毒まんじゅうはいかが?

CDのレビューとかなんとか

Piece of Mind/Iron Maiden

2015-03-27 23:58:48 | レビュー

<List>
1. Where Eagles Dare" (Harris) - 6:10
2. Revelations" (Dickinson) - 6:48
3. Flight Of Icarus" (Smith,Dickinson) - 3:51
4. Die With Your Boots On" (Smith, Dickinson, Harris) - 5:28
5. The Trooper" (Harris) - 4:10
6. Still Life" (Murray,Harris) - 4:53
7. Quest For Fire" (Harris) - 3:41
8. Sun And Steel" (Dickinson,Smith) - 3:26
7. To Tame A Land" - (Harris) - 7:27
 
<Member>
・Bruce Dickinson(Vocal)
・Dave Murray(Guitar)
・Adrian Smith(Guitar)
・Steve Harris(Bass)
・Nicko McBrain(Drums)

1983年の4th。Bruce Dickinson加入後2作目であり、ドラマーがClive BurrからNicko McBrainに代わりました。前任者と比べるとタイプが全然違います。Clive Burrが前のめりで走るタイプだとすれば、Nicko McBrainは正確なタイム感を優先させる中、フィルを入れるタイプです。以後の作品群を考えるとSteve Harris、Nicko McBrainのリズム隊の方が良かったのかもしれません。
 
このアルバムをIron Maidenの作品群の中での位置づけで考えると、バランスが良く安定している、つまりIron Maidenらしさが色濃く出ていると思います。なので「Iron Maidenはどんなバンド?」と聞かれた場合はこのアルバムが最適かもしれません。
 
特にライブで頻繁にチョイスされた"Revelations"、"Die With Your Boots On"、"The Trooper"は良い曲です。個人的には加えてポップな"Sun And Steel"を推したいです。
 
このアルバムに水を差すのは"Still Life"の始まる前に多分テープの逆回しを使ったトリックだと思うのですが、下らないメッセージが入っている事でこのアルバムの品格を下げています。こんな幼稚なことはいい大人がやる事ではありません。
 
暫くはこのメンバーで定着し、名盤を連発します。やはりこの5人の頃が一番良かったのだと思います。もう一人は要りません。


The Years of Decay/Overkill

2015-03-27 00:09:15 | レビュー

<List>
1. Time to Kill
2. Elimination
3. I Hate
4. Nothing to Die For
5. Playing with Spiders/Skullkrusher
6. Birth of Tension
7. Who Tends the Fire
8. The Years of Decay
9. E.vil N.ever D.ies

<Member>
Bobby "Blitz" Ellsworth(Vocal)
Bobby Gustafson(Guitar)
D.D. Verni(Bass)
Sid Falck(Drums)
 
1989年リリースの4th。ジャケットは髑髏蝙蝠(ドクロコウモリ)の館。
 
2ndの"Taking Over"、3rdの"Under the Influence"、"The Years of Decay"と並べた時、2ndと3rdの間に音楽的飛躍が伺えます。この4thは3rd同様安心して聴く事が出来ます。ただ、Bobby "Blitz" Ellsworthの声のクセがダメな人にはダメでしょう。
 
クセのあるBobby "Blitz" Ellsworthのボーカル、特徴的な太くてバリバリいうD.D. Verniのベースが彼らの基礎でしょうが、楽曲へ色を添えているのはBobby Gustafsonのギターだと思うのです。実はこの後は音楽的趣味が他に移ってフォローしていないのですが4thアルバムリリースした後Bobby Gustafsonは脱退、バンドはギターを2人加入させてツインギターとしたそうですが、どうもあまり評判が良くないようです。
 
一本調子にならないよう、いろいろ工夫している事が判ります。ファストなスラッシュナンバーから始まり、"Playing with Spiders/Skullkrusher"では複雑かつドラマティックな大作に挑戦しています。
 
そしてアコースティックギターをバックに"The Years of Decay"がこのアルバムの中で異彩を放っています。途中から曲調がスラッシュメタルに変わります。
 
そして最後は複雑な曲展開を見せる"E.vil N.ever D.ies"で締めます。
 
この作品を最後に脱退するBobby Gustafsonは今何をしているのでしょうか?


