つれづれ雑記

つれづれ:することが無くて退屈なこと
雑記:日常のことを何でも書きつづる

東北ドライブ⑩ 大槌

2012-05-27 | 災害
昨年4月に町の南の鵜住居(うのすまい)地区に初めて入ったときは、写真で見た空襲のように、町全体が爆風で吹き飛ばされたかのような荒涼とした光景に息をのんだ。 4階建ての鉄筋アパートは3階まで全室空っぽになり、飴のように曲がったレールの上に2階建ての家屋が横倒しに乗り上げ、木の枝に車が引っかかり、津波の力のすざまじさに声も出なかった。 今は広々とした更地に瓦礫処理の建設機械だけが動いていた。

家財の運び出しをしたお家は2階建てだったが、新しく平屋の家に建て直していた。 1階の家具を全部運び出し、水で重くなった畳を運び出し、床下の泥をかき出したりしたが、結局元通りには住むことができなかったようだ。 何とか助かったと思った家も多くは再び住むこととが出来なかったようで、歯抜けになった更地がたくさん出来ていた。 住民の多くは高齢者なので、今から新しく家を作ることも考えにくいのだろう。

町の北側は吉里吉里地区で、高台の駅の周りは前に来た時のままだが、低地の海岸沿いは全滅していた。 海に張り出した広々としたのどかな公園があったが、今は近づくことも出来ない。 この町は実に多くのものを失った。

ボランティアが集まった大槌の運動公園


運動公園の一画は仮設店舗が出来ていた


4月に泥出しをしたお家 今は新しく平屋に建て直されていた

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