<List>
1. Watcher of the Skies
2. Time Table
3. Get 'Em Out by Friday
4. Can-Utility and the Coastliners
5. Horizons
6. Supper's Ready
) Lover's Leap
) The Guaranteed Eternal Sanctuary Man
) Ikhnaton and Itsacon and Their Band of Merry Men
) How Dare I Be So Beautiful?
) Willow Farm
) Apocalypse in 9/8
) As Sure As Eggs Is Eggs
<Member>
・Peter Gabriel(Vocal, Flute)
・Tony Banks(Keybord, Guitar)
・Steve Hackett(Guitar)
・Mike Rutherford(Bass)
・Phil Collins(Drums)
1972年リリースの4th。Peter Gabriel当人が在籍時の作品の中ではこのアルバムが1番良いと言っていたようです。確か、逆モヒカンにしていた頃ではないかと思います。変な格好や被り物が一層エスカレートしていったのはこの頃です。
確かに次作の"Selling England By the Pound"と比べるとPeterのやりたい放題で、ミックスもボーカルが前に出ています。特に"Supper's Ready"ではそれが顕著です。
そんな中にあって、最初の2曲はまだ真面目で端正に聴こえます。"Watcher of the Skies"はアグレッシブな曲です。Tony Banksのハモンドオルガンを中心に添え、ベースとシンクロして「ダダダダッ、ダダダー」という感じです。"Time Table"は本当に端正で優しいバラード。とても品行方正な曲です。
"Get 'Em Out by Friday"辺りから怪しくなっていきます。もうPeterのやりたい放題。この曲は"Selling England By the Pound"の前にリリースされた"Genesis Live"にも収録されています。
Steve Hackettの短いクラシカルなギター"Horizons"を挟み、もう訳が解らない"Supper's Ready"に突入。Peterが暴れまわります。詩世界もかなり訳が解らないです。20分以上の長いこの曲はジェットコースターに乗せられているような突拍子のない展開。そんな中、意外にもイントゥルパートがとても冷静かつしっかりしています。演奏している他のメンバーはPeterが奇抜な格好や被り物で暴れまわるのを横目でみながら何を思って演奏したのでしょうか。とてもテクニカルです。特にPhil Collinsの細かい技に感銘を受けました。
この曲は1回聴いただけでは訳がわかりませんから、何度も聴いてから判断しないとその価値は見いだせないでしょう。何度か繰り返し聴くとようやく輪郭が掴めるようになりますので。
Peter在籍時のGenesisにおいてもっともバンドの特質を表し、傑作と推しても間違いない作品です。
しかし真面目な方がライブパフォーマンスを見るとドン引きでしょう。