The $5.98 E.P.: Garage Days Re-Revisited/Metallica

2015-03-25 22:38:07 | レビュー


<List>
1. Helpless(Diamond Head)
2. The Small Hours(Holocaust)
3. The Wait(Killing Joke)
4. Crash Course in Brain Surgery(Budgie)
5. Last Caress~Green Hell(Misfits)

<Member>
・James Hetfield(Vocal, Guitar)
・Kirk Hammett(Guitar)
・Jason Newsted(Bass)
・Lars Ulrich(Drums)

1987年リリースのカバーアアルバム。Cliff Burtonの後任ベーシストとしてのJason Newstedのデビュー作です。

知る人ぞ知る少ないマニアックな選曲です。私も知らない曲です。でも魅力的な曲が集まっています。オリジナルの楽曲と思えばいいですよ。違和感ありませんから。

MetallicaはDiamond Headのカバーは良くやりますが、原曲はこんなに切れ味がいいのでしょうか?おそらくもっとかったるいのではないでしょうか?曲も長い。完全にMetallicaの楽曲の様になっています。そして、この曲のギターソロは上手いですよ。まだ悟兄先生に教えを乞うていた頃でしょうか?Kirk Hammett上手いじゃないですか。何度もテイクを録音して一番良い物を選んだのではなさそうですし。このアルバム通じて上手いので感心してしまいます。

このアルバムはどのような制作過程を経たのか解りませんが、スタジオ一発録りらしいです。個々で録音した物をミックスしたのか
、いわゆるスタジオライブ録音なのか。もうデジタル録音なのでミックスの過程で音が悪くなることはありませんので判りませんが、音も良いじゃないですか。それにだらけることなくキチッとまとめてありますので「お遊び」には聴こえません。

そしてこのアルバムで特筆すべきは考察する順序は違いますが、Jasonのベースの音が聴こえる。いや、理想的なバランスで存在感を発揮しています。いいじゃないですかこれで。"...And Justice for All"の薄っぺらいプロダクションよりずっといい。短いベースソロもあり、存在感を示しています。願わくばこのバランスで"...And Justice for All"をリミックスして欲しいなぁあ。YouTubeを
検索するとベースを改善した"...And Justice for All"を聴く事が出来ます。

それと、このアルバムは"Am I Evil ?"がボーナストラックとして収録されている"Kill 'Em All"と共に廃盤となりました。中古品が高値で売買されている(売ろうかなぁ?)ようです。そして、その救済策ではありませんが"Garage Inc.(2008)"に統合ざれました。
私はそれは聴いていませんが、2枚組CDで素晴らしい様ですね。それをするのであれば"The $5.98 E.P.: Garage Days Re-Revisited"はこれはこれで完成度が高いので残して置いて欲しかったと思います。収録時間が短い事も良い結果をもたらしています。



Red/King Crimson

2015-03-24 23:02:32 | レビュー

<List>
1. Red
2. Fallen Angel
3. One More Red Nightmare
4. Providence
5. Starless

<Member>
・Robert Fripp(Guitar, Mellotron)
・John Wetton(Bass, Vocal)
・Bill Bruford(Drums)

1974年リリースの7th。アルバムアートは多分各々が自分の姿をジャケットに収めたくないと考えるのではないかと思われるメンバー3人の顔写真です。それまでのKing Crimsonではあり得ない事です。これが何を暗示していたのでしょうか?しかしカッコイイですね。
 
