揮されました。
カウンターのやや右寄り、女将の定位置のほぼ正面に通されて、まず目に留まったのは鰯の山椒煮です。先日京都を訪ねたとき、「きのした」の店主が山椒の実を一つずつむしっているのを目の当たりにして、いかにも根気が要りそうだと思った記憶が甦りました。この時期に収穫し、冷凍して一年中使うというのが女将の弁です。つまり今でなければいただけない品というわけでもありません。しかし、冷凍したものではなく、収穫したての山椒と思えばありがたみも違ってきます。本場舞鶴から取り寄せた肉厚の万願寺も秀逸です。それらを肴に酒を三杯飲み干して辞去しました。

さかなのさけ
東京都港区六本木3-8-3 遠藤ビル1階
03-3408-6383
1800PM-2300PM(最終入店)
日祝日及び月曜定休

田中六五・華鳩・二兎
突き出し(カシューナッツ豆腐)
いわしの山椒煮
舞鶴の焼き万願寺
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