【永田満徳(みつのり)】 日本俳句協会会長代行 俳人協会幹事 俳人協会熊本県支部長 「文学の森」ZOOM俳句教室講師

「火神」主宰 「俳句大学」学長 「Haïku Column」代表 「秋麗」同人 未来図賞/文學の森大賞/中村青史賞

季語で一句① 〔『くまがわ春秋』12月号〕

2019年12月11日 08時21分11秒 | 月刊誌「くまがわ春秋」
俳句大学投句欄よりお知らせ!

〜季語で一句①〜

◆『くまがわ春秋』12月号が発行されました。
◆「俳句大学投句欄」で、毎週の週末に募集しているページからの転載です。
(https://www.facebook.com/groups/1538014679752252/)

永田満徳選評・野島正則説明

Anikó Papp

陽を浴びる東京タワー今朝の冬
【永田満徳評】
「立冬」は冬の到来を迎える緊張感が本意である。掲句は「東京タワー」が厳しい冬を迎えるかにように、立冬の陽を浴びて、すくっと立っている感じがいかにも「立冬」の雰囲気に合っている。
立冬(りっとう《りつとう》)   「冬-時候」
【季語の説明】
立冬とは二十四節気の一つ。暦の上ではこの日から冬である。「立」には新しい季節になるという意味で、立春、立夏、立秋と並んで季節の大きな節目である。日中の陽射しも弱まり、朝夕の冷えこみに、冬が近いことを感じる。木枯らし1号や初雪の便りも届き始める。そして、初霜が降り、次第に冬の佇まいへと変わる。


古閑寛昭

石段のドレミファ遊び七五三
【永田満徳評】
七五三は子供を詠むか、その情景を詠むかの二つが多い。掲句は「石段」が高いところにある神社を示し、「ドレミファ遊び」という、子供ならではの遊びに興じる様を詠んで、類想を越えた句になっている。

七五三(しちごさん)      「冬-行事」
【季語の説明】
11月15日。男子は三歳・五歳、女子は三歳・七歳を祝う行事。髪置・袴着・帯解などの祝いが一つになって、江戸中期以降、江戸などの大都市で行われたのが始まり。今日では11月中旬に着飾った子供が親に連れられて神社などに参詣する。


中野千秋

猪肉や見知らぬ人と火を囲み  
【永田満徳評】
「猪」はその現場に居合わせなければ作れない季語である。 掲句は、「見知らぬ人」という措辞に、誰も彼もが仕留めた「猪肉」料理を楽しんでいる和気藹々とした様子がよく描かれている句である。

猪(いのしし《ゐのしし》)    「秋-動物」
【季語の説明】
猪は、「猪突猛進」という成句が出来るほど突進力が強い半面、神経質な面も持っている。嗅覚が鋭敏で知能も高い。猪は晩秋になると、農作物を求めて人家近辺にも出没する。警戒心が強いため、夜に出没し、稲穂や、芋・豆、農作物被害も出ている。そこで、山近い田畑には猪垣を作り猪の入るのを防ぐ。

(info@hitoyoshi.co.jp ☎0966-23-3759)


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする