なんと、まだまだ森遊びから抜けられない私でありました。
これから書く事は、同時期に1つのドラマと1つのお芝居を行ったり来た
りしているうちに、2つのストーリーを混同してしまった者の妄想です。
2つの作品になんら悪意はございませんので、いっしょに遊ぼうと思って
くださった人に読んで頂けたらウレシイです。
なお、「わるいやつら」最終章のフツウの感想はこちらにあります。
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朧の森で鬼になったのは豊美だった。
私をハメようなんざ100年早いんだよっ!
そう心の中で叫んで、豊美はうたかたの眠りから覚めた。
何をしてるんだろう? 私。とにかくここを出なきゃ!
枯れ葉を払い、土の中から抜け出し、とにかく走った。
途中で誰かに車で拾ってもらい、車窓から外の風景を見た時にようやく思考
が戻ってきた。
「私は一度死んだのだ。もう何も恐いものなどない。」
そう思うと同時に何かに守られているような感覚を生まれて初めて知った。
あれは夢だったのだろうか。
森の土の中で手足に感じたのは・・・固くて長いもの。
あれは木々の根だったのかもしれない。
目覚めてからもその固くて長いものに守られているような感触がある。
豊美は歩き始めた。「死んだら終わりなのだ。」
歩いているうちに、森でみた夢のことを少しずつ思い出してゆく。
ドクロの顔をした3人の女。たしか契約、と言っていたと思う。
「お前の心の奥に潜む真実を読んだよ。人並みはずれた野心や欲望、強烈な
願望を持った者にしか森の扉は開かない。
よし。お前の望みを叶えてやろう。契約するかい? 朧の森の木々の根が
女としての武器となり、盾となってくれる。お前の望みは必ず遂げられるで
あろう。」
3人の魔女の予言なんて、まるでマクベス! 豊美はクスッと笑った。
いいよ。やってやるよ。私は森の力を取り込んだ鬼。
私はマクベス夫人のようには決してならない。
罪悪感に陥らない方法はあるわ。
「私をハメようなんざ100年早いんだよっ!」
そう叫んだ途端、眠りから覚めたのだった。
豊美に何か異変が起きたらしい。
それを感じたチセは、同じ被害者どうしのせいだと納得した。
隆子は、豊美に新しい恋人ができたせいだと錯覚した。
もしかしたら、動物的嗅覚でそれを察知したのは、盲目的に豊美に惹かれて
いた新人医師の葉山耕太だけだったかもしれない。
バーカウンターで豊美に言った。
「変わりましたね。僕は前のあなたのほうが好きです。今のあなたの言葉は
僕の心には届かない・・・。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
すべては終わった。
ここは御殿場。豊美が一度死んだ森。
いま目の前には戸谷がいる。
他の女の臭いはすっかり抜け落ちてしまった。いまは自分だけを見ている。
「けっきょくお前が生き、オレは消えるんだな。いいよ・・・それで。
オレがただ一つ後悔してるのは、お前に出会っちまったことだ。」
今だ!! 豊美は思った。
後悔でもなんでも、一瞬でもそんなふうに自分のことで心を満たしてくれれ
ばそれでよかった。「好きも後悔も同じことなのよ!」
そう言い放つと戸谷に近づき、真正面から目を見つめ、その唇を味わうよう
に貪る豊美。
「やっと食べ頃になったわ。先生」
ゆっくりと舌なめずりする豊美の顔が、目が、陶然としている。
そして、その後、戸谷の首に手をかける。
生きる意味を失った戸谷は抵抗すらしない。
「私の恋もこれで終わり。もう執着しないわ。永遠に独り占めするの!」
復讐の鬼となって、ついに望みを遂げた豊美。
慈しみ、愛しながら、一番大事なものを葬ってあげた。
もしも望みが叶えられたら、一番大事なものを失ってもかまわない。
豊美が森の魔女たちと契約したことがそれだった。
