星月夜に逢えたら

[hoshizukiyo ni aetara] 古都散策や仏像、文楽、DEAN FUJIOKAさんのことなどを・・・。 

白石の読み方@映画「宮城野」

2011-04-15 | 映画「宮城野」
このページでは映画「宮城野」ディレクターズカット版を応援しています。

国立文楽劇場の今月の演目に『碁太平記白石噺』がある。
で、この「白石」はどう読むのか?について。

そこで映画『宮城野』での会話を思い出す。
名無しの女が矢太郎に名前を与えてもらう場面のことはすでに
何度か書いた。その名前が「宮城野」だ。
身内のはずの妹にさえ見捨てられた女が、やっと見つけた自分
の居場所は矢太郎のそば。

こんな重要なシーンなんだけど、実は原作の戯曲にはない。
映画版だけのオリジナルな会話が二人の間で交わされる。

女「あんた、名は?」
男「矢太郎・・・おまえは?」
女「・・・・・・」
男「おまけの命はどうせ名無しか」
女「生まれならあるよ」
男「どこだい?」
女「奥州白石(しろいし)」
男「奥州白石(しらいし)か)」
ニヤリ、したり顔の男=矢太郎。
男「宮城野ってのはどうだ?」
女「宮城野・・・」
男「ああ、揚屋って芝居に出てくる女の名だ」


ん? んんっ?
プレイバック、プレイバック!!

女「奥州白石(しろいし)」
男「奥州白石(しらいし)か)」

約1年前。初めてこの会話を聞いた時、一瞬、矢太郎が台詞を
言い間違えたと思った。いや、ナマの舞台じゃあるまいし。
いまならわかる!

実際にある地名は「白石」と書いて「しろいし」と読む。
宮城野が言った通りだ。
一方、歌舞伎の「碁太平記白石噺 新吉原揚屋」は「しらいし
と読む。矢太郎が言った通りだ。
映画でこのやりとりを聞いて矢太郎といっしょにニヤリ笑みを
浮かべた人が羨ましい。
言いマチガイじゃないの??なんて思ったワタシは無粋者(涙)。

そして・・・
もしかしたら、戯曲にはないこの台詞を言わせたいがために、
矢太郎役は歌舞伎役者でなければならなかったのでは?
なんて邪推するワタシなのだった。


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2 コメント

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ふ、ふ、深い^^; (puspitasari)
2011-04-15 23:36:32
私なんて
全く気づいてなかったんですけど
このシーン好きだったのに^_^;
DVDチェックします(反省)

思えば
「宮城野」との初めての出会いは
昨年3月兵芸でした。
ムンパリさんとすれ違っていたかも…の
あの日(笑)
返信する
puspitasariさま♪ (ムンパリ)
2011-04-17 00:59:20
初めてコメントをいただいたのが「宮城野」の
兵芸上映会のときでしたよね~♪
なんかもっと前からお話させていただいてる
感覚なんですけど(笑)。

これについては歌舞伎ビギナーだからアレ?って
気づいたことかもしれないな、と思います。
白石噺・・・今回は文楽ですけど、この演目を観て
ようやくパズルのピースが1つ埋まったカンジです。
返信する

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