映画道楽

人生をいう道を楽しむために楽にするために映画を楽しみます。

青空のゆくえ

2005年10月26日 | Weblog
 隣にいることが当たり前だったクラスメイトの1人が、突然転校することになった。初めての別れを経験する15歳たち・・・。そんな仲間たちの揺れる心を、美しい映像と音楽で綴った、誰の心にもある、忘れられない記憶を喚起する青春映画。 

 十代の男の子と女の子、それは友情なのか初恋なのか?今日が、あっという間に明日になる。明日には自分は何処にいて何をしているのだろう?・・・誰といるのか?友達がいなくなるということ、初めて人を好きになったこと、受け入られなかったこと、いじめられたこと、自分が今暮らしているこの場所を大切だと思うこと、言いたかったこと、立ち向かいたかったこと・・・・・・。

 『青空のゆくえ』は、そんな様々な想いと出来事が毎日積み重っていき、あることは大切に、あることはいつの間にかに、心の中にしまわれていく一瞬を瑞々しい映像で描いている。

 メイン9人のキャスティングに関しては、2004年春にオーディションに3ヶ月以上かけ、プロ500人、一般800人を越える候補の中から選出。国民的美少女コンテスト出身の大器、森田彩華。大きく伸び伸びとした個性が光り、長澤監督に見い出された新星、中山卓也。「ケータイ刑事」など映画・ドラマの主演作が続く若手演技派の黒川芽以。「3年B組金八先生」のレギュラーを務め、確実な演技力が評価を高める佐々木和徳。2005年は大作『HINOKIO』のメインキャストを始め主演映画が相次ぎ公開され、またベストセラー小説「夜のピクニック」映画化で主演に決定し、注目を集める多部未華子。個性と存在感が今後のブレイクを予感させる新鋭三船力也。CMやドラマ「シブヤフィフティーン」でキュートな魅力をみせる悠城早矢。映画「恋は五七五」等、落ち着いた雰囲気と優しさが魅力の橋爪遼。オンエア中のJR東日本「Suica」のCMが話題を呼んでいる西原亜希。今後の映画界を背負い、大きく羽ばたく可能性を持つ、9人の若手映画俳優たちが、ここに勢ぞろいした。

 監督は『ココニイルコト』『ソウル』『卒業』『13階段』の監督で評価を高める長澤雅彦。岩井俊二監督の大ヒット映画『Love Letter』のプロデューサーを務め、篠原哲雄監督の『はつ恋』では脚本家としての力量も見せるなど早くから映画界で活躍してきた逸材である。

 共同脚本は日向朝子、日大芸術学部卒業後、サンダンス・NHK国際映像作家賞2003に入賞。本作がデビュー作。衣装にはトップスタイリストとして『リリィ・シュシュのすべて』『下妻物語』など数多くのクリエーターとのコラボレーションを成功させている申谷弘美など、日本を代表するスタッフが参加。音楽はチャン・イーモウ監督の名作、『あの子を探して』『初恋のきた道』の美しい音楽で全世界の観客の心を震わせた中国のメロディメーカー サンパオが担当し、物語を温かく包んでいる。

天空の草原ナンサ

2005年10月26日 | Weblog
「らくだの涙」のビャンバスレン・ダバー監督の最新作「天空の草原ナンサ」を観た。遊牧民の少女ナンサと子犬の物語。これといってドラマチックな要素があるわけでもなく、遊牧民の暮らしを丁寧に描いている。物に溢れる近代化された社会について考えさせられる。物が豊富なこと、物に執着すること、それイコール、決して幸福とは限らない。何よりも大切なことは自然を感じながら、家族を大切にして生きることではないかと諭される。監督が言っていた言葉だが、「近代化は悪いこととは思わない。誰もが教育を受けられるという点では良いことだと思う」。僕もそう思う。しかしその教育がねじれ現象を起こして、社会がおかしくなっていく。日本にしてもそうだろ。遊牧民の暮らしにも近代化の波が静かに押し寄せているという。自然災害により家畜を失った人たちが都市に働きに出てしまうそうだ。都会に行けば仕事がある。金が稼げる。物が買える。人間は欲が深いから、つい無理をしてしまう。そうやって自分を見失ってしまう。最小限の物、食べていけるだけのお金があって、自分を大切にできれば、人は十分幸せに生きていける。「天空の草原ナンサ」は心が癒される作品。(公開は2006年正月)