木々の根が、一人の男の血をすする音がかすかに聞こえている。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
日本のどこかにあるという、朧の森。
長い時間のあいだに木々の根たちはつながっていった。
御殿場のあの森で、豊美を見つけ、鬼に仕立てた森の力。
女を喰いものにしていたはずの戸谷はあの森で、豊美の餌食となり、豊美の手
で葬られた。いつか豊美も森に取り込まれるときがやってくる。
戸谷に手をかけた瞬間に、一番大事なものは自分だとわかってしまった豊美。
やがて、森から迎えがやってくるのだろう。
でも、まだその時ではなさそうだ。
豊美は森を後にした。謎の笑みを最後に残して。
完
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読んでくださった方、ありがとうございました。
戸谷先生に星野さんの台詞を一部拝借してみました。
読み終わったら、どうかすぐに忘れてくださいねっ!!(笑)
ムンバリさまっ!随分ぬけたよ~~~~と
この前仰ってましたが、まだまだ抜けてないねっ♪
森から一人立ち去る豊美の後ろ姿を
木の陰からそっと(目をギンギンにして・・)見守るムンパリさま・・・。
その手には鉛筆とメモが、握り締められ
こうつぶやくのだった・・・・。
「魂を売ってでも面白いものを書き残してやる・・」
彼女の別の名は鶴屋南北。
・・・・こうして、また、再び話はベツモノへ・・・。
ちなみに私の肩には椿の模様が現れ始めました。
早く助けに来て~~~~ん♪染ちゃん♪
そうか~朧の森の鬼になったのは、豊美ですよね。あのキメ台詞も豊美のものか。でも戸谷センセにも言って欲しかったなあ(目で言ってたからいっか)
そして食べごろになったのは、センセ。いいな~それ♪「行きましょ」の顔は、まさにそうでしたね。
先生、きっと豊美に「殺せ」って言うと思うんですよね。でも「あなたの思いどおりにはさせない」(弦次郎か?)とうすら笑って、一生飼い殺しにする豊美。このスジも捨てられないの~(笑)う~ん、悪女だなあ(誰が!?)
見つかってしまいましたか。覗き見を。
でも、鶴屋南北は母方の叔母の娘のいとこでして。何を隠そう、私は亀屋東西っ!
そして、貴女がつばき♪
(↑えええーーーっ!! 知らなかったよ~、オレ。 by キンタ@友情出演)
女が男に惚れる時、鬼になるのは運命なのね。
だから、豊美もきっと戸谷先生に惚れたばっかりに、最後に鬼になっちゃったのね・・・。
もう何が何やらワカランけど(笑)
「風さそふ 花よりもなお我はまた 春の名残りを いかに戸谷先生♪」
そうそう。「行きましょ」の顔、ライが入ってたでしょう!
究極の独り占めは、食べごろって言うように、ホントに食べちゃうことかもねって思ったんだけど、でも、記事本文中に書くのは控えた。公序良俗・・・(笑)。
> 先生、きっと豊美に「殺せ」って言うと思うんですよね。
> でも「あなたの思いどおりにはさせない」(弦次郎か?)
> とうすら笑って、一生飼い殺しにする豊美。このスジも
> 捨てられないの~(笑)
それ、いいですねー(笑)。「あなたの思いどおりにはさせない」って弦次郎風の台詞、ゾクゾクするなあ。
豊美が証言しているときの戸谷の顔、豊美の考えが読めてフフと笑っているようにも見えるんですよね。愛ゆえにもらした笑みじゃなくて。つまり、この証言以来、戸谷の命は豊美が預かったも同然。まないたの鯉って感じですもんねー。
うーん。生きてる線もありだね。
春なのに戸谷先生を思って鬼になってしまいそうな
自分に身悶えしている
ムンバリさんに返句!
「来ぬ人を 待つ!小屋板と 言い泣きて(涙)
隆也もしも・・・?に 身もこがれつつ」
↑・・・ってこれは、私のことか・・・!
はよ、舞台出て~~~♪
あっはっは。藻塩を焼く歌ですなぁ。うまい~!!
もうかなり焦げてますわね、ワタシたち(笑)。