映画道楽

人生をいう道を楽しむために楽にするために映画を楽しみます。

三池ワールド炸裂!「妖怪大戦争」

2005年07月27日 | Weblog
「妖怪大戦争」と「宇宙戦争」、公開時期、タイトルからしてスピルバーグに真っ向勝負の三池監督。いやぁ、凄かった。笑えた。面白かった。とくに最後は…観てください。面白いです。怖くはありません。あっ、出だしはちょっと怖いかもしれません。苦手ならば目をつぶっていましょう。中盤から後半ははじけています。この映画を語ったら夜が明けるほど長くなりそうです。それから、「あずきは好きですか?この作品を観たら、あずきと赤飯が食べたくなります」とは舞台挨拶時の三池監督の弁。これは映画をより楽しく観ることができキーワードです。

推薦作!NANA

2005年07月26日 | Weblog
 9月3日から東宝系で公開される「NANA~ナナ」を試写室で観てきた。原作は少女コミックで有名らしいが、まったくおじさんはその方は疎いので知らなかった。いや、正直言ってまったく期待していなかったけど、観ているうちにグッとこみ上げてくるものがあって、涙流しがら感動してしまった。ナナ役の中島美嘉はハマリ役。奈々役の宮崎あおいはかなり良い。昨年の「下妻物語」を観たときのような拾い物(失礼)のようなお得感があり、感動はそれ以上でした。ぜひ、機会がれば観てほしい。お奨め作。
 カンヌには2回ほど行っているようだけど、まったく僕は知らない女優だった。「いぬのえいが」に出演していたらしいが、どんな役柄なのかさっぱり覚えていない。そこで宮崎あおいの過去の作品を観てみた「ユリイカ」、「ラブドガン」、「青い車」。こうしてみるとアート系の映画ばかり、たぶん、「NANA~ナナ」は初のメジャー系映画への出演になるのかも。

試写室便り

2005年07月26日 | Weblog
「鋼の錬金術師シャンバラを征く者」(7月23日松竹・東急系にて公開)を公開直前になって試写で観た。こちらは少年漫画の原作。このシリーズは日本だけじゃなく、タイの子供たちも読んでいる。男の子は国籍、今昔問わず、この手の話が大好きなのですなぁ。

「マダガスカル」の字幕版を観た。主役がライオンで、シマウ、にキリン、カバのカルテットはいい感じ。そしてテロリストがペンギンと例えたところが面白いじゃないですか。子供も大人も楽しめる一作です。

「ノロイ」、映像作家小林雅文氏って誰?えっ、本当の話、それとも嘘。と思いながら観ると面白い。でも業界筋の人は3分でわかるよね。でも公開までは、それ以上はバラせない。

「頭の中の消しゴム」、10月下旬公開。アルツハイマー病が発病した若い夫婦の愛を描く作品。ツボにはまれば号泣もの。「四月の雪」に出演しているソン・イェジンがヒロイン。
 ソン・イェジンといえば「ラブストーリー」、「マラソン」のチョ・スンウと共演。題名の如く珠玉の韓国青春ラブストーリー、これは泣けたなあ。我妻のお気に入りの映画。彼女曰く「ソン・イェジンは吉永小百合に似ているね」、その言葉通り、透き通るような美しさと可愛らしさを持った女優。監督は「猟奇的な彼女」のクァク・ジェヨン。恋愛映画はうまい。それとチョン・ジヒョンをもっとも美しく撮る。
 「猟奇的な彼女」のチョン・ジヒョンと共演したチャ・テヒョンとソン・イェジンが共演したのが「永遠の片想い」。故イ・ウンジュも共演。おとなしく可憐なソン・イェジンに対して、活発な女の子を演じたイ・ウンジュ。二人は親友で同じ男の子に恋をする。この作品ではソン・イェジンよりもイ・ウンジュの健気さが強く印象に残った。その後イ・ウンジュは「ブラザーフッド」、「スカーレットレター」などに出演。そして自らの命を絶った。
 で、話を戻そう「頭の中の消しゴム」、僕は泣けませんでした。これは好き嫌いの問題なので、批判するつもりはないのだけど、どうして納得できないのが若年性アルツハイマー病を題材にした理由とコーラの小道具とファミマが舞台になった意味。これはどう説明されても納得いかないかも…

「リンダリンダリンダ」は、「ほえる犬は噛まない」、「子猫にお願い」などのペ・ドゥナが出演した日本映画。「ローレライ」の香椎由宇、「チルソクの夏」の三村恭代らも出演した女子高生バンドの話。タイトルから連想するのはブルーハーツの1986年のヒット曲。その頃僕は大学生だった。自主制作映画から離れ復学して卒業するべく一生懸命単位をとっていました。監督は「ばかのハコ船」の山下敦弘(28歳)。
 さて「リンダリンダリンダ」舌を噛みそうなタイトルだけど、女子高生版「アメリカングラフィティ」のようでした。よくペ・ドゥナが出演をOKしたよね。いやあ、それだけでももう観る価値ありです。ペ・ドゥナのファンは日韓に多いでしょうから。ペ・ドゥナは1979年生まれ、かなり女子高生役としては無理があるのではと思うかもしれないけど、違和感なしでびっくり。出演者はみんな普通の女子高生だけど、ただ一人浮いていたのが香椎由宇。目鼻立ちがはっきりしすぎて普通じゃない。三村恭代はいいね。うん、気に入った!

