つれづれ雑記

つれづれ:することが無くて退屈なこと
雑記:日常のことを何でも書きつづる

わが母の記

2012-06-02 | 映画
作家は子供の頃、家族と離れて親戚に預けられたのは母から見捨てられたと思い込んでいた。 しかし家族が外国に行くことになり万一の場合でも血筋が残るように、最も忍耐強く生きる力のある自分を残した、ということを妻から初めて聞く。 母も子供に申し訳ないとの遠慮から、その後もずっと直接本人には本当のことを言えなかったのだ。

認知症が進み会話がかみ合わなくなってしまうが、突然母は作家が子供の頃作った詩を諳んじて話し出す。 詩を書いた古い紙は母の財布の中に大切に仕舞いこまれていた。 子供がとっくに忘れていたことを親は大切に覚えていて、何かの時に子供がそれを知り、親の深い愛情に初めて気付くというのはよくあるストーリーで、確か「おくりびと」もそうだった。

まあそんなことよりも、高齢の親、認知症、介護、家族の絆、というテーマは現代の多くの人に当てはまる。 私もまたその1人。 自分の経験と重ね合わせて観ていたが、とても共感できた良い映画だった。 スタッフや役者がいずれも一流の人たちで、演技、映像、音楽ともにとても素晴らしかった。


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