映画道楽

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アジアフォーカス・福岡国際映画祭2008開幕  オープニング作品は「至上の掟」

2008年09月14日 | Weblog
12日金曜日アジアフォーカス・福岡国際映画祭開幕。1990年から始まり19回目を迎える。そのオープニング上映会に行ってきた。
上映作品は「至上の掟」。近年のトルコ映画で最高の出来という評判の良い作品だ。

冒頭、羊の群れから離れたところに無残な姿で倒れている一人の女のショットがある。女は村の何ものかにレイプされた。村ではケガされた女は死なねばならないという理不尽な掟がある。羊の群れから離れたところに倒れる女のショットは、もう村社会に戻れない女を象徴するショットだ。
女は自害を迫られるが死にきれず、兄と慕う従兄弟と村を出る。あるきっかけで大学教授と知り合い、三人はヨットで暮らすようになる。そこへどうしても村の掟を守りたい者たちの魔の手が迫る。

サスペンスではありません。
レイプされた女は体は汚されたが心は純粋なまま。従兄弟は戦争に行き、その体験からどうしても猜疑心が強くなってしまっている。従兄弟は心を汚されている。大学教授は虚栄と虚飾の生活に疲れていた。そして人間性を取り戻したいためにヨット暮らしをしていた。そんな三人がそれじれの人生の目標を取り戻すお話。

ラストではレイプ犯に天誅が待っている。しかし鑑賞後の気持ちはスッキリするかというとそうでもなく。なぜ?という思いに駆られた。

そこにいまの世界の縮図があった。
血を血で洗う報われない紛争を繰り返す世界は、この映画の村社会のように閉鎖的で古い慣習に囚われている。いま世界に必要なことは従兄弟のような心の浄化なのだろう。

いやぁ、いい映画でした。
おすすめです。

至上の掟
2006年/トルコ/105分
監督:アブドッラー・オウズ
出演者:ムラット・ハン、 オズギュ・ナマル、タラット・ブルット

上映日時
9/17水
10:20-
ソラリアシネマ 1

9/19金
15:40-
ソラリアシネマ 1

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