(最終的に出来上がった、柳川鍋です~♪)
初夏になりました。
どじょう鍋によーく冷やした日本酒なんて良いな~♪
と、夫がつぶやきました。
ああ、ドジョウね、桶川のマミーマートで販売していたのを見たことあります。
「また見つけたらね」とお約束致しました。
今日は、さいたま市吉野町にある「角上魚類」へお買い物です。
新潟県寺泊にある「魚のアメ横」に拠点を置く鮮魚チェーン店で
「日本海まで行かなくても、日本海からやってくる」
「日本海で捕れた魚を9時間以内に関東圏で売る」
をウリにしているお店です。
浜ゆでの紅ずわいガニが1杯600円とか、お手軽だな・・・と眺めていると、その横で
ピチピチと跳ねているものが~!!
なんと、ドジョウじゃありませんか!!
■どじょう鍋にしたいのですが、1人前どのくらいですか。
→ まあ、1人前100グラムは欲しいところですね。
■これ、生きたまま保存できますか?
→ お買いになりましたら、水をお入れします。
そのままの状態で、常温で保存してください。
■生きたまま調理するんですよね、洗うのはどうしたらよいでしょう?
→ 養殖ですから、洗わなくても大丈夫ですよ。
ざるに入れて、水を上からかける程度で。
■いつでもありますか?
→ 週に一度位ですね。
100グラムはどのくらいか、ザルにすくって見せてくれました。
もう少し多めにとお願いしてみました。
はいはい、この位でね。
頂いてみましたよ~♪
チラチラとこちらに視線を向けていた他のお客様たちも、お買い上げです~♪
「柳川鍋にしたいと思って~♪」と。
週に1度くらい仕入れて、当日中に売り切れますね。
このお店、以前はスッポンもみかけたことがあります。
自分で日本酒かワインを持参すれば、捌いたときの生き血も持ち帰り出来ますって。
すぐに、近くの「いなげや」さんで日本酒を購入して渡しましたよ。
ワイングラスで提供しましたら、夫は大変喜びました。
しかし、実際のところ、私は不気味でとても頂くことは出来ませんでした(>_<)
スッポン鍋は、頂きましたけどね。
で、頂いたドジョウですが、段ボール箱に入れて薄暗い状態にしています。
時々、一斉にピチピチと跳ねるのが不気味で・・・。
自分で購入しておきながら、恐る恐る、です。
どじょう鍋の作り方をネットで調べましたところ、
・ドジョウは30分くらい酒に浸して、泥酔させる。
・白味噌を入れたお湯で40ー50分茹でる。
・お湯でさっと洗い、浅くて広い鍋に重ならないように敷き詰める。
・汁を入れて煮立ったら、ささがき牛蒡を入れ手柔らかくなるまで煮る。
・たっぷりのネギを載せて出来上がり。
卵でとじるれば柳川鍋、卵なしだと、どじょう鍋らしいです。
「駒形どぜう」風にしたかったので、こちらのレシピを参照させて頂きました。
駒形どぜう風どじょう鍋 by akkey-y 【クックパッド】 簡単おいしいみんなのレシピが393万品 (cookpad.com)
柔らかそうな新ごぼうと、
細めのネギ。
でも、駒形どぜうでは太めのネギでしたけどね。
三つ星たまご。
ドジョウも、ゴボウも、ネギも、みーんな、土の恵みなんですね~♪
はてさて、どじょうさん達の運命やいかに・・・?
(画像は30分程度経過して、泥酔したところです)
ドジョウさんたちをボウルに移し、お酒で泥酔して頂きます。
その時点ではピチピチと跳ねていますので、すぐに蓋をしてね。
30分程度経過したら、静かになります。
ワイルドすぎる~!!
少量の味噌や酒粕を入れて50分くらい煮ました。
味噌や酒粕は味付けが目的では無く、柔らかくするためです。
ザルに空けて流水で洗い、
そばつゆの味付けで煮ます。
少し、みりんを足しました。
たっぷりのゴボウを載せて煮えたら、
大量のネギを載せます。
これで、どじょうの丸鍋、出来上がり~♪
奈良で購入した春鹿の微発泡酒「ときめき」
さわやかな味わいの「白滴」で頂くことに致します~♪
半分くらい頂いたところで、
卵でとじました、これで「柳川鍋」となります~♪
ドジョウを開きにして、骨を取る方もいらっしゃいますが、そのままでも十分柔らかいです。
お料理の上手な方から見れば、笑ってしまうような不調法なシロモノだと思いますが、
大変美味しくいただけて、満足致しました!!
ところで、岡本かの子さんという昭和初期の小説家をご存じでしょうか。
日本漫画の祖とも云われる岡本一平さんの奥様です。
岡本一平さんは、浅草の駒形どぜうの五代目主人と仲がよく、妻のかの子さんを連れて行きます。
しかし、どじょう料理は、お嬢様育ちのかの子さんの口には合いません。
無理をして食べるのですが、その後は気分を悪くしてしまいます。
その翌年の昭和14年、かの子さんは小説「家霊」を書き上げます。
お時間のある方は、ご参考までにどうぞ。
押し迫った暮近い日、店を閉める前に老職人がやってきて、
「御飯つきでどじょう汁一人前」を注文する。
いつも代金を払わない客だから、断られる。
それでも老人は、勘定を払えない言訳を始める。
こうして、どじょう汁と飯をせしめるのだ。
じつは、先代のおかみさんが、
「どじょうが欲しかったら、いくらでもあげますよ」と言っていた。
勘定のかわりに、老職人が一心うちこんだ彫金のかんざしを持って来い、と言っていた。
いくつかのかんざしを納め、最後には一本足の古風な千鳥のかんざしを渡した。
しかし、もう身体が弱って、勘定を払う当てはない。
ただただ、永年夜食として食べ慣れた、どじょう汁と飯一椀、わしはこれを摂らんと、
冬の一夜を凌ぎ兼ねます。
朝までに、身体が凍え痺れる。
わしら彫金師は、一たがね一期です。
明日のことは考えんです。
あなたが、おかみさんの娘ですなら、今夜も、あの細かい小魚を五六ぴき、恵んでいただきたい。
死ぬにしても、こんな霜枯れた夜は嫌です。
今夜、一夜は、あの小魚の命をぽちりぽちり、わしの骨の髄に噛みこんで生き伸びたい・・・・