「宇宙戦争」

2005年07月24日 | Weblog
 「宇宙戦争」をカウントダウン上映会で観た。6月29日午前0時。司会のカウントダウンに観客が声を合わせ、「…3,2,1」、場内が暗くなって、いよいよ始まると思った瞬間に出てきたのは、ピター・ジャクソン(アカデミー賞の授賞式のときよりも痩せていた)そして「キングコング」の予告編が始まった。ちょっと肩透かしをくらった気分になった。そしていよいよ本編のスタート。
トム・クルーズが港湾労働者として働いている場面があって、低所得者の人が住んでいる界隈。そこで異変が始まる…

 上映終了後、若い女性のグループが、「ジェット・コースターに乗っているような映画やったね」、「家族愛って大切だよね」と興奮して語っていた。やはり感動作であることは間違いない。

 「宇宙戦争」は未知との遭遇、ET、と並べ三部作ととらえたくなるが、これは戦争を描いたプライベートライアンに近い。じわりじわり沸きあがる恐怖感はパニック系のジョーズ、ジェラシックパーク。父親像を描いたところはシンドラーのリスト。さらにジョン・フォードの映画の影響か。いずれにせよ「宇宙戦争」はスピルバーグらしいエンターティメント性に満ちた人間ドラマと言える。

 それにしても、「未知との遭遇」と「ET」の宇宙人が地球に敵意なく友好的に描かれていたのに、スピルバーグは今回、なぜ宇宙人を敵として描いたのか?それは再婚して子を持つ親となり、映画作りのテーマが変わったのだろうか。

 そういえば「ターミナル」でも父と子がテーマであった。やはりスピルバーグの興味あるテーマが父と子にシフトしたことが本作でもあきらかであった。
それに911の影響も大きい。国を守るアメリカ、家族を守る父、そう自由と平和のために、あくまでもテロに屈することはできない。911以降、そんなメッセージが込められたアメリカ映画が多くなった。アンハッピーエンドな映画が増えたのも、やはり911の影響なのではないかと思われる。

 スピルバーグにしても、その影響はあるが、この作品で地球を攻撃する宇宙人が地下から現れたという点に注目したい。スピルバーグは外部のテロの恐怖よりも、内部からのアメリカの崩壊を警告する。それは家族の崩壊であり、国の崩壊につながるからだ。だから崩壊から守るためには、どうして家族を守る強い父親像を描く必要があったのだ。

 その父親像を、あくまでも小市民的な視点で描いているところがスピルバーグらしい。その視点も今回はトム・クルーズが演じる父親に置いて徹底している。平凡な父親が宇宙人をあっけなく倒すところは物足りない感じもするが、それはそれでいいと思う。そしてトムは娘役ダコタ・ファニングから敬愛のまなざしで見つめられる。未来と希望に満ちた出来すぎたエンディングだが、そこがスピルバーグらしいところでいいのだ。だから観客は救われた気持ちで「良かったなあ」と思いながら映画館を後にすることができるのだ。

頭の中の消しゴム

2005年07月20日 | Weblog
 韓国で映画俳優としてもっとも人気のあるチョ・ウソン主演。そしてヒロイン役には、「四月の雪」にも出演しているソ・イェジン。若年性アルツハイマー病にかかり記憶がなくなっていく。肉体の死よりも精神の死が早く来る病気はおそろしい。

 この作品の世界にはまる人は泣ける。
 チョ・ウソンは骨太の演技をしているし、ソ・イェジンは幼い顔立ちながらしっかりとした演技をしている。

 しかし僕がどうしても気にばるのは20代というアルツハイマー病になった若い夫婦という設定。発病率からいってどうなのだろう?とか考えてしまった。新婚間もない夫婦なので子供はいない。だからテーマに家族という厚味がない。アルツハイマー病を題材として選ぶなら、もっと家族愛、夫婦愛を追い求めて欲しかった。ただ斬新なアイデアというだけで、題材として扱った感じが残る。たとえ男と女の愛にこだわるにしても、もっと広がりを追い求めて欲しかった。
 それに二人の出会いのきっかけがファミマでコーラというのも解せない。だからコンビニ夫婦のごとく簡単に離れたりできるのかと妙に納得してしまう。ひょっとして、コーラとファミマから出資があったのかなぁ。それなら納得がいく。
 
 この作品は、ストーリーは予測がつくのだが、次に来るシーンの予測ができない。だから展開としては飽きがこないのだが、脈絡がないといえばない。斬新なのか凡庸なのか、判断は難しい。