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CDのレビューとかなんとか

Yngwie J. Malmsteen's Rising Force

2015-03-06 22:08:26 | レビュー

<List>
1. Black Star
2. Far Beyond the Sun
3. Now Your Ships Are Burned
4. Evil Eye
5. Icarus' Dream Suite Op.4
6. As Above, So Below
7. Little Savage
8. Farewell

<Member>
・Yngwie Malmsteen(Guitar, Bass)
・Jeff Scott Soto (Vocal)
・Jens Johansson(Keyboard)
・Barriemore Barlow(Drums)

1984年の初ソロアルバム。1984年にYngwieは20歳かそこらの筈なので如何に彼が早熟であるか恐ろしくなります。作曲もアレンジも彼が独りで務めたのでしょうから。
 
Yngwieのアルバムは全部聴いた訳ではないので断言は出来ませんが、この1stアルバムが彼の最高傑作で間違いないと思います。頭を強く打ってからはどうもいただけません。
 
"Black Star"のイントロからしてこれは非常にクラシックに精通した方だと思わせますが、1曲目からやってくれます。以降の速弾きギターリストのお手本となっ た対位法を用いた速弾きを聴く事が出来ます。彼が発明したと言っても良いでしょう。ライブでは再現出来ませんが。

"Far Beyond the Sun"は速弾きを曲の中に上手く取り入れた彼のマスターピースです。速弾きをするギターリストは沢山いますが、彼のメロディーは弾くのが難しい速弾きで す。Jens JohanssonはYngwieと伍する程の速いキーボーディストです。少ない人脈で良くこんな素晴らしいキーボーディストを見つけたなと思います。

"Now Your Ships Are Burned"でやっとボーカリスト登場。"Jeff Scott Soto"はこれがデビュー作でしょうが、上手いし、音楽性に合っています。彼はRonnie James Dio系ですね。

"Evil Eye"はこれでもかという程速弾きを披露しています。最後にJens Johanssonと競うように盛り上がっていくのが聴き所ですね。

"Icarus' Dream Suite Op.4"を聴くと、曲のストラクチャーから彼がいかにプログレッシブ・ロックの影響下にあったかが解ります。子供の頃Genesisを聴いていたという し、U.K.やKansasの曲をカバーしていましたね。そう、Rushも。

"As Above, So Below"で再度登場のJeff Scott Sotoはお役御免。お疲れ様。また次のアルバムでね!

"Little Savage"もアクセル全開で速弾きだらけの曲です。

そしてアルバム冒頭のメロディーで最後を結びます。プログレッシブ・ロックバンドが良く使う手法ですね。

総括すると、クラシック音楽に非常に精通していないとこれ程のアルバムは制作できないです。そして、余計なエフェクトを掛けずに制作されたことが神聖な感じすら与えます。

残 念なことは、Barriemore Barlowのドラムがとても表情に乏しい事。ひょっとしたら、Yngwieに余計な事をするなと抑えられていたのかもしれませんが。それとYngwie 自身の弾くベースがブーミーであること。プロダクションにお金が掛けられなかったからでしょうか?誰も文句が言えなかったからでしょうか?
 
いずれにしても繰り返しになりますが、20歳かそこらの青年がこのような作品を作った事は非常に驚きです。そして、この作品以上の物を作るのは今の彼には無理でしょう。
 
まずは痩せなきゃ。