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小説・鉄槌のスナイパー・二章・NOー(63)&CG合成

2008-10-04 16:07:51 | 小説・鉄槌のスナイパー(第二章)
小説・鉄槌のスナイパー・二章・NOー(63)&CG合成

「見なかったよね、そんな荷物を背負ってたら私でも気が付くもの」。
「そうですか、あの転落事故の現場とは離れていますから、事件性もない事故ですから関係ないと思いますが、どうも何か引っ掛かりましてね」。
「何かってなんです?・・・それよりその医者が何をしたんです。こんな所まで業々調べに来るんですから、それなりに大きな事件なんでしょう。訊くだけ聞いて後は隠すって警察のやり方ですか」。
「適いませんな紺野さんには、まあ良いでしょう。あの吉原医師は麻酔薬のバルビタールを横流ししていましてね。その上覚醒剤にも手を出していた事が調べで分かったんです。その矢先でした」。
「そうですか。じゃあ大浜で取引しようとしていたと言う相手は・・・」
「いいえ、今となっては死人に口なしです。ですからこの転落事故も何者かの手でと思ったんですが。不注意に因る事故でした。所で、伊豆の事と大浜の事で何か思い出された事はあのませんか?・・・」。
京平も美保も黙って首を振った。
二人の刑事は揃えたように腕を組み、真一文字の唇からフ~ッと溜息を吐いた。
「全く、こんなに目撃者や犯人の遺留品がない事件も珍しいです。紺野さん、これは私の勘なんですがね。亀石峠の交通事故と大浜の殺人、どうも繋がっているような気がしてならないんです。
距離的には離れている事件と事故なんですがね。それからね、軽井沢の大量殺人事件は鮮やか過ぎるんです。素人の出来る仕事ではない気がするんです。この間お邪魔した時に紺野さんに言われました。
機関銃でもなければ一度に七人は殺せないって。でも機関銃では音を聞かれてしまいます。だとすれば、七人の狙撃手が一度にライフルを発射させたら音は一度だけです。
観光客は暑さで窓を締め切ってクーラーを効かせていますからね。音は聞いても微かな音です。どうですこの推理は」?
「それじゃあゴルゴ13んだ。インターネットのCIAなんかのサイトには自動小銃にも消音器が着けられるそうですよ。
でも警察は宿泊客を全員調べたんでしょう。それに有料道路を入る車も。それで犯人らしい車や人はいなかったんですか?・・・ゴルゴ13は?・・・」。
美保はクスクス笑いながら聞いていた。
「これは参りましたなゴルゴ13ですか。ええ。確かに大浜で射殺された弾は九州で狙撃された要人の弾とにていますが、ライフルマークが違うんです」。
「なにライフルマークって?・・・」。美保は身を乗り出した。
すると三河警部は得意そうな顔をしてペンを取ると広告を見付けると裏に図を書いても美保の前に差し出した。そして説明していた。
そこへ母がお茶とお菓子をもって入って来た。
「なんか今日はにこやかね。美保さんの笑い声がしたりして。遅くなってごめんなさい。どうぞお茶でも」。母良江は美保にトレーを渡すと出て行った。
「紺野さんトイレをお借り出来ませんか」。
「はい、自分も行きますからどうぞ」。
京平は席を立つと三河警部と応接間を出た。そしてトイレに行くと並んで用を足していた。そして手を洗うと「紺野さん」。と呼び止めた。そして庭に出た。
するとポケットから一枚の写真を出して京平に渡した。人相の悪い初老の男が写っていた。良く見ると隠し撮りしたような写真だった。
「紺野さん、此の写真の男は堂元勝雄56才、とんでもない男でしてね。恐喝揺すりたかり、人身売買となんでもする男です。この男はその昔検事をしていました。
そして弁護士になって事務所を起こしたんです。落検です。そして三年で廃業して今は用心棒を二人抱えて一人で動く一匹狼です。
検事や弁護士時代に入手した個人の秘密を種に金品を威し取るハイエナみたいな男です。この男を片付けて欲しいんです」。
京平はその一言に唖然とした。そして背中が凍るおもいになった。そして覚悟して答えた。「分かりました、知っていたんでか?・・・」。
「ええ、でも私だけです。あの大浜で貴方は会社のバッヂを落としたでしょう。私が拾って捨てました」。
「そうでしたか、じゃあ軽井沢の件も僕だと?・・・」。
「ええ、何があったかなんて事は詮索しません。それはそれ。こちらも仕事ですから一応調べませんとね。この男は警察でも手に負えないんです。
決してボロを出さない。被害者も告訴しても直ぐに撤回してしまう。威しが凄まじいようでしてね。ですから、思い切って貴方にお願いする事にしたんです。軽井沢は奥さんと二人でやったんですね」。
「ええ、妻は自分より腕は上です。決して外しませんよ」。
「そうですか、紺野さんより上ですか。それは怖いですな、国体に出られる腕の貴方より上だとは。やり方場所はお任せします。それから此れが堂元の一週間の日課です。まず変化はありません」。
そう言うと内ポケットから封筒を出して京平に渡した。京平は見る事もなく二つに折るとポケットにしまった。
「京平さん、刑事さん。何話しているの、お茶が冷めちゃうよ」。美保が戻って来ない二人を庭に見付けると声を掛けた。
京平は美保を呼んだ。そして三河警部からの依頼を告げた。
「え~っ、警部さんも人が悪いね。任せてゴルゴ13だから、ウフッ・・・」。
美保はあっけらかんとして驚きもしなかった。
「奥さんには参りましたな、え~っ、アッハハハハ・・・」。
「でも警部さん、いつ何処でやるか話しませんよ。その方がお互いに良いでしょう。ねえ京平さん」。
「その方が良いと思う。でも何か変わった事があったら知らせて下さい」。
「ええ勿論です。その方は任せて下さい。では戻ってお茶を御馳走になりますか。それから部屋は空いていますかな」。
「はい、ございます。御宿泊有り難うございます。ウフッ・・・なんか嬉しくなっちゃった。警部さんが仲間なんてさ」。
「宜しくお願いします。夫婦のスナイパーさん、アッハハハハ・・・」。
「所で小森刑事と言う人はどんな人です?・・・」。
「小森は私の兄の息子で甥です。でもこの事は話してありません」。
「そうですか、それでいつも一緒だったんですか。詳しい話しを聞きたいですか」?
「ええ、どんな訳があってこうなったか聞きたいですな」。
そして二人の刑事は宿泊の手続きを済ませ、部屋へ案内した。そしてその晩、仕事を終えた京平と美保は小森刑事を残して出掛けた。
そして三河警部を別荘へ案内したのだった。
着くと警部は呆然とロッジを見ていた。
「此れは凄い別荘ですな、ここは紺野さんの別荘ですか」?
「ええ、親友と家族以外の人を連れて来た事はありません。どうぞ」。そして中へ入ると美保はお茶の支度をした。
京平は地下室にいくと密閉された予備のライフルと銃を入れたブリーフケースを持って来た。そして鍵を明けて開いた。NO-63


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