星月夜に逢えたら

[hoshizukiyo ni aetara] 古都散策や仏像、文楽、DEAN FUJIOKAさんのことなどを・・・。 

「私は貝になりたい」試写会♪

2008-11-15 | 演劇・ダンス・映画・音楽・古典・TV

友人のおかげで見ることができました、試写会♪
1958年にフランキー堺さん主演のドラマで話題になった作品。今回の映画は脚本
家が自ら50年前の原稿に加筆し、リメイクとなった完全版とのこと。
アーン、泣きました。ぐじゅぐじゅに。
あの漁師町や断崖の美しい風景を見るたび、豊松の郷愁と重なって・・・。
2008年版では反戦のメッセージはピンポイントではなく、静かに、音楽のように、
映画を見た人の心に沁みて広がることと思います。

「私は貝になりたい」公式サイト
公開は11月22日、いい夫婦の日。




映画 「私は貝になりたい」
日時  11月12日(水)18:30~
開場  御堂会館 

<スタッフ>
遺書・原作:加藤哲太郎  脚本:橋本忍
音楽:久石譲   監督:福澤克雄

<キャスト>
清水豊松:中居正広   清水房江:仲間由紀恵
敏子:柴本幸      根本:西村雅彦   三宅:平田満    
酒井正吉:マギー    健一:加藤翼    竹内:武田鉄矢
西沢卓次:笑福亭鶴瓶  大西三郎:草なぎ剛  小宮:上川隆也
矢野中将:石坂浩二   尾上中佐:伊武雅刀  
日高大尉:片岡愛之助  足立少尉:名高達男  木村軍曹:武野功雄  
立石上等兵:六平直政  滝田二等兵:荒川良々  ほか

<あらすじ>
太平洋戦争まっただ中。
清水豊松と妻房江は夫婦で理髪店をしながら、家族三人仲良く暮らしていた。
そこへ豊松に招集礼状が届く。
配属先で上官のある命令に従ったことが、その後の豊松の運命を大きく変える。
終戦を迎え、元の生活に復帰していた豊松の店に、突然MP(ミリタリーポリス)
がやってきて彼を逮捕する。
巣鴨プリズン(東京拘置所)で待っていたのは裁判の日々。
上官の命令が絶対であった日本軍の事情が理解されず、ほどなく重い判決が下る。
無実を主張し、同房の囚人たちと減刑の嘆願を出すことにした豊松。
面会に来た房江はその思いに応えるため、夫の嘆願署の署名集めに奔走する。
やがて長い裁判を経た末に、ついに豊松は刑を言い渡される・・・。



<家族愛に涙涙の2008年版>
まだロードショー前なので詳細は書きませんが、ネタバレ少しだけあります。
映画の鮮度を保ちたい人はどうか読まないでくださいね。


ドラマ版を直前に見た私の実感は、新旧2つの作品はそれぞれ、よくも悪くも時
代を背負っているということ。
一介の二等兵が、それも理髪師の主人公が、あれよあれよと戦犯になってしまう
悲哀や戦争裁判の不条理をクローズアップした旧作に比べ、2008年版はその部分
を核にしつつも、夫婦愛や家族愛で大きく包み込んだ話になっています。
現代の若い人たちにも感情移入しやすいのは圧倒的に2008年版のほうでしょう。
明確な問題意識をもって描いていたTV版モノクロ映像とは違って、一つの家族の
物語としてドラマチックに見せてくれる映像に、私自身、最後までハンカチを握
りしめたままでした。(ぐじゅ・・・。)

また、拘置所で暮らす囚人の極限状態での人間ドラマはこの作品ならではのみど
ころ。死と隣り合わせの囚人たちを、それぞれの役柄の個性に合わせて見せる出
演者の演技が素晴しい。
主題とは離れますが、個人的に惹かれた映像は巣鴨プリズンと呼ばれたその場所
の見せ方。独房の建物全体を見渡すアングルや光の感じがね。特に、豊松が元の
上官の頭を散髪するシーンの美しさは、二人の関係に思いを馳せながらじーんと
なりました。

もちろん、美しいだけではなく、痛みや苦さを伴った骨太さのある作品。
私が旧作で「え?」と思った部分について、2008年版でははっきりと台詞や映像
で答えを出してくれていたのにはオドロキでした。
戦争、家族、死などについて深く感じることのできる映画だと思います。

<気になるキャスト、贔屓のキャスト>
●中居正広さん
TVドラマの「白い影」や「砂の器」ではその冷淡な表情に時折ドキッとしたもの
ですが。今回はさらに繊細で、豊かな感性がにじみ出ているように感じました。
恋する顔、子供に愛情を注ぐ仕草も、苦悩や不安の様子も、そして最後に見せる
あの表情まで、とても自然で私には新鮮でした。
●仲間由紀恵さん
夫を支える妻と言えば、このひと!(笑)
ただ待つだけではなく、仕事もし、行動も起こす芯の強い女性はまさに適役。

