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小説・鉄槌のスナイパー・二章・NOー(70)&CG合成

2008-10-19 01:59:09 | 小説・鉄槌のスナイパー(第二章)
小説・鉄槌のスナイパー・二章・NOー(70)&CG合成

二人は誰なのか予約してくれた人の名簿を見ていた。
「やったわね京平さん、問い合わせだけでも十二件。三組みで十人もお正月に使ってくれるなんて嬉しいね」。
「うん、これだから営業って止められないんだよな。直ぐに結果が出るから」。
すると、美保は京平に教わった営業の仕方や、京平が取引先に意かに信用があるか自慢気に説明していた。
そんな美保の話を義父は腕を組み、母は「うん、うん、そう」と頷きながら真剣に話す美保に暖かな視線を送っていた。
京平はそんな話しに照れ笑いを浮かべ、黙って聞いていた。
こうして何事もなく平穏な日々が流れ、十一月も終わろうとしていた。
寒さも本格的になり、八方や穂高連邦の峰々には薄っすらと白い物が望む季節になった。
しかし、美保には底冷えのする京都に比べると白馬の冬は暖かくさえ感じていた。
そして十二月に入った一日、美保が身体の異変に気付き、義母良江と産婦人科を訪ねていた。美保は診察台に横になっていた。そして診察が終わった。
母義は嫁の妊娠に気付いていた。しかし確実に分かるまではと黙っていた。
そして母良江も呼ばれ、診察室に入った。すると美保は嬉しそうに顔を上げた。
「お義母さん、三ケ月ですって」。
「そう、お目出とう。良かったわね、先生、宜しくお願いします」。
医師は笑顔で頷いていた。そして注意事項を聞き、受付で母子手帳を貰うと佐久間婦人科を出た。そして帰りは義母の運転で五分ほどの道程を帰った。
そして夫の待つ部屋に行った。「京平さん、赤ちゃん、三ケ月ですって」。
京平は驚いた。パソコンの手を止めて立ち上がった。
「そうかっ!やったな美保。やったやった」。
「うん。予定日は来年の六月二十三日だって」
京平は屈むと美保の両足と背中に手を廻すと、そっと抱き上げた。美保は真っ赤になって首につかまった。
「お目出とう美保、元気な子供を生んでくれよな」。
「うん、頑張って元気いっぱいの赤ちゃん生むから」。
そこへ父良平が母親から聞いて階段を駆け上がって来た。そして空いていた部屋へ入って来た。
「美保さん母さんから聞いたよ、御目出とう。京平、美保さん良かったな」。
「はい。お義父さん有り難うございます」。
「京平、落としたらどうする。早く美保さんを降ろしなさい」。
京平は抱き上げた美保をそっと降ろした。
「京平、階段に手刷りと滑り止めを直ぐに着けるように手配しなさい。そうか、孫が出来たか。良かった良かった。此れからは無理はしないようにな美保さん。京平分かったな」。
「ああ、分かった」。
「お義父さん、でも先生がある程度動いた方が良いって言っていましたから。疲れた時は言いますから仕事はさせて下さい」。
「うん、分かったよ」と目を細め、満面な笑みを浮かべながら出て行った。
そして階段を降りる義父の足音もトントントンと軽やかだった。
美保は電話を持つと京平を見ながら京都の母の元へ電話した。
「あっ、お母さん。美保、お母さん赤ちゃん出来たよ」。
「そう~良かったわね、御目出とう美保。京平さんや御両親には話したの」?
「うん、お義母さんに着いて行って貰ったの。京平さんに代わるね」京平は嬉しそうに受話器を取ると改めて報告した。
美保は受話器に耳を近付けて母の話しを一緒に聞いていた。
そして京平は京都の義母に遊びに来る事を約束させて受話器を置いた。こうして紺野家は美保の身体を第一に、美保中心に流れ始めていた。
そして、正月の予約も一杯になり、気を抜ける時期に入っていた。
そんな十二月の半ば、父良平は寄り合いで出掛け、母良江は病院に連れ添って美保の定期検診に出掛けていた。京平は一人で事務所にいると、突然連絡も無く静岡から三河警部が一人で訪ねて来た。
「紺野さん、少し時間を頂けませんか」?
「ええ、いま僕一人なんです。時期に母も美保も帰って来ますから、この先のマホロバって言う喫茶店で待っていてくれませんか」。
「分かりました。では後程」。そう言うと三河は出て行った。京平はどんな用件で三河が来たのか分かっていた。
そして妊娠している美保にはもう手伝わせたくないと心に決めていた。そして十五分もすると母と美保が帰って来た。
NO-70


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