毒まんじゅうはいかが?

CDのレビューとかなんとか

Once Around the World/It Bites

2015-03-10 20:59:40 | レビュー

<List>
1. Midnight
2. Kiss Like Judas
3. Yellow Christian
4. Rose Marie
5. Black December
6. Old Man and the Angel
7. Hunting the Whale
8. Plastic Dreamer
9. Once Around the World

<Member>
・Francis Dunnery(Vocal, Gitar)
・John Beck(Keybord)
・Dick Nolan(Bass)
・Bob Dalton(Drums)

1988年リリースの2nd。このアルバムが一番プログレッシブ・ロックへの接近が強いとされていますが、それは最後の曲が14分もの大作だからでしょう。判り易いですからね。私には1作目の延長だけれども曲作りが洗練された感じがします。
 
うーん、It Bitesはプログレバンドには違いないのですが、直接似ているバンドは思いつきませんね。プログレバンドが他のバンドに似ていてはいけないのですが。とても普遍的な価値のある曲を提供しているとは思いますけど、他のプログレバンドのような奇抜さもないし、演奏技術も難しい事を軽々とこなしているのでスムーズ過ぎることが逆にテンションの高さを感じさせず、あまり物事を深く掘り進んで追求しない方々には普通のポップソングにしか聞こえないかもしれません。

このアルバムは楽曲をより洗練させてリリースしました。そしてそれは一部の熱烈なファンは生んだけれども、他の打ち込みポップアーティストの中に埋没したようで、レコード会社もどうやって売ったらいいか答えが出せなかったに違いありません。もっとハード路線を追求したくなったFrancis Dunneryは苛立ちを隠せなくなり3rdアルバムを最後に脱退したのでしょう。
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全ての曲がとても良いのですが、"Kiss Like Judas"、"Yellow Christian"、"Old Man and the Angel"、そして大作"Once Around the World"辺りが代表曲なんでしょう。とは言え「ライブで良く演奏される曲」という話ですが。

どうでしょうねぇ、どうしたらこのアルバムにスポットが当たるでしょうか。わかりません。