ほかに、豊松とって許されざる上官役の石坂浩二さん、同室の囚人で、豊松に
大きな影響を与える西沢役の鶴塀さん、よかったですねー。
それから草なぎ剛くんにもまいりました。

そして実は・・・この二人が今回のお目当てでした♪(タダのミーハー!)
●上川隆也さん
囚人をありのままに受け入れ、命ある間じゅう支える教誨師という職。
豊松にとっても、ひととき心のよりどころとなる大事な役ですね。
上川さんの大きな魅力である「声」が活かされた役だと感じました。
ドラマ版とは出演のしかたも台詞も大きな違いはないのですが、ラストに近い場
面で、豊松に何か言いたげで、それを言葉に出さず表現するところがこのひとら
しくて、心に残る部分でした。
●片岡愛之助さん
豊松に命令を下す役ですが、中居くんとこんなに絡むとは知らなかった~。
ドラマ版の日高大尉(中隊長)より出演時間も台詞も多く、想定外の登場シーン
にドキドキしました。
大和魂を持った古風な軍人のイメージを貫いていて、愛之助さんの中でしっかり
とした日高像があるように感じました。
台詞そのものよりも、目や体の動きで表現する部分が大きく、歌舞伎役者ならで
はの佇まいがじゅうぶん活かされた役ですね。あの目にもう一度逢いたいです。


コメント (6)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 11月分録画予約メモ(2)... | トップ | お休みのお知らせ♪ »
最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おぉっ! (桜吹雪)
2008-11-15 11:56:56
私は貝になりたいの試写会の感想がアップされてるぅ~!
私も試写会で観て思ったのですが、想像していたより愛之助さんの出番が長かった!もっと一瞬しか出ないんだろうと思っていたら、けっこう中居君と重要な絡みのある役だったですね。
一緒に行った母があの鋭い眼光に本当に驚嘆してました。
今から観に行かれる方はハンカチ、いやタオル持参の方がいいかもしれませんよね。
返信する
ゲリラ更新第2弾です! (ムンパリ)
2008-11-16 01:15:57
桜吹雪さん、えへへ。
ちょっと書き留めておきたくなりました。
おたがいに試写会で早く見られてよかったですね♪
愛之助さんのあの役は本当にうまくはまっていたと思います。
あの眼、いま思い出してもゾクゾクしますぅ~~~。

では中間をとって、ハンカチタオルをおすすめ!(笑)
この映画、できるだけたくさんの人に観に行ってほしいですね。

返信する
見たいかもぉ (どら猫)
2008-11-16 10:00:02
あんまり日本映画はみないどら猫だけど、このエントリを読んでみたくなりました。
時間を作って行ってみようかなぁ。でも、気がついたら上映が終わってたりしてね。よくあるんですよ、そういうの。
返信する
ご無沙汰してます (ぶーぶ)
2008-11-16 16:11:10
ムンバリさん

ご無沙汰してます

ムンバリさんとはご無沙汰ですが、実は毎日こちらには来させていただいてます。


で、映画、ご覧になられたのですね

今回私はパスしようかと思ってたのです。

いや、愛之助さんの演技は観たいんですけど、でもね、愛之助さんの出番が一瞬で判らないのであれば、観にいっても…??って思ってたのですが、ムンバリさんがご覧になって凄かったってことは・・・

正直悩んでます。

今まで何度か映画やドラマでも放送されてましたが、どれも観てません。

何となく、暗いイメージがあって敬遠してたのですが、これを機会に観てみようかなあ

また、観たら感想書かせていただきにきます
返信する
上映時間♪ (ムンパリ)
2008-11-17 00:49:49
どら猫さん、その気にさせました?(笑)
「私は貝になりたい」宣伝部星月夜支部です・・・。
TVドラマ版もご覧になってないなら、ぜひ一度どうぞ♪
これは上映時間が2時間19分なので、普通のお芝居とか
シネマ歌舞伎よりも拘束時間がずっと少なくてすみますよ。
ちなみに上映劇場はここです。えへ。
http://www.toho.co.jp/gekijo/kai/welcome-j.html
ちとゴーインだったかしらん~~~~(汗)。
返信する
ご安心ください(笑) (ムンパリ)
2008-11-17 00:50:56
ぶーぶさん、いつもありがとうございます。
愛之助さんは決して、ちょい役なんかじゃありませんよ~。
映画全体からすれば出演時間は短いですが、中居くんと絡む
重要な役です。
それに、あの目は一見の価値あり!台詞なしの映像にもゾクッ。
とにかくソンはさせませんぜっ。
体感時間としてはそーですね。
「夜桜お染」の音次よりもずっと長いです。
行こう!という気になって頂けました?(笑)

返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

演劇・ダンス・映画・音楽・古典・TV」カテゴリの最新記事