まず、このアルバムはあまり音が良くないのではないでしょうか?へヴィーメタルを引き合いに出されるインストゥルメンタル"Red"は、同様な評価の"Larks' Tongues in Aspic, PartⅡ"よりかなり音がこもって抜けが悪いです。それがこの作品を良いものにしているのかもしれませんが。

当時この3人によるライブパフォーマンスは当然残っていないと思うのですが、"Discipline"~"Beat"~"Three of a Perfect Pair"時代のライブアルバム"Absent Lovers"で随分陽気な"Red"をようやく聴く事が出来ます。これは音が良いです。"Absent Lovers"は良いライブアルバムです。

"Fallen Angel"、"One More Red Nightmare"もとても良い曲なのですが、ゲストメンバーに依る部分が多いですね。特にIan McDonald。
これらのマテリアルがライブで演奏されなかったのはとても残念です。
 
"Starless"は収録以前からライブで演奏していてライブアルバム"The Great Deceiver"で歌詞が違いのバージョンを聴く事が出来ます。メロトロンで始まるイントロの途中からDavid Crossのバイオリンが割り込んでくるソロを代わりにRobert Frippの太くこもったギターが奏でています。こっちの方が心にグッときます。ここでのJohn Wettonの歌はKing Crimson在籍時の中で一番良いですね。青臭さが完全に消えて。
 
この曲はJohnの歌もとても素晴らしく、文句なしの名曲なのですが、後半のインストゥルメンタルに比重があるのだと思います。歌が終わり、ゆっくり、徐々に盛り上がり、攻撃開始。ものすごくテンションが高く、リズムも複雑です。ここではMel Collinsが大活躍。いずれにしてもアルバムを通じて管楽器に依る部分が多いですね。

"Starless and Bible Black"の言葉の元にバンドの葬式をしたようです。合掌。King Crimsonは本当にこのアルバムを以て終わりにした方が良かったのかもしれません。伝説になっていたでしょう。
 
しかし、当時のJohn Wettonはカッコイイですね。


Countdown to Extinction/Megadeth

2015-03-23 22:00:55 | レビュー


1. Skin o' My Teeth
2. Symphony of Destruction
3. Architecture of Aggression
4. Foreclosure of a Dream
5. Sweating Bullets
6. This Was My Life
7. Countdown to Extinction
8. High Speed Dirt
9. Psychotron
10. Captive Honour
11. Ashes in Your Mouth


・Dave Mustaine(Vocal, Guitar)
・David Ellefson(Bass)
・Marty Friedman(Guitar)
・Nick Menza(Drums)

1992年リリースの5th。それまでのMegadethの音楽性から大転換を図った作品です。それが功を奏し、ビルボード2位という輝かしいヒット作となりました。商業的に一番成功したアルバムではないかと思います。

まず音質がとても良いこと。各楽器の音の分離が良く、非常にクリアー。ギターの弦を指が滑る音やミュートした音がとてもリアルに感じ取れます。

加えてDave Mustaineのボーカルを正面に据えた事。この頃のDaveはボーカリストとしても非常に説得力のある声をしており、それを生かしたプロダクションとなっております。Dave自身、自分の声に自信を持ったのではないでしょうか。

それと曲構造の変化。かなり真っ当でストレートな曲ばかりになり、それまでの複雑で焦燥感を与えるようなリフは減ってしまいました。
 
特にそれらを感じさせる曲は"Sweating Bullets"です。これはMTVで盛んにオンエアーされていました。それまでのMegadethではありえない曲だと思いますが、ボーカリストとしてのDaveが堪能出来ます。

このアルバムではあまり速い曲は「これ」というものは少なく、ミドルテンポの曲に良い曲が多いです。"Foreclosure of a Dream"、"Countdown to Extinction"、そしてこのアルバムで一番良い曲はどう考えても"Ashes in Your Mouth"です。攻撃的かつ展開も複雑でメロディーも秀逸です。
 
メジャーになるというのはこういう事でしょうか?富も含め、得た物はとても多いですが、失ったものも少なくありません。