日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

本日の晩酌 - 山形正宗

2017-11-28 22:56:57 | 晩酌
山形正宗の代名詞といえば、毎年ひやおろしの先陣を切る「秋あがり」ですが、去年は「稲造」を久々にいただきました。そして今回手に取ったのが、兵庫産山田錦を奢った純米吟醸です。
金文字のラベルを遠目に見れば「秋あがり」のようでもありますが、原料米、精米歩合とアルコール分だけを記した簡潔なラベルに高級酒の風格が漂っています。そして、味わいも見た目に違わず高貴です。十把一絡げに言ってしまえば冩楽などと同じ路線の、流行の最先端を行く、しかし自身にとっては食傷気味の味わいながら、柑橘系の含み香と切れのよさは紛れもないこの蔵の十八番です。しかも、柑橘系の香りが立ちすぎそれ以外の見せ場を欠いた「稲造」と違い、甘く気高い味わいを軸にしつつ、柑橘系の香りが適度な個性を添えているのは見事というほかなく、この酒に初めて出会った一昔前の鮮烈な印象が甦ってきました。
四合瓶で税込二千円近い値段は、数字の上では決して安くはないものの、それでも「秋あがり」と「稲造」の二割増です。さらに高価な大吟醸と比べても、値段以上に満足できる酒なのは間違いありません。ヱビスビールの謳い文句のごとく、「ちょっと贅沢」の形容がふさわしい逸品です。

★山形正宗 純米吟醸山田錦
水戸部酒造(山形県天童市)
原料米 兵庫県産山田錦
精米歩合 50%
アルコール分 16度
栃木県佐野市 上岡酒店にて購入
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