星月夜に逢えたら

[hoshizukiyo ni aetara] 古都散策や仏像、文楽、DEAN FUJIOKAさんのことなどを・・・。 

みほとけの里・若狭(3)常高寺

2015-10-31 | 散策・旅



●常高寺
ここは秘仏公開とは全く関係なく、一度はお参りしたかったお寺。
浅井3姉妹の次女、お初ゆかりの場所だから。



山門の見える大きな石段の下を迂回して、小さなトンネルをくぐり
抜けて坂道を登ってゆくと門前に着いた。



長女の茶々と三女のお江については若干の知識はあるが、お初に
ついては、京極高次に嫁いだことと、大坂夏の陣で徳川家と豊臣家の
間に立って和議の交渉をしたこと以外あまり知らない。
お初と小浜の関係についてごく簡単にかいつまんでみると・・・



大津城の城主だった京極高次は、関ヶ原の合戦の功により若狭八万
五千石を受領。小浜城主となり、お初とともに小浜の地に入った。
1609年、高次が病のため小浜城で他界したため、お初は剃髪して
常高院となる。その後、大阪冬の陣・夏の陣で和議の交渉にあたる。
晩年を江戸で過ごすも、1630年、夫の菩提を弔うため小浜に寺建立を
発願。1633年、寺晋請半ばに京極家の江戸屋敷にて没す。
お初のお墓は小浜の常高寺の境内にあり、夫高次とお初の位牌も
寺内にある。

では、高次のお墓はどこに?? 
なぜだかどうでもいいことが気になるんですけど~。
もしかして夫婦の墓所は別々?
前に滋賀県で高次のお墓にお参りしたことがあり、二人の墓所が離れ
ている理由を知りたくなったので自分なりに整理してみる。

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滋賀県の清瀧寺徳源院に京極家の菩提寺がある。19代高次は京極家
の中興の祖として、石製の霊屋の中に宝篋印塔がおさめられている。
Wikipediaによれば、もともと小浜の「泰雲寺」が高次の菩提寺だった
そうで、お初が亡くなった後に、息子の京極忠高が若狭から松江へ転封
となり、出雲の寶亀山安國寺に父・高次の供養塔を建立したとのこと。
その宝篋印塔は今もあるそうだ。
その後、高次の子孫である高豊が、散在していた墓を清瀧寺徳源院に
集め、整備したのが1672年。



徳源院にある高次の墓は歴代の中でも特別感がある。
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ナルホド、松江の供養塔も滋賀県の墓もお初が世を去った後の話なのだ。

いずれにしても、高次のお墓がどこにあろうと、実はお初は高次ととも
にいることが感じられてあったかい気持ちになる。
それは「常高院」という院号にこめられたお初の思い。
これって常に高次さんとともにある、という意味でしょ?と勝手に推測。
高次が亡くなった小浜の地でお初もともに眠っているんだな、と。




お寺の境内から階段を上がり、国道の上を渡ってさらに奥に進むと
お初のお墓があった。(お墓は国道から直結していて車で行ける。)
ここではお初の宝篋印塔と向かい合って7人の侍女のお墓もあり、
まるで会話をしているかのようなレイアウトになっている。お初の
背後を囲むようにあるのは常高寺で得度した尼僧たちのお墓だそう。
その感じがどこか微笑ましく、全然さびしくなさそうだった。

順序が後になったけれど、もちろん建物内の拝観もできる。
こちらで見ることができるのは、常高院肖像画、お初の自筆の遺言
(かきおきのこと)、徳川幕府の朱印状、お位牌、狩野美信による
書院障壁画など。大河ドラマ出演時に水川あさみさん、斎藤工さんが
それぞれお寺を訪れた際の写真も展示されていた。

特に京極忠高に宛てた自筆の遺言「かきおきのこと」にはちょっと感動。
自分の死後に侍女たちが尼寺(常高寺)に住めるよう、また小姓たちの
身の振り方について等、周囲の人たちへの気遣いに満ちたお初の終活、
エンディングノートと呼べるもの。(この部屋は撮影OKでした)
素敵だ、お初さま。




仏像拝観もよかったけれど、戦国時代のこんな秘話にも触れられる
小浜というまちの奥行きの深さ。魅力。まだまだ何度も来ないとね!
魅力といえば、まだ小浜でちゃんとしたお店で鯖寿司を食べていない。
秘仏拝観ってけっこう時間をとるからね。






●八幡宮、八百比丘尼

八幡神社。毎年9月に放生祭があり、各地区から山車が出るそうだ。


800歳まで生きたとされる八百比丘尼の入定地。
いろんなものがありますねー!


みほとけの里・若狭(1)安楽寺
みほとけの里・若狭(2)高成寺と栖雲寺

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