映画道楽

人生をいう道を楽しむために楽にするために映画を楽しみます。

硫黄島からの手紙

2007年01月19日 | Weblog
 私は先週の金曜日にようやく「父親たちの星条旗」を観て「硫黄島からの手紙」を観る準備をしていました。するとゴールデングローブの外国語映画賞を受賞したクリント・イーストウッド監督が「渡辺謙に感謝する」とインタビューで言っていた記事を見て妻が観たいと言い出し、受賞の翌日、さっそく夫婦で劇場(中洲に大洋)に出かけました。妻は銃や爆発音が大の苦手なので、戦争映画は苦手なはずですが、好奇心のほうが勝ったようです。音が大きなところでは耳を塞いでいました。夫婦二人で久々の映画鑑賞、かなりシビアな内容ですが、ときにはタメになる映画もいいものです。

 外国人が日本を舞台にして撮った映画、「ラストサムライ」、「SAYRI」、「ワイルドスピード3」を観ると違和感を覚えずにはいられません。日本人にそういう奴はいない、ないよそんなとこみたいな。それに比べると「硫黄島からの手紙」に違和感はない。クリント・イーストウッド監督は日本をしっかり理解して作品を作ってくれた。敬意と感謝を述べたくなります。「ありがとう、クリント!」

 ちょうど一年ほど前、「クリント・イーストウッドの次作は南京大虐殺」、そんな衝撃的なニュースが流れました。日本兵が中国人を大量に虐殺した事件。国内では数万人、海外では数十万人という犠牲者が出たという説があります。そんな大事件の映画をクリント・イーストウッドが作れば、世界に与える影響は大きく、日本のイメージは大きく損なわれ、日中関係に影響を与えることは避けられない、とメディアは騒ぎ立てました。

 ところが、このニュースはデマだったのです。意図的に誰かが流した嘘の情報でした。映画制作は本当の話だったようです。その映画は違う監督で作られ今年の2月に開かれるサンダス国際映画祭で初公開されることになっています。ほかにも今年は中国・陸川監督の「南京!南京!」やスタンリー・トン監督の「日記」、アイリス・チャン著「レイプ・オブ・ナンキン」を米英中の合作で作るそうです。

 デマは「南京」の宣伝に使われたのでしょう。アメリカ国内の中華系反日活動家の仕業と言われています。真意は日中間に不和をもたらすことです。アメリカは日本と中国が仲良くなってほしくない。手を組んで東アジアの覇権を握られることを嫌がっているようです。映画にそんな力があるとは思えませんが…

 南京大虐殺を扱った映画が今年次々に公開されるのも、やはり「硫黄島からの手紙」の影響でしょう。話題に乗っかって宣伝しようという算段でしょう。そういう輩は映画ビジネスが盛んな国には多いようです。たかが映画の世界の話なので、そういった作品は機会があれば、ぜひ観てみたいですね。

 私は硫黄島の戦いをこの映画を観なかったら知らなかったでしょう。映画を観ることで、あるいは本を読むことで歴史を知ることは、そこから学ぶべきことが多くあります。アメリカと日本は仲良くしなくてはいけない。もちろん中国とも韓国とも。北朝鮮とさえも。意見の相違があっても決して戦争をしてはならない。だって嫌でしょう。「硫黄島からの手紙」を観れば、戦時に生まれなくて良かった。平和な世に感謝したくなります。いまの平和は亡くなった多くの人の命が築き上げたもの。感謝すべきです。感謝する気持ちがある限り、争う気持ちにはならないはずです。そんな当たり前のことが、分からなくなるから戦争になるのでしょうけど…
 
 来月、アカデミー賞の発表があります。作品賞、監督賞は無理でしょうが、外国語映画賞はぜひ受賞してほしいものです。渡辺謙、二宮和也は候補にあがれば映画ファンとしてはうれしいですね。候補にならなくても渡辺謙に続き二宮和也は世界に認められる俳優になるでしょうけど。

最新の画像